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“一升瓶ワインを仲間と囲む” 日本ワインの伝道師が提案する新酒場

good mornings

公開日 2018年8月10日

日本ワインの発展を長きに亘り支えてきた業界のパイオニアが、浅草という地で新たに立ち上げた、これまでにないユニークな業態の酒場が、大きな話題を呼んでいます。人情味に溢れ、新しさと懐かしさが混在する、その気さくな雰囲気が地元民だけでなく観光客らも虜にしています。

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日本ワインを黎明期から積極的に支持し、様々な業態と組み合わせながら繁盛店をいくつも手掛けてきた飲食プロデューサーと、浅草の地で創業130年の老舗酒屋がタッグを組み、周囲からの大きな期待を受け、2018年3月にオープンしたのが、「LA MAISON DU 一升VIN(ラメゾンドいっしょうビン)」です。

場所は、新旧の飲食店が軒を連ねる食通街を国際通り方面にしばらく向かった先。もともとは老舗酒屋の「相模屋本店」の倉庫があった空間を活用し、開放感溢れる2階建ての酒場に改修。美味しいワインと本格料理を気軽に味わえるお店として評判を呼び、日が暮れる前から軒先の角打スペースで常連さんが一杯ひっかける姿は、浅草の新たな風物詩となっています。
まず惹き付けられるのは、その明確なお店のコンセプト。

山梨県発祥という昔ながらの一升瓶ワインを、大阪生まれの鍬焼き(くわやき)
と串揚げをつまみに、気の置けない仲間とワイワイ楽しむ酒場。

一升瓶ワインとは、日本でワイン醸造がまだ珍しかった時代に生産者らが、ワインボトルが身近に手に入らなかったことから、日本酒の瓶に詰めて出荷したワインのこと。当時の名残から、現在も産地の地元では、ワインが仕上がった際の祝いごとに、喜びを分かち合うシンボルとして一升瓶ワインが親しまれ、都内の店舗に出荷しているワイナリーも残っているのです。

山梨、長野、山形などから厳選して取り揃えた一升瓶ワインをグラスでもボトルでも注文可能。日本酒グラスを使って飲む、そのスタイルはまさに粋。他にも自然派ワインや、日本酒、手作りサワー、クラフトビールなど、こだわりのお酒をバラエティ豊かに楽しむことができます。
つまみとして登場する「鍬焼き」(くわやき)は、大阪の庶民の味として愛されている鉄板焼き料理。下味を付けて串に通した具材を鉄板に置き、コテで押し当てながら火を入れる独特の焼き方で、押し付けられる分、焼き目の面積が広がり、美味しさと香ばしさが増すそうです。
ラインナップは、「紋甲イカバジル」(¥300)、「豚バラ肉のニラ巻き」(¥300)、「とん平焼き」(¥300)、「比内地鶏レバー」(¥200)など約20種類。いろんな物を少量ずつ味わえるように、ポーションは小さく、ひと皿の値段もリーズナブルな設定になっています。他にも串揚げ各種、サラダやピザ、〆のリゾットなど豊富な料理が揃っています。
お店のプロデュースを担当し、店主として切り盛りするのが岩倉久恵さん。これまでに渋谷や目黒、中目黒などの激戦区で、繁盛店を数多く手掛け、日本ワインを軸に時代を先取りしたユニークな業態で、都内の飲食業界を牽引してきました。そんな岩倉さんが、自分のキャリアの集大成として、立ち上げたのが、「LA MASION DU 一升 VIN」なのです。

「日本ワインや自然派ワインなど、ワインの美味しさに私自身が魅了され、それを伝えたい、その認知を高めたい、と様々な切り口でこれまで店舗を展開してきましたが、いつのまにか、ワインを取り巻く環境が専門化し、高尚なものになり過ぎてしまったという反省がありまして。そうではなくて、気取らずに、仲間や家族とワイワイと楽しめる食事の中心にあるようなワインをもう一度提供したいという気持ちが強くなったんですね」
試行錯誤を経ながら、岩倉さんがスポットを当てたのが、産地の地元に根付く素朴な一升瓶ワインというスタイル。これまでの仕事で培ってきた全国のワイン生産者とのネットワークを活かし、直接産地まで出向き、自分が美味しいと感じた一升瓶ワインだけを厳選。手軽な価格で親しみやすくも、味のクオリティーは間違いないものばかり。長年、日本ワインと真摯に向き合ってきた経験を持つ岩倉さんだからこそ、実現できたお店といえます。

オープンして、もうすぐ半年。西東京エリアを活動の拠点としてきた岩倉さんにとって浅草は未知なるエリア。最初は不安もあったといいますが、常連さんも順調に増え、確かな手応えを感じているといいます。
「浅草は立地上、いろんな県からお客さんがやってくるので、本当に多種多様で面白いです。それに人情深いお客さんが多くて、隣の席のお客さんともすぐに仲良くなったりするんですよね。働いていても楽しいですし、一升瓶ワインというスタイルが街にすごく合っていると思います。思い描いていた光景に少しずつ近づいてきている気がしますね」。

業界を牽引してきたパイオニアが、浅草の地で立ち上げた、新しくもどこか懐かしさを感じさせる新業態の酒場。皆さんも浅草を訪ねる際は、親しい友人や知り合いを誘って、一升瓶を囲みに行くのはいかがでしょうか。15時〜昼飲みOKですよ。


(文:上田太一)
(撮影:高倉千鶴)

LA MAISON DU 一升VIN(ラ メゾン ド イッショウビン)

住所
東京都台東区浅草1-9-5 ONビル 1F 2F
電話番号
03-6231-6103
営業時間
15:00〜23:00
最終更新日:2018.7.17
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。