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究極の「煉り」を追い求めて。たった一坪の店舗を営む、有楽町のオリジナル和菓子屋「銀座かずや」

good mornings

公開日 2018年2月20日

大福、どら焼き、羊羹、最中と、それぞれに「名店」と呼ばれる老舗が存在する東京・銀座。そんな銀座からほど近く、有楽町のビルの一角に、ちょっとユニークな和菓子屋さんがありました。

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JR有楽町駅からも近く、アクセス良好の場所にあるそのビルの入り口に質素な木製看板が。中に入ると、ビルの一階にまるで小屋のような(?)小さな設えが姿を表しました。実はこの広さたった一坪の区画が、知る人ぞ知る、創作和菓子屋「銀座かずや」の店舗なのです! ワンアンドオンリーな和菓子を作り続ける、店主の古関一哉さんにお話を伺いました。

「もともとは銀座の日本料理屋で板前修業をしていました。カウンターに立って色々な経験をさせていただくうちに、先輩のつくる胡麻豆腐が大好きになって。これ甘くしたら美味しい和菓子になるんじゃないかなと。」
今はビルの立ち退きのため閉店してしまったという銀座の料理屋には、場所柄さまざまな人が行き来していたそう。まずは休日を利用して胡麻豆腐の研究をはじめた一哉さん。煉り加減ひとつで食感を変えてしまう奥深さを知り、ますます胡麻豆腐づくりにのめり込んでいきました。甘くない胡麻豆腐から、抹茶を入れてお菓子風に。笹で巻いて三角形のかたちにアレンジしたりもしました。

「板前をやりながら、試作をお客さんにこっそり食べてもらったりね。それで感想を手紙でいただいたり、もう少し固いほうがいいんじゃないか?なんてありがたい意見をもらったり。将来は銀座で自分の店を持つつもりでしたので、もう下積みの精神で。二年間くらい、近所の皆さんにとにかく知ってもらおうと、お菓子の職人さんも他分野のお店も、有名な方にも会いに行きました。」料理屋というバックグラウンドから、いわゆる伝統和菓子ではなく創作和菓子に絞ることを決心し、胡麻豆腐から発想を得た「煉り菓子」を追求していったという一哉さん。リサーチとして始めた「人に会う」ということが、技術的にも人間としても大きく成長させてくれたと振り返ります。

「お菓子は食べ物だけど、商売って結局人なんだなと学びました。有楽町のこの物件を見つけたのも、板前時代からのご縁が元なんです。『ここ!?』って最初は驚きましたけど、目立たなすぎて逆に目立つことってあるでしょ。(笑)」

銀座を経て、有楽町にお店を構えたのは2005年でした。今やなかなか予約の取れないオリジナル和菓子として有名になった「かずやの煉(れん)」は、当時の研究成果が十分に発揮された逸品。豊かな抹茶の香りにモチッとした食感。上品な甘さがつるりと喉を通ります。板前として修行を重ねた古関さんが、ある時苦労して出場権を手に入れた神奈川県の和菓子職人コンクールで「抹茶豆腐」という名で出品したのが最初でした。
「抹茶豆腐で賞をいただきました。でもその名前だと、お客さんが醤油をかけちゃうから変えたら?とコンクールの会長からアドバイスをもらいまして。(笑)ちょうどお店の名前も考えていた頃で、自分の呼び名『かずや』を屋号に、抹茶豆腐は看板商品として、煉り菓子の『煉』という字を入れた『かずやの煉』に決めました。」

「かずやの煉」は一番の人気商品ですが、店頭のみで買うことができ、予約が必須です。1ヶ月前より受付開始されるので、お店に電話して日程を予約。時には手に入るまでに数週間後までかかることも! 噂を聞きつけてやってくるお客さんは後をたちませんが、すぐに煉り菓子の美味しさを体験してみたい方には予約なしで購入できる他のお菓子もおすすめです。
煉り菓子詰め合わせは、通常「抹茶」と「みるく」2種類の味が楽しめるカップ入り。白蜜をかけていただきます。笹に包まれた「かずやの煉」は予約が必要ですが、容器に入ったこちらなら当日購入が可能。季節によって別の味が出ることもあるそうです。プリンとも水羊羹とも全く違う、もっちりとした自慢の煉り食感を楽しみましょう。
煉りあめは、縁日で水飴をはさんで食べるせんべいのイメージで作られたお菓子。最中の生地と煉りあめが別包装で入っており、食べる直前にとろ〜りと飴を流し込んでいただきます。今回、取材班が試食したのは「柚子」「小豆」「栗」「干し柿」の4種。可愛らしい見た目と、自分でつくって食べる特別感、ふんわりと香る柚子や栗の風味が、誰にあげても喜ばれそう! 冷やして食べると飴の食感もいいので、夏のお持たせとしても活躍してくれるはず。
「このお店にしかないものを作りたいと思っています。銀座にも『ここ(店頭)でしか買えない和菓子』ってありますけど、その哲学を僕も継承したい。板前菓子からはじめた煉り職人としても、材料の煉り加減とか、まだわかりきっていないことがあるんですよね。小麦粉、葛粉、わらび粉。特性それぞれで追求していくと面白かったりする。不器用なのかもしれないですけど、僕はひとつのことを極めるのが好きみたい。だからずっと買い続けてくださる方に『去年より美味しくなった』なんて言ってもらえる時は嬉しいですね。」
出会いに助けられて、一坪の小さなお店が色んな所へ繋がっていく。現在も実のお姉さんが製作物をつくるお手伝いをしてくれたり、生産者さんを紹介してくれることで新たなお菓子が生まれているんだそう。オンラインショップも開設し、デパートの催しでの出店や、クルマのショースペースで出したいとの依頼からスペシャルコラボスイーツを考案することも。

「かずやの煉を作り上げたのは自分ですけど、今ではかずやの煉が自分を作ってくれているような気さえするんです。名前を言ってわからなくても『あぁ、かずやの煉の古関くんね!』と。」自分が追い求める先に可能性を広げていった「銀座かずや」の遊び心とチャレンジャー魂に、あなたもぜひ出会いに行ってみてはいかがでしょうか。
(文:平野美奈)
(撮影:鈴木優太)

銀座 かずや (ぎんざかずや)

住所
東京都千代田区有楽町1-6-8 松井ビル 1F
電話番号
03-3503-0080
営業時間
11:30~15:00
定休日
日曜・祝日(月1〜2日不定休あり)
最終更新日:2018.1.30
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。

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