ちくわ。 おでかけ情報

丁寧な職人技で作られたお気に入りの染物を探しに。「浜町高虎」

good mornings

公開日 2018年5月13日

人形町駅を出て、昭和の街並みを今に残す甘酒横丁を抜けたその先には、大きな浜町公園。都心にいることを忘れるほどの豊かな緑のすぐ向かい、「浜町高虎」では職人さん手づくりのとっておきの染物に出会えます。

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浜町公園の正面入り口に向かって右方向へ歩くことわずか数十メートルで見えてくる、江戸文字で「高虎」の看板。1Fの大きな窓からは、いくつか素敵な和柄のアイテムがあるのが伺えるものの、さほど明るくもない店内。それでも気後れせず、えいっ!と入ってみるのが吉です。
目移りしてしまうほど洒落気のある色づかいの手ぬぐいやトートバック、何十種類もの模様がある袋物に心躍ります。
「浜町高虎」は70年の長きにわたって続く「染元」。江戸時代から伝わる技術を用い、お祭り用の半纏(はんてん)やてぬぐい、袋物など染物ができるまでの各種工程をまとめあげ、販売も手がけるお店です。

現在、高虎の技術を受け継ぐのは髙林晋(しん)さん。綺麗にアイロンがけされた真っ白な鯉口にジーパン、雪駄姿がいかにも職人っぽくて粋です。「今日は撮影だから人前用!」と笑う髙林さんは、ちゃきちゃきの江戸っ子…かと思いきや、意外にも静岡県浜松市のご出身。
上京して文化服装学院でファッションを学び、その後広告代理店に勤めていたものの、時は折しもデザイン業界にデジタルの波が押し寄せてきていた頃。物によっては鎌倉時代から脈々と続いてきた「手しごと」の製法が目の前で衰退していくのを食い止めたい、やってみたい。そんな思いから、自らの足で紋屋から版画の摺師まで様々な伝統技術を継承する都内のお店を10件ほど巡り、最後に訪れた高虎の門を叩き、修業を志願したそうです。今をさかのぼること約25年前のことでした。
型紙の作成もデジタル機器は使わず、髙林さんが手作業で作っていきます。「手作業だから生まれる味、伝わる体温、汎用品とは「何か違う」と感じさせる良さ、があると思うんです。」今でも江戸の文化に対する畏敬の念をどこか感じ続けながら丁寧に作業を行うそうです。
人気がある商品は袋物。形や大きさも様々ですが、なんといっても数えきれない模様に目移りしてしまいます。
有名な「かまわぬ(鎌+輪+ぬ)」や「万(万の字一文字:一事が万事)」「歩兵(ほへい:歩は「不平」を言わずに進め)」など、見立や洒落を利かせたユーモアが隠れているのも粋です。お店の方に教えてもらいながら品定めしているうちに、時間があっという間に過ぎていきます。
こちらは手ぬぐいや刺子生地を使ったトートバッグ。

ひときわ面白いのが、菊の花だけがあしらわられただけのTシャツ。単なるデザインかと思いきや、菊だけ=「聞くだけ野暮」という洒落が込められているのです。おまけにその花弁の一部が、よーく見るとアルファベットで「yabo」! どこに文字が隠れているか、分かりますか? 髙林さんが親しみを込めて「ヤボT」と呼ぶ一品です。
ただただ前にならえ式に踏襲するのではなく、時にはアルファベットを取り込んだりもしてみせる工夫も「結局時代の中で生きていけないと淘汰されてしまう。あいつ何やってんだ?って言われるかもしれないけど、いつか分かってもらえるかな、と」そんな考えがあってのこと。

取り扱う商品は決して「高級品」ではなく「日常使うもの」。新しいことにもチャレンジし、その時代に生きる人たちへ響く商品を作り出していくことが、これからも技術が受け継がれていくことにつながるのかもしれません。
普段は1階のお店には先代の娘さん、店主の由布さんがやさしく丁寧にご説明してくれることが多いです。髙林さんは上の階で作業に没頭していたり、地方巡業したりの毎日なので、もし会えたらラッキー!

高虎では、オーダーメイドの染物も作れます。内容によっては、型の模様・デザインをガッツリ髙林さんに直接相談できます!
丁寧に作られたこだわりの品の中から、自分や大切な人のストーリーと重ね合わせてとっておきのものを選ぶ。そんな体験をしてみてはいかがでしょうか。
(「浜町高虎」の表記は正式には「濱甼高虎」です。)

(文:山岸道子)
(写真:小島沙緒理)

浜町高虎

住所
東京都中央区日本橋浜町2-45-6
電話番号
03-3666-5562
営業時間
9:00~18:00(土曜日は~17:00)
定休日
日曜日・祝日
最終更新日:2018.8.31
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。