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隠れ家すぎる路地裏で愉しむ食と酒。古民家バル「あじるく」

good mornings

公開日 2018年4月4日

にぎやかな三越前駅から歩くこと10分弱。昭和通りを越えた先の路地裏で、丸で囲った「あ」の暖簾をさりげなく掲げるこのお店は、遊び心満載の創作和食と日本酒、そして店主の飾らない人柄がたまらなく魅力的です。

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「旬菜地酒 古民家バル あじるく」は、有機野菜を中心とした創作和食と、日本酒をはじめとする国産のお酒がいただけるお店。昭和通りから東に進み2ブロック目の路地裏というそのロケーションは、三越前駅・人形町駅・小伝馬町駅といった周囲の各駅から少し離れておりひと気もまばら。
大きな看板を掲げているわけでもないので、迷わずたどり着くのはなかなか難しい、そんな隠れ家なこのお店を探すなら、目印とすべきは「あ」の暖簾です。
またお店の外には日本酒の空き瓶がずらり。日本酒好きが見たらそれだけでワクワクしてしまいます。扉を開けるのに少し勇気がいるかもしれませんが、その先にはとても温かい空間があります。
店主の石山さんは、真冬でもTシャツ、ジーパン、それに酒蔵の前掛け姿で、いつも飾らず自然体です。そんな彼は、服飾の勉強をして洋服作りを始めたものの、「直接お客さんへ一連のサービスを届けたい。お客さんと近い距離感がよい」と、飲食店を始めたそうです。
店内では、石山さんがちょっといたずら書き(?)を加えたポスター、壁面にバッジのようにしてずらり貼られた日本酒のフタ、ママチャリに乗って行う耐久レース「ママチャリGP」のトロフィーなどが見つかります。
「これって…なんですか?」と石山さんに尋ねれば、「毎年ママチャリGPに出るために富士に行くんだよね。出勤も自転車だし。」というように、彼のこれまでの歩み、好きなものや得意なこと、さらには人となりまでもが、ちょこちょこと断片的にうかがえるエピソードが聞けたり。ものそれ自体はちょっと雑然とした配置ですが、あくまで気取らない、自然体な感じがこのお店の大きな魅力なのです。
席につくとお出迎えしてくれる愛嬌たっぷりの箸置きは石山さんのお父さんが趣味で作り続けてきたもの。それにおしゃれな和紙のコースターは、書をたしなむお母さんが練習に使った半紙を用いて仕立てたもの。息子さんのお店とは無関係に、父母がそれぞれに趣味でやってきたことが、こうしてごく自然にお店に並んでいるのというのも粋です。
お料理は、お通しひとつとっても、「宮城のめかぶ&皮ごと食べられる葡萄」「八幡浜産の鯛とみかんのカルパッチョ」といった具合に、組み合わせ的に初めての味覚、なのにとても自然で美味しいものが色々です。繊細なのにどこかほっとする味で、ついついおかわりまでしてしまいそう。中には遊び心たっぷりの「骨付きマンガ肉」なんてものまであります(原始人が食べる、あのお肉を再現したものです)。
沖縄居酒屋やイタリアンのお店で養った腕前、それに持ち前の感性を駆使してつくられる創作料理をアテに、それとマッチするお酒を石山さんにおすすめしてもらう。常連さんの8割がそんな楽しみ方をするんだとか。
お店に並ぶ日本酒は、15軒以上の酒屋さんから集めた選りすぐりのものばかり。石山さん自ら酒蔵へ酒造りに行ったり、買い付けに行ったりすることも。その時々でおすすめの日本酒があるので、お邪魔するたびに新たな発見があります。

お店をオープンするにあたり石山さんがこだわったのは「この街の人とつくるお店」にすること。日本橋にオフィスを構えるデザイナーに設計を依頼し、日本橋で打合せをして以来、その時の縁がだんだんと広がり、街に知り合いも増えていったのだそうです。お世話になった方々の中には今でも通ってくれる人も多く、常連さんには飲食店の方も多いとのこと。

あじるくのファンの多さは、常連さんからいただくという色々なモノの数からもよく分かります(それも、店前ののれんのような「あ」の字をわざわざ入れているものも多数!)。美味しくて、飾らなくて、優しい気配りがあるこのお店で過ごす充実の時間へのお返しにと、石山さんの手に渡った、数々のモノ・もの・物。
「ありがとう」をお互いに言い合う、そんな温かいサイクルが、ますますここを居心地のよい空間にしているのかもしれません。その人の輪はお店を飛び越え地域イベント「日本橋エリア 日本酒利き歩き」にも参加するなど、いっそう大きな実を結んでいます。
ちなみに、気になる不思議なお店の名前も、石山さんが学生のころに組んでいたバンド名(ASIAN URUKUNAN)にちなんだものだそう。石山さんとのトークのはしばしから伝わる、人のつながりを大切にする気持ち、お店で直接体験してみるのをおすすめします。

(文:山岸道子)
(写真:大塚秀樹)

あじるく 日本橋

住所
東京都中央区日本橋本町1-7-7 1F
電話番号
03-3517-3576
営業時間
11:30~13:30 17:30~24:00
定休日
土曜日.日曜日.祝日
平均予算
【夜】¥4,000~¥4,999 【昼】 ~¥999
最終更新日:2018.4.9
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。

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