ちくわ。 おでかけ情報

奥神楽坂で楽しみたい、南イタリアの「パンの街」アルタムーラの味覚

good mornings

公開日 2018年8月24日

坂と石畳が醸し出す風情といい、軒を連ねる店々の洒落た雰囲気といい、目に映るものというものが魅力的な神楽坂。誘惑がありすぎて、表通りとその付近だけでもう消化能力的にパンパンですが、人通りがほとんどないニッチな界隈にも、注目したいお店は依然としてあります。

神楽坂駅
江戸川橋駅
カテゴリ
デート
一人で
友達と一緒
グルメ
街を知る
気になるものを数え上げれば、それこそキリがなさすぎて。素敵なお店やスポットをたくさん歩き回ってすごく充実した気分ではありつつも、体が一つしかないことには気になるところ全てをめぐりきれるわけもなく、「またのチャンスに」と志半ばの状態でまちを後にするのが、神楽坂めぐりを楽しむ者の宿命、というものでしょう。
そんな奥深いこの街に地元の人ほか一部の間で「奥神楽坂」と呼ばれる界隈がある、ということはまだよく知られていません。多くの路線が乗り入れており、神楽坂のまちめぐりの起点として利用する人も多い飯田橋駅からみれば、かなり奥まった場所にあたる“通”な場所です。

黄色い店構えが目を引くこのお店があるのも奥神楽坂。ピザの原型とも言われるイタリアのパン・フォカッチャの専門店「アルタムーラ」です。

その原色イエローは、小麦の見た目からの連想、かつここが新宿区山吹町ということで「山吹色」にちなんだカラーリング。写真に収めていく人が多いというも納得の、無性に気分のアガる入り口ですが、そんな扉をあけた向こうにはオリーブ香る色々なフォカッチャがあなたを待っています。
クラシカルで味わい深いショーケースの中は、トマトを使ったスタンダード系からローズマリーが載ったものまで色々なフォカッチャ。ほかにブリオッシュを使ったサンドウィッチ、それにピザやカルツォーネ、チャバータなど実に色々。
初めて見るものも多くて迷うところですが、例えばトマトとオリーブのフォカッチャを、現地で定番のリモナータ(レモンスカッシュ)とともにいただく、なんてどうでしょう。現地の調度品で飾られた奥のイートインスペースでいただけばより本場っぽさに浸れるかも。
女性受けするお店かな、と思いきや、男性のおひとりさまが気兼ねなく入ってランチメニューを楽しんでいく光景もごくごくふつう。グルメで人となりの良いビジネスパーソンが多いらしいのも土地柄、かもしれません。

ちなみにその日によって内容も様々なアラカルト、平日限定10時〜11時半まで提供の、「イタリアの朝ごはん」なんてそそる名前の朝食セット、さらに予約限定のランチコースメニューまであったりと、幅広いイタリアングルメが楽しめるのもポイントです。
奥神楽坂の地でこのようなお店を営む山本さんは、当初シェフとして料理の勉強をしに赴いた南イタリア・プーリア地方のアルタムーラという街で、イタリアきってのパン文化の良さに触れ、やがてその道を志すようになったといいます。
人口約7万人という決して大きくはない街、にも関わらずパン屋は200件以上を数えるという「パンの街」アルタムーラは、場所でいうとあのブーツのかかとのあたり。観光地化されていなく古きよきイタリアの街並みを今にとどめる田舎力ゆえというべきか、かつて、誰もが知るあのアメリカの某有名ハンバーガーチェーンが店を構えるも、ソフトクリーム以外はさっぱり売れないままあえなくわずか1年で撤退した、というストーリーまであります。

みんな地元のパンが美味しくてしょうがなく、ハンバーガーなぞ目にもくれなかったのです。
アルタムーラに滞在中、家族のように親しくしてくれたという地元のパン職人・アンジェロさんとの出会いも特別だったようで、このお店を開くにあたっては、イタリアの小麦とブレンドして使う日本の小麦の特性も踏まえ、作り方をどう工夫するとよいか、またお店のロゴはどうするか、などという細かなことに至るまで様々な手助けを彼から得た模様。
このお店で日々焼きあがる安定した香り豊かな味わいは、そんな師弟の二人三脚のたまもの、そんなことを思うにつけ、目の前のフォカッチャは一層味わい深くなってくるでしょう。

ちなみに、スイーツ系メニューもあります。と聞くだけで、仮にミーハーでなくても、何ミリかの大きさはあるはずのあなたのイタリアごころが、さらにくすぐられてはきませんか。
例えばフルーツのタルト。普通にイメージするタルトとは違う、薄くて固めの生地のなかに適度な酸味のドライチェリー。美味しいです。

またラムレーズンのジェラートもレギュラーで楽しめます。ラムの味わいが口いっぱいにぐわっと広がる大人っぽいインパクトは、信頼のおける横浜のジェラート屋から仕入れているというだけあってさすが。その冷たさと全粒粉ビスコッティのサクサク食感が同時多発的にアピールしてきて満足感があります、とても。
季節によってティラミスが登場することもあるとのことなので、お楽しみに。

カウンターに腰掛け、知られざる南イタリアの小さな街のパンやら現地人の気質やらを山本さんから教えてもらいながら美味しく食べて過ごすうちに、ちょっとした旅行気分さえこみ上げてきたり。奥神楽坂、略して「オクカグ」なんて親しげに呼びならわしたくなるかどうかはともかく、この界隈らしくニッチで洒落た、通っぽい体験だと思うのです。

(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)

アルタムーラ

住所
東京都新宿区山吹町5番地
電話番号
03-6265-3842
営業時間
9:00~17:00(月~木) 9:00~21:00(金土)
定休日
日曜日
平均予算
~¥999
最終更新日:2018.8.31
大きな地図で見る

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。