あの正岡子規の、終の住処 / 子規庵
俳句/短歌界の偉人、正岡子規。彼が34歳でその生涯を終えた時の住まいが、鶯谷にあるのです。ホテルの看板がすぐ向こうに見えるここで聞くには、ずいぶんしんみりするようなお話ではありませんか。生と死は隣り合わせなのですね、やはり。
こんな縁側を含めた風情ある住居でしのぶ、晩年の子規のこと。病魔と戦いながら創作活動を続けたり、句会もここで開いたりしたのだそうです。一体彼はここで何にインスピレーションを得たのか、思いを馳せたくなります。
A子規庵
- 住所
- 東京都台東区根岸2-5-11
- 電話番号
- 03-3876-8218
- 営業時間
- 10:30~12:00(受付は11:40まで)、13:00~16:00(受付は15:40まで)
- 定休日
- 月曜(祝日の場合は翌日休)
- 平均予算
- 入庵料500円(中学生以下無料)
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書の偉人が集め、自前で建てた専門博物館 / 書道博物館
子規庵の向かいにまたひとつ、「筆」系の見ものがあります。この書道博物館は、明治から戦前昭和にかけて活躍した洋画家にして書家・中村不折(ふせつ)が、自身が蒐集したコレクションを展示する場所として昭和11年にオープン。平成7年に台東区に寄贈され、区の博物館となった経緯があります。
デザイン性の高い彼の書は店名ロゴに使われることも多かった中、有名どころではなんとあの新宿中村屋の看板文字もそのひとつなのだそうです。
ちなみに庭園にあるこちらの蔵は、生前この近所に居を構えた不折が建てたものが、平成23年に偶然発見されたため館内に移築した、といういわくつきのもの。
ちなみに庭園にあるこちらの蔵は、生前この近所に居を構えた不折が建てたものが、平成23年に偶然発見されたため館内に移築した、といういわくつきのもの。
B台東区立書道博物館
- 住所
- 東京都台東区根岸2-10-4
- 電話番号
- 03-3872-2645
- 営業時間
- 9:30~16:30(入館は16:00まで)
- 定休日
- 月曜日(祝日と重なる場合は翌日)
- 平均予算
- 一般 500円、小中高生 250円
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根岸の生まれ、初代林家三平ゆかりの館 / ねぎし三平堂
「昭和の爆笑王」として知られた初代林家三平の業績を遺品の数々とともに展示している記念館です。壁の色味と質感が渋いですが、近づくと見える「ねぎし 三平堂」の文字がやっぱりユーモラス。
昭和風情も一緒に味わえる館内。ちなみに毎月第三土曜には「三平堂落語会」も開催とのことで、ノスタルジーだけではなく、いまを生きるれっきとした落語スポットでもあるのです。
Cねぎし三平堂
- 住所
- 東京都台東区根岸2-10-12
- 電話番号
- 03-3873-0760
- 営業時間
- 11:00~17:00
- 定休日
- 月・火・木・金曜
- 平均予算
- 入堂料600円
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320年以上続く、とうふの大老舗 / 笹乃雪
江戸で初めて絹ごしどうふを作り、それを供する茶屋としてスタートしたのが江戸前期の話。そんな由緒ただしき大老舗のこちらのお店では「豆腐」ではなく「豆富」。腐るという文字が料理店としてふさわしくないから、とのことです。
当時から変わらない製法で作られる絹ごし豆富は、心して!いただきましょう。冷奴。あんかけ豆腐。胡麻豆富。単品でもコースでも、欲張っていろいろ試してみたい気持ちを抑えられません。
D笹乃雪
- 住所
- 東京都台東区根岸2-15-10
- 営業時間
- 11:30~20:00(L.O.)
- 定休日
- 月曜日(祝日の場合は営業し、翌火曜日代休)※夏季休業あり
- 平均予算
- [夜]¥3,000~¥3,999 [昼]¥3,000~¥3,999
※このスポット・イベントは、移転・閉店・休業している可能性があります。
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ホテル街の路地で、なかなかの存在感 / 元三島神社
鶯谷駅北口を出てすぐ右手の入り組んだ路地にある、立地の文脈的にユニークさが際立つ神社なので、初めてここを通り過ぎる人はちょっと驚くかもしれません。通りの向かいにはホテルが複数、それに地下にお店を構えるライブバーなんかも。
鶯谷の典型的な光景の傍らで、いつもおごそかかつ暖かく人々の暮らし・営みを見守っていてくれています。その昔、ここはどんな光景が広がっていたのでしょう…?
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つぶさに見れば見つかる「台東区根岸」ヒストリー
駅や街ごとに異なる、その土地の磁場、というかエネルギー感と言えば良いでしょうか。鶯谷駅周辺のそれもまた、強烈な個性を放っているわけですが、その一方でここで紹介したような、昔をしっとり振り返る楽しみもあるのです。重層的にこの街を楽しみましょう。
この記事で紹介したスポット
