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400年つづく扇子とうちわの老舗「伊場仙」。江戸時代の浮世絵と涼を楽しむ

good mornings

公開日 2018年6月28日

老舗の多い日本橋でも特に歴史の長い「伊場仙」。老舗の扇子やうちわは高級品で手が届かない、と思う方もいるのでは? 江戸時代は時事ネタを描いた浮世絵を楽しむツールでもあったうちわ。デザインに隠されたメッセージや意外とお得な価格帯のものがあることを知れば、とたんに身近に感じるはずです。

エリア
日本橋
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三越前駅からも新日本橋駅からも徒歩10分弱でたどり着く「伊場仙」。途中、昭和通りを横切る際、上を走る首都高の大きさや車の音にやや圧倒されますが、横断歩道を渡ってしまえば落ち着いたオフィス街。昭和通りから2ブロック目にお店があります。
お店の目印は大きな暖簾とガラスのショーウインドウ。美しく並べられた扇子に思わず立ち止まってしまいます。外からは薄暗く感じる店内も、一歩中に足を踏み入れればほど明るくて雅な雰囲気。壁に飾られた扇子、ケースいっぱいのうちわ、色々豊富に揃っています。
江戸初期にお店を始めた伊場仙はなんと400年以上続く老舗で、現当主、吉田誠男(のぶお)さんは14代目です。薄ピンク色のシャツをおしゃれに着こなす吉田さんは、シーンに合わせて和装を着ることもしばしば。日本橋の老舗の歴史や江戸時代の婚活文化など、日本の文化を幅広く学ぶ朝活「日本橋文化交流会」の会長をつとめたり、社史としての内容も兼ねた小説『遠き海原~世界都市「江戸」誕生の物語』(サンダーアールラボ、2017年4月14日)を出版したりするなど、日本の文化を発信する活動を精力的にされています。

吉田さんにお店の歴史と扇子・うちわについて教えていただきました。
初代創業者は徳川幕府開幕に合わせて江戸の土木工事のために三河から上京し、工事後に紙や竹の問屋を始めたことが扇子とうちわのお店に繋がったそう。
そして、扇子もうちわもせっかくの余白に何かしら「絵」を入れることになる、ということで、浮世絵の版元(現代の出版社のような、版画のコンテンツを考え製作・販売まで行う事業)もサイドビジネスとして始めるようになりました。今でも「伊場仙版」という伊場仙オリジナルの浮世絵が数多く残っています。

「伊場仙版」の絵には、丸の中に横棒三本が入ったマークが画中のどこかにさりげなく挿入されています。また様々な情景をモチーフに描かれた絵画の中で、中には美人画で有名な歌川国貞が江戸から京都まで、東海道のすべての宿場町ごとに猫を様々に描いた(しかも何がしかの駄洒落がそれぞれに込められているのです)、そんな珍しいものも。
現代の「伊場仙版」とも呼べるのは「ドラえもんうちわ」。浮世絵の中にさりげなく佇むドラえもんに、一目惚れして買っていく人も多いそう。老舗にあるのはお堅いものばかり…というイメージが吹き飛んでしまう商品です。
吉田さんの一押しは、友禅染の技法の「しけ引き」模様を職人さんの手技によって描き上げた一品。その落ち着いた光沢といい、こんな扇子を懐からさっと取り出しあおぐ姿は風流そのもの。持ち手のあなたのセンスも光って見えること間違いなし。年齢を問わずつかえそうです。しかも5,000円(税別)と思いのほかリーズナブルで、贈り物としてもおすすめです。
そのほかにも、日本橋の老舗の手ぬぐいを扱う「戸田屋」とのコラボうちわや、「無病息災」を表す6つのひょうたん模様、「勝ち虫(前にしか進めず、退かない)」と呼ばれるトンボの模様など、縁起物を描いた扇子も。ひとつひとつにストーリーがある商品ばかりです。
「そもそも浮世絵はもともとブロマイドや『FRIDAY』、『週刊文春』のような位置づけだったんです」と笑う吉田さん。「浮世絵をよく見ると隠されているメッセージ。江戸時代の庶民はそれを楽しみました」。人気歌舞伎役者のブロマイドには、人気芸者の着物の帯が描かれていて、それってつまり二人の逢瀬…それを知ると、ただうちわで涼をとるだけではなく、ついつい周りの人にも教えてあげたくなってしまいます。

お値段も1,000円前後のものから数万円のものまで、予算に合わせて選べます。
「ザ・日本のお土産」として外国人観光客にも喜ばれそうな扇子とうちわですが、このお店の来店者はなんと3割が外国人とのこと! 江戸時代から続く日本の伝統文化がこれからますます世界へ伝わっていく上で、この伊場仙も重要な発信拠点と言えそうです。
お店に来たらあわせて立ち寄りたいのが、「伊場仙浮世絵ミュージアム」。お店と同じビルの1階にあります。ここは中央区内の色々なところに設けられているちょっとしたギャラリースペース、「中央区まちかど展示館」のひとつで、月1で伊場仙とご縁のあるアーティストの方の作品を展示するそう。ベンチもあり、ゆっくり鑑賞できるのが魅力です。
扇子やうちわが活躍するシーズンということで、8月いっぱいまでは土・日・祝日も店舗営業しています。お店に足を運べば、自分好みの一品がきっと見つかるはず。ストーリーを持つ扇子やうちわで涼をとり、粋に夏を過ごしてみてはいかがでしょうか?
(文:山岸道子)
(写真:丸山智衣)

伊場仙

住所
東京都中央区日本橋小舟町4-1伊場仙ビル1階
電話番号
03-3664-9261
営業時間
10:00~18:00
定休日
日曜日
最終更新日:2018.5.21
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。