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父と子でつくる街かどのスパゲッティ屋さん。「HASHIYA 幡ヶ谷分店」

good mornings

公開日 2018年8月30日

京王新線で新宿からふた駅。渋谷区幡ヶ谷は決してどメジャーな街ではないものの、ラーメン店が充実していたりとグルメ系その他話題になるスポットの数ではなかなかの充実ぶり。街に根付いたお店の一例として、こんなところも。

幡ヶ谷駅
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東京の西側では珍しく商店街が元気な街、幡ヶ谷。行動の起点となる駅を朝夕往来する道すがら、このエリアに住む人々は、駅へと通じる商店街を右に左にキョロキョロしながら通ってゆきます。ある時は元気な売り声につられて八百屋の軒先に並ぶ旬の野菜をふと眺めてみたり、またある時は、どうも新店がオープンするとおぼしき動きを見せる内装工事のようすに、心そわそわさせたり。
そんな駅近の界隈で、この看板を見るたびに喉元をゴクリとさせてしまうのもまた幡ヶ谷ピープルの日常。その左手を行くこと10メートルほどの位置に、四半世紀以上にもわたって地域から厚い支持を得ているスパゲッティの名店、HASHIYAがあるのです。
このお店で皆が楽しみにするスパゲッティが出来上がる厨房には、いつもこのふたりの姿。岩田さん親子です。
父と子の強力タッグでつくられるスパゲッティは、種類が驚くほど豊富。バター風味、ホワイトソース、おしょう油風味、おしょう油バター風味、ミートソース、トマトソース、ペペロンチーノといった基本となる味付け分類の上に、野菜なり海の幸なり、上に乗る具のパターンがこれまたいっぱい。太い幹の先に枝葉がつくように豊富に取り揃えられたメニューは、合計して80ほどにも(!)。
それほどまでに多彩なメニュー、しかもそれぞれに満遍なく固定ファンがいるとなれば大いに迷わざるを得ないところですが、例えばこの「いろいろ野菜と海老のスパゲッティ」は、豊富な具材といろどりが目にもぐいぐいとアピールしてくるはなやかさで、野菜好きに限らずおすすめ。

季節によって違いがあるものの、野菜の具材はいつも10を超えるほどもあり、歯ごたえや味わいのバラエティに富んだ各種野菜がおしょう油風味のパスタによくなじむ、なじむ。印象も含めたトータルな食べ応えが魅力です。
なおサイドディッシュで知っておきたいのが「シメジサラダ(お醤油入りマスタード風味)」。ドレッシングの下にはペースト状のコーンが隠れています。上のしめじは炒めたばかりで温かく、他の野菜類は冷たく。さらにペーストのコーンは甘く、マスタードシードのつぶつぶも伺える自家製ドレッシングはほどよく辛く。そんな4方向の味覚が多層的に織り交ぜ昇華されたこの不思議なおいしさは、このお店だけのもの。
昼夜を問わず一貫したメニューのラインナップのもと、あるテーブルでは親子仲良く団らんのひとときを過ごしていたり、また別の席ではお店おすすめのワインと料理の相性をじっくりと愉しむ、そんなオトナたちの姿も。4年前に場所をわずかに変えるかたちで現店舗を構えて以降、より明るく開放感を増したお店はファンにとっていっそう満足度が高くなった模様です。

幡ヶ谷及び近隣に住む人々をはじめ、老若男女問わず多数の常連から愛されること四半世紀以上にもなるこのお店ですが、マスターである父の晴正(はるまさ)さんが調理中に見せるその姿勢の不変ぶりには、仕事への丁寧さを嗅ぎとらずにはいられません。この首の傾け方、この眼差し。
いつ訪れても常にこの姿勢で、ひと皿ひと皿、最大限の丁寧さで仕上げていくその様子は、まさに「仕事に精を出す」姿そのもの。客の入店を朗らかな第一声で出迎える一方、目の前のしごとに精魂込めることを常に忘れません。

そんな父の姿を見て育った耕平さんも、いつしか父と同じ道を志すようになり2009年からこのお店にジョイン。晴正さんとはもちろん、スタッフ皆で以心伝心以上のチームワークを以って日々お店を切り盛りしています。
ちなみに、親子二代の安定感あるタッグを核に作りあげられるこのお店をいっそう親しみやすくしているアイコンがひとつ。ブタです。
特にいつ定めたわけでもなく、気がつけば「事実上のマスコット」として店先の看板はじめ店内のいろんな場所で登場するに至っています。
これもなんてドリーミー。銀座の寿司職人・数寄屋橋次郎を描いた映画のタイトルではないですが、こんなふうにこのお店のスパゲッティの夢を見る、なんていうハシヤラバーの一人や二人、いても全然おかしくはなさそう。

ブタのグッズは、熱心な常連さんからプレゼントされるかたちで年月を重ねるごとに増えているとのこと。中にはイギリス王立バレエ団の男性プリンシパルからもらった、なんてものまで。おとなり初台にある新国立劇場での公演で来日するたびにやってくるということで、ハシヤのスパゲッティへの愛は、遠くイギリスからも注がれているのです。
そのラインナップの多さゆえ、お店が休みの日のあとは、仕込み作業が大変。それでも、あの常連さんこの常連さん、そのひとりひとりが目の前のひと皿を満足そうに頬張るようすがありありと眼に浮かび、いつも頑張れてしまう岩田さん親子なのです。
(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)

HASHIYA 幡ヶ谷分店(ハシヤ)

住所
東京都渋谷区幡ケ谷2-5-9
電話番号
03-3373-2660
営業時間
11:30~21:30(L.O)
定休日
水曜日
平均予算
¥1,000~¥1,999
最終更新日:2018.8.30
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。