
バナナを使ったスイーツが専門、ということだけでもユニークなのに、さらにお店を切り盛りするのが二人の男たち、ともなれば無性に気になってしまうのが人情でしょう。「バナナファクトリー」という名前で昨年11月にオープンしたここは、押上ピープルをはじめ近隣の人々の間で確実に人気を博しつつある注目のお店です。

バナナブレッド、フィナンシェにクッキー、それにバナナと生クリームを挟んだサンドイッチなどなど、バナナを使った各種スイーツが並ぶ優しい木質の店内。
中でも一番人気なのが、バナナパイ。
中でも一番人気なのが、バナナパイ。

このふっくらした正方形の中に入っているのは、クリームチーズ、粒あん、そしてバナナ。三者みつどもえで作られるライトな甘さと塩気。その調和具合がまさしく「ハーモニー♪」なこの感じ、字だけでうまく伝わるでしょうか(笑)。 あんの分量もライトでサクサク食べられるという、創意的でそして何より純粋においしい一品です。

リピーターになる人も多そうなこのキラーアイテムを開発したのは、繰り返しますが、二人の男たちです。

お店づくり全体に携わる市村さん。ガタイのよさの一方でこのあふれるような笑顔。太陽みたいなエネルギーあるスマイルでお客さんを迎え入れます。バナナファクトリーの原点は「人に笑顔や喜びを与えられるようなお店をやりたい」というこの人の思いです。

そして厨房に立つシェフパティシエ、佐久間さん。スピーディかつ心の込もった、職人然としたアクションと手わざでもって日々お菓子をつくり上げます。
元は大学で同級生だったこの二人。互いに違う道を歩んでいた中、食品サンプル会社勤務の経験などを経て、一念発起してスイーツ店をやることにした市村さんが、タッグを組むべきシェフ探しのなかで声をかけたのが、ちょうどいいタイミングで独立を検討していた佐久間さんだった、といういきさつです。
元は大学で同級生だったこの二人。互いに違う道を歩んでいた中、食品サンプル会社勤務の経験などを経て、一念発起してスイーツ店をやることにした市村さんが、タッグを組むべきシェフ探しのなかで声をかけたのが、ちょうどいいタイミングで独立を検討していた佐久間さんだった、といういきさつです。

お店のイチ押しであるバナナパイにあんこが入っているのは、和菓子のお店も多い墨田らしいものを、と考えてのこと。本来あんこが苦手なシェフの佐久間さん自身が「自分でも美味しく食べられるように」と工夫した結果、老若男女を問わずひろく地域のみんなに愛されているという、お見事かつステキな話です。

親しみやすさを演出するものは他にも。持ち帰りバッグや内装のいろんなところに、振り返るようにこちらを見つめるゴリラのスタンプが押されていてかわいいのです。

「さてお店のキャラクターも欲しいな、となった時に、そもそも僕、昔から「ゴリラ、ゴリラ」って言われていたので(笑)。」ということで、偶然にも、バナナと組み合わせるにはこれ以上ないうってつけのイラストキャラができたのでした。

そんな、市村さんが自分を茶化すくらいの敷居の低さもまた地元っ子に親しまれる理由のひとつのようです。「店の前が地元の小学校の通学路で、ふらっと立ち寄った子どもとちょっと遊んだりもしますよ」うんうん、すごくイメージしやすいです。

ガトーショコラからショートケーキに至るまで(また期間限定で上の画像のようなマカロンが登場したりも!)、全商品何かしらバナナをフィーチャーしているというエッジの効いたところ、確かな技術と工夫に裏打ちされた美味しさ、そして下町的な人間くささのある人となり。バナナファクトリーは、押上住民に思わずジェラシーというか、近所に欲しくなってくるお店です。

(文:古谷大典)
(写真:大塚秀樹 / 一部取材先提供画像あり)
(写真:大塚秀樹 / 一部取材先提供画像あり)
Aバナナファクトリー
- 住所
- 東京都墨田区向島3-34-17 大橋ビル 1F
- 電話番号
- 03-6240-4163
- 営業時間
- 11:00~19:00 (ケーキが無くなり次第早めの閉店の場合有)
- 定休日
- 火曜日・水曜日
- 平均予算
- [昼]¥1,000~¥1,999
データ提供:食べログ
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