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お気に入りの曲に、二度目の恋をしてしまう | Spincoaster Music Bar

good mornings

公開日 2018年9月8日

音楽は場所を選ばずして楽しめるもの。それは確かに正しいのですがあくまで再生環境のクオリティを問わなければ、の話。音源の可能性が最大限に引き出された状態で聴くと、おなじみのあの曲この曲、どれもこちらに迫ってくるような説得力ある響きがする。そんなリスニング体験となると、ここ代々木二丁目でしか味わえないのかもしれません。

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店長に曲のリクエストを済ませ、少しばかり身構えるような心持ちで期待するのは、その曲でしか得られない気持ちの高ぶりがあるから。
そして間もなく空間いっぱいに広がる、その曲だけが見せてくれる光景。お気に入りの曲を聴くとき、人は確実にその曲というひとつの世界を「見て」いるように感じているのだと思います。

でもここでは、既に知っている曲がまるで別物。今まで聴いてきたものが二次元なら、この空間で聴くものは三次元。そんな、あたかも「次元が違う」かのような鳴り方でこちらに迫ってくるものだから、知っている曲なのに何かとても新しく、とても力強くて、とてもフレッシュなのです。
代々木二丁目にある「Spincoaster Music Bar」で体験する音楽とは、そういうもの。「聴く」を超えて「包まれる」とでも言う方がふさわしい鳴り・響きが楽しめるこのお店は、2013年の立ち上げ以来、独自の審美眼で音楽をめぐる今を編集し世に届けているメディアのSpincoaster (https://spincoaster.com)が手掛けた空間です。
世界でも希少なリスニング体験を可能にしているのは、ほかでもないこの空間のスピーカー。アナログレコードの音は「原音忠実再生」を掲げるドイツのブランド、ムジーク(musikelectronic geithain)社のスピーカーで、またハイレゾ音源は先進的な国内メーカー、KOON社の卵形が可愛いスピーカーで出力されています。もの言わぬこの部屋の(ある意味)主役たちです。
レコードとハイレゾの二種類にまたがり、とびきりの音楽が満ちるこの音楽空間。

日々お店をまとめ上げる店長の鶴見さん一同、音楽を通じたコミュニケーションの活性化を掲げるこのお店らしく、世代や音楽ジャンルもさまざまに、客どうし好きな曲や音楽の嗜好を巡って話し込んだり。また互いの推しを順番にリクエストして聴き合ったり、スタッフの方からいま注目株のアーティストを教えてもらったり。
聴くものといえばもっぱらヒップホップだったお客さんが、ある時流れてきたUKロックを聴いてその良さに開眼したなんていうエピソードも、非常に細かな音のゆらぎやニュアンスまでも伝えられるこのスピーカー、この空間ならではでしょう。
あくまでフロアありきで社交の場としての要素が強いクラブとも違って、より純粋に音楽に向き合えるこの環境は、クラブ通いに疲れた元クラバーからの支持も厚いもよう。

また夜の遊び場というとクラブかダイニングレストランの二択がほぼ全てという海外の人にとっても、「ミュージックバー」という、ジャズ喫茶以来の伝統を継ぐ日本独特の業態が新鮮なようで、それを体験しに立ち寄る観光客も多いとのこと。

西新宿で働くシニアのサラリーマンや、Spincoasterのサイトを良き指南役としている若年層に限らず、実に多様な人が多様な音を楽しみにやってくるのです。
お気に入りのレコードをお店でキープする「レコードキープ」制を利用することで、お店のスペースを借りて音楽による自己紹介が出来てしまうのもユニーク。

会ったこともない他人ではあるけど、キープしているレコードのコレクションを眺めるに、この人とはかなり気があうだろうな、などと期待してみたり。人どうしの出会いも演出してくれる粋なコミュニケーションの仕組みです。ちなみに単品でレコードを持ち込んでかけてもらうのもアリ。
気持ちが高揚するし、ロマンチックにムーディーにもなれる音楽は、そのポテンシャルのなんと深いこと。オープンしてからの3年の間に、ここで出会い結婚するに至ったケースまであるというのだから、本当にマジカルです。
基本チャージの700円でリクエストを1曲、そして自由にいただけるテーブルスナックをときどき、つまんでみる。そこから始まる友情が、恋が、あるのですね。アルコールに弱くてお酒で格好がつけられないという人、安心してください(笑)。
通常営業のほか、ときにはライブ会場として、ときにはダンス空間に変身してイベントが催されることも。SpincoasterのYouTubeチャンネルからも過去の取り組みをチェックすることができます。 https://www.youtube.com/channel/UCExygIrhaBggJ5DXtqP_fnQ

「キックがガツンと図太く心地よい」とか、「山下達郎のファルセットがライブで聴くとき以上の迫力」などなど(笑)、ここを訪れた人が受けるインパクトは、個々人のそれまでの音楽体験によって様々。でも大きく心揺さぶられていることは一貫しています。

音楽は要するに空気の振動、すなわちバイブレーションなのだから、最良のバイブレーションを与えてくれる場所で聴くに越したことはないのです。
(文:古谷大典)
(写真:小島沙緒理)

Spincoaster Music Bar (スピンコースター・ミュージック・バー)

住所
東京都渋谷区代々木2-26-2 桑野ビル1-C
電話番号
03-6300-9211
営業時間
19:00~26:00
定休日
日曜日
最終更新日:2018.8.30
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。