ちくわ。 おでかけ情報

魅惑の昭和モダン空間「西浅草 黒猫亭」で味わう、日本酒と絶品ケーキのマリアージュ。

good mornings

公開日 2017年12月26日

銀座線の田原町駅からほど近い西浅草の街角。夜の静けさが広がる中通りに入って間も無く見つかるこのお店には、雑多な現代を生きる私たちが思わずクラっとしてしまいそうな、魔性の(?)味覚と魅力があります。

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昭和モダンカフヱ&バー「西浅草 黒猫亭」は2017年11月11日にオープンしたばかりの、昭和モダン的な空間の中でいただくケーキと日本酒が美味しいともっぱらの評判のお店です。
店に入って気づくのは、その空間自体の簡素ながらも味わい深い感じ。昭和初期の雰囲気でまとめ上げられたこの場にいるだけで、おのずとしみじみ感じ入ってしまうものがあります。
カウンターに立つ店主の宇都木(うつぎ)由美さんが、「昭和初期」というなんともピンポイントな時代に惹かれるようになったきっかけは、20年近く前にTVで見た横溝正史作品。その世界感にインスパイアされた彼女は、そのまますっかり昭和モダン文化に魅了されてしまったのでした。
数多くある横溝作品、その中でも大好きな「黒猫亭事件」を店名にいただき、店の雰囲気はもちろん、着物の色柄や着こなし、メイクや髪型までもが小説に描かれている世界をイメージしているとのことで、言ってみればこのお店は宇都木さんによる昭和モダンと横溝作品へのオマージュの空間、なのです。

食器・グラス類も昭和に作られたもので揃えたというこだわりよう。
元はスナックだった店舗をリノベーションしてできたというこのお店。湾曲したカウンターテーブルやカウンターチェアの質感もまた、小ぎれいながらも年季を感じさせるもの。かつてまさにこの場所で、夜ごと繰り広げられていたであろう酒場の語らい、その光景が目に浮かんできます。

横溝作品の世界観に加え、この物件の過去の記憶が重なった、そんな二重のノスタルジー感にクラクラしつつも心地良い、そんな不思議な居心地です。
黒猫亭のおすすめメニューはなんと「ケーキで日本酒」。聞いたことのない組み合わせですが、そんな提案ができるのも、実は宇都木さんが洋菓子店でパティシエール(女性の菓子職人)、つまりケーキのプロフェッショナルだったから。
「例えばブランデーとチョコレート、ワインとドライフルーツとか、お酒とスイーツは相性がいいんです。日本酒も個性豊かでさまざまですけど、その中からケーキに合うものを吟味してご用意しています」。
ケーキはもちろん宇都木さんのお手製。毎日3、4種類を焼き上げます。この日は定番のキャロットケーキ(しっとり濃厚な美味しさ)、レッドベルベット(真紅のチョコレートケーキ!)と洋梨のタルト(季節のフルーツの味わい)の3種類。
お手製のケーキ、それに宇都木さんから小ぶりの脚付きグラスに注いでいただく日本酒。その両者は素晴らしくマッチしていて、ケーキもお酒もいろいろ試さずに帰るのがもったいなく感じられるほど。

「当初はスイーツもお酒も両方大好きな着物女子たちにウケるだろうと思っていましたけど、案外中高年男性にも好評でしたね」と、お店を開いたことで意外な事実も発見したのでした。
それからもうひとつ、ぜひ食べておきたいのが「黒猫亭プリン」。卵と牛乳でしっかりした食感に仕上げてチェリーを添えた、これがまた懐かしの見た目と味なのです。
宇都木さんが自分の好きなものを色々と昇華させた空間、黒猫亭。オープンしてからまだ日が浅いのに、彼女との着物談義を楽しみに通う女性客、それに横溝正史ファンなど、男女を問わず既にいろいろな常連さんができている模様。
また外の立て看板に「English OK」とあるように、カナダへの留学経験もある宇都木さんは英語もお上手。今後は外国人観光客の来店も増えていきそうな予感がします。

「世界観」とはよく言いますが、宇都木さんのお店に入って感じられるそれは、きっと誰かに話さずにいられない、でもこっそり自分だけのお気に入りにしておきたい、そんな葛藤をもよおす類のものです。
(文:牧野雅枝)
(撮影:大塚秀樹)


西浅草 黒猫亭

住所
東京都台東区西浅草2-9-1
営業時間
[水.木] 19:30~22:30 (L.O22:00) [金.土.日] 12:00~20:30 (L.O20:00)
定休日
月・火 ※年末年始休業、夏季休業あり
最終更新日:2017.12.21
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 ※年末年始休業、夏季休業あり

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。