ちくわ。 おでかけ情報

気がつけば深呼吸している定食屋さん、「フレンディー」。

good mornings

公開日 2018年5月2日

すっかり都内有数のプチ観光地的なポジションを確立した感のある谷根千。比較的おとなしいように思える根津駅周辺にもまた、お散歩がてら探訪してみたい、心あたたまる定食屋さんがあります。

エリア
谷根千
根津駅
カテゴリ
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グルメ
街を知る
根津神社のお祭りを除けば、これといって人が大勢押し寄せることもない根津駅の周辺。どちらかというと地味なまちかどではあるものの、こういう場所にひそむ素敵なお店というのは、知ってか知らずか、何かぷーんと匂うような、漂うような何かでもってこちらに手招きしてくれているものです。
詳細は知らずとも、とにかく良さげな気配につられるまま階段を上がったその先がフレンディー。期待どおりの落ち着きの得られる空間。地元の常連さんを中心に、親しまれること37年にもなるお店です。
夏冬を問わずTシャツにエプロン姿のこちら、鈴木浩子さん。当時お店を始めて数年だった旦那さんに嫁いで以降、三十年以上に渡ってここで働いてきました。
常連さんを中心に、1、2名でやって来る客が多いお店であるというのに、店内には昭和の喫茶店よろしく長椅子に大人数で囲むテーブルがたくさん。ひとえに、相席でも気まずくならないここの雰囲気のなせるわざです。

そして、それこそが常連さんが楽しみにしているものなのでしょう。お食事そのものは言うに及ばず、浩子さんとのちょっとした会話のやり取りも含めた、全体としての家庭的な空気にふとしみじみ感じてしまうのです。
その秘訣のひとつはきっと、浩子さんの客に対する振る舞いが正直なところ。「ごはん、あと10分たったら炊きたてのができるけど、待ちます?」なんてすっと気兼ねなく聞いてみたりする、良い意味での垣根の無さがあります。

心のガードが硬い客であってもそこは確実に響くようで、ある時その奥さんから「私の主人、ここのお店にきてから、変わりました…!」と驚きの感想を述べられたことも。

カジュアルかつあたたかい気遣いに触れつつ味わう定食は、美味しさもひとしお。人気メニューのひとつ、豚の角煮定食は、三日間以上かけて油を抜いて仕上げた豚が胃にも優しい、そんな一品です。
そもそもメニューの数が和洋にまたがり色々ある所も、世代を問わず利用できる田舎のお店のよう。
今現在厨房に立つのは浩子さんの弟、善朗さん。まごころ込めて料理をこしらえる彼の真剣な眼差しが、のれんの向こうからちらりと伺えることも。
「小さい頃、根津神社の境内と三四郎池がもっぱらの遊び場だった」という浩子さん。普段着そのままのスキッとしたナチュラルな振る舞いも、BGMを流す機械が壊れても全く問題なく成立する、じーんとしみわたるような家庭的な雰囲気も、自分が育ったホームグラウンドのまちであればこそ、なのかもしれません。
そんな彼女の魅力があり余ってか、何かヘルプが必要な時には、打てば響くように助けの手が舞い込むこともいろいろ。「お店の外に、何かアピールできるものが欲しいな、と考えていた時に、猫イラストの上手なお客さんが見つかり猫のポップを作ってくれたことがあるんです」。
それにまたある人は、名刺用の似顔絵を作ってくれたり、ガタがきた机を直してくれたり。これを「お客さんから愛されている」と言わずしてなんと言いましょう。

根津駅からごく近い立地がら、かつて学生時代によく立ち寄ってくれていた東大の教官が、今では教え子の学生を複数連れてやって来たりと、東大がらみのエピソードも色々。「忘れられないのは、『わたしも、いつか東大入ったら、またきます』なんて言っていた当時8歳くらいの女の子が、十年経って実際に受かって、お店に報告しに来てくれたことですね」。
長い時間をかけて育んだ数えきれない思い出を胸に「老体にむち打ってやってますけどね」なんて言いつつ、昔から体重がほとんど変わらないというスリムな体で、今日もはりきる浩子さんです。
(文:古谷大典)
(写真:小島沙緒理)

フレンディー

住所
東京都文京区根津2-18-12 鈴木ビル 2F
電話番号
03-3822-8429
営業時間
[月~金] 11:30~14:00/18:00~21:45 [土] 11:30~14:00/18:00~21:15 [祝] 18:00~21:15
定休日
日曜日
平均予算
~¥999
最終更新日:2018.3.23
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。