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東京最古の酒舗。居酒屋のルーツは神田にあった...!

夏目漱石の母校であるお茶の水小学校の裏手に、「豊島屋本店」の店舗兼本社ビルはある。慶長元年(1596 年)創業の老舗は、日本文化のひとつである日本酒の魅力を伝え続けている。(2017年6月発行「FREE AWAJI BOOK 8890」No.18より)

公開日 2017年11月22日

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神保町駅
ライター
FREE AWAJI BOOK
東京最古の酒舗。居酒屋のルーツは神田にあった...!
夏目漱石の母校であるお茶の水小学校の裏手に、「豊島屋本店」の店舗兼本社ビルはある。慶長元年(1596年)、かの関ケ原の戦いの少し前に、神田橋と鎌倉橋のほとりの川岸で酒屋として創業した豊島屋は、現代に残るさまざまな酒文化のルーツと言われている。
その一つが、雛祭りの定番となっている“白酒”。十六代目当主の吉村俊之さんが、丁重に扱い取り出した江戸時代後期の書物『江戸名所図会』の一巻には、江戸の街で暮らす民衆が豊島屋で白酒を買い求める様子が描かれている。
「豊島屋は白酒の元祖と言われておりまして、“山なれば富士、白酒なれば豊島屋” と親しまれていました。当時の豊島屋は江戸城のそばにあり、店に集まる武士や商人、職人などに向けてお酒とおつまみを提供。それが現在の“居酒屋”の元になっているとも言われています」と吉村さん。聞くと、おつまみの豆腐田楽の味噌を辛めに味付けて酒が進むようにしたり、空いた酒樽を味噌屋や醤油屋に売って利益を得た分、お客さんにお酒を安く提供したりと、とっても商売上手な創業者だったようだ。

←十六代目当主の吉村さん。日本空港ビルデング等と共同開発した羽田・成田空港限定の「和想」と一緒に。

明治時代中期には酒造りを開始。現在は東村山にある豊島屋酒造でオリジナルの日本酒を醸造している。地域とのつながりも深く、看板銘柄「金婚」はお神酒として神田明神に納められ、5月の神田祭では店先に集まる町会の神輿の人々にもふるまわれる。また小川町「やぶ仙」は創業以来ずっと豊島屋の銘柄を扱う蕎麦屋。神田に来たなら、蕎麦屋で日本酒という粋な飲み方は外せない。

↑金庫に大切に保管されている『江戸名所図会』。豊島屋が本当に江戸時代から存在していたことを実感...!

「“神田は日本のカルチエ・ラタン”なんて言われますが、繁華街でありながらも文化の香りが漂うところがこの街の魅力。そして日本酒もまた、大切にすべき日本文化の一つだと私は思っています。蔵人の研ぎ澄まされた五感と技術をもってしか仕込むことができない日本酒は、世界中で最も造るのが難しいお酒と言われています。私は家業に入るまで半導体の研究員として長年デジタル技術の世界にいたのですが、改めて酒造りの現場を目の当たりにした時、人間のアナログの力のすごさを実感しました。豊島屋本店として、日本酒という文化の一端を担えていることは私たちの喜びであり、誇りでもあります」。

←店舗には看板銘柄の「金婚」など多彩な酒が。試飲もできる。

そんな吉村さんの行動指針は、守るものは守り、変えるべきは大胆に変えるという『不易流行』。伝統や人との御縁を守りつつも、新商品の開発や、お酒と食の会(金婚会)開催など、日本酒界を盛り上げるべく進化を続けている。
「お酒は文化であり、人生を豊かにしてくれるもの。一人でも多くの方に日本酒の魅力が伝わり、未来に渡って楽しく飲み継がれていくと良いなと思っています」。

豊島屋本店

住所
東京都千代田区猿楽町1-5-1
電話番号
03-3293-9111
営業時間
9:00〜17:00
定休日
土日祝
最終更新日:2017.3.17
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。

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