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ビル内を埋め尽くすのは、シャンデリアやビンテージランプの艶ある輝き | redrock 他

good mornings

公開日 2019年2月7日

目黒区中目黒の山手通り沿いに居を構える、このアンティークシャンデリアのショップ兼工房。ビルの中では4つものフロアにまたがり光の織りなす壮観に次ぐ壮観が広がっています。

中目黒駅
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中目黒の駅を降りて、すぐ目の前の山手通りを右に曲がって歩くことしばらく。

かたや中目黒サイド、かたや目黒サイドと商店が集うエリアとエリアのはざまにあって、夜の闇の中、ただならぬ輝きをひとり放つ建物が見つかります。
このビルの中に所狭しと収まっているのは、アンティークシャンデリアやビンテージランプといったアイテムの数々。地上4メートル超もある天井から吊るされた照明の数々が、競演するがごとく放つ輝きはまさしく壮観です。

4階、3階、2階がそれぞれに別個の店舗、そして1階が修理・製作を行う工房という構成になっていて、建物まるまる、本格的なインテリアづくりを考えている人にとっての大きなヒントとなる存在です。

4階 La Cienega(ラ・シエネガ)

このフロアはアンティークシャンデリアを主に扱うセレクトショップ。ものによっては百年という時間を経て醸し出されるアンティークならではの体温の感じられる輝き。クラシカルな意匠の壮麗かつ力強さも相まって、ことごとく目を奪われます。

有名どころということもあって一層目を引くもののひとつは、本国フランスでも入手困難な、あのバカラのデッドストック。
氷柱のようなかたちをしたクリスタルのひとつひとつは、職人の腕をもってしても1日に10本も作れないほど手のかかるもの。厳しい検品を経て初めて世に出回ることのできるそのクオリティゆえ、その集積としてのシャンデリア一個あたりおよそ数百万円台にもなるという(それでも本国で買うのと見劣りしないクオリティだそう)代物です。

ちなみに奥の棚には真鍮小物、アンティークミラー、キリスト像やトロフィーなども。製作年代は概ね1920〜30年代。それ相応の経年変化があって初めて醸し出される存在感が漂います。
そのほかドアハンドルやドアノッカーなどもあって、レストランを新規オープンさせるにあたり、ここへと買い求めにやってくるケースは少なくないもよう。細部に神宿る、というべきか世界観をこういったディテールの部分に託すことは案外重要なことらしいのです。

こんなものまで、という意外性から注目したいのはファッションブランド・香水専門ブランドが1960~80年代にかけて生産した、香水の瓶の数々。
小さなサイズにも関わらず非常に手の込んだデザインの多いこと。現代からすれば望むべくもない精巧さをほこるものがたくさん出回っていた当時へのノスタルジーと羨望も入り混じりつつ、つかのま、ぼうっとなってしまいそうなほど幻想的です。

3階 LA FAYETTE(ラファイエット)

4階同様、ここにもクラシカルなデザインのシャンデリア。それも神々しさを覚えるほどの巨大なスケールのものが頭上に広がっていて、目を奪います。
ただし上階とは異なるのは、これらシャンデリア、および真鍮のパーツやクリスタルといったシャンデリアを構成する部品はアンティークそのものではなく、あたかも経年変化によって生じたかのような質感に「再現」されたオリジナルであること。

いわく「エイジングをかける」作業を通じて仕上げられるアンティーク調のシャンデリアは、適宜カスタマイズも。クリスタルの部分であれば、スワロフスキーを含め3つのブランドにまたがり、キラキラとした輝きの強いものを、あるいは控えめなものを、といった好みに応じた対応が可能です。

フランスやイタリアほかヨーロッパの蚤の市で、あるいは現地のディーラーから買い付けた部品の数々

数年使い続けることで、フレームに使われた真鍮がアンティークのごとく味わい深い色味に変わりゆくように計算されている点など、その道を熟知した職人の手によって初めて実現できるリアルさが、店としての誇り。

2階 redrock(レッドロック)

変わってこのフロアには、時代が下りおよそ1960〜80年代にまたがるイタリアンモダン中心のヴィンテージランプやデザイナーズランプなど。3階・4階を経てここを見回すと、時代を通じたモードの変遷というものが肌身をもって感じ取れるでしょう。
ある工芸品を特定の地方や町でのみ作ることができるものとして評価するのと異なり、デザインや創作物が「個人」に帰属するものとする考えが確立して以降のもののため、ここのアイテムは個人名が辿れるものが多いです。

時代が近いのもあって、より生活に取り入れやすいテイストのものが見つけられそう。

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ちなみにこれらフロアとフロアの間の、踊り場含めた階段室すらもまた、天秤や時計を含めたインテリアからアート作品まで、ため息が出そうなもののオンパレードだったりします。総じて、この建物は視覚的な情報量がすごいのです。

1階 atelier 366

ここはこの業界で歩むこと約30年、2Fから4Fの各店舗を取りまとめつつ、バイヤーかつ職人として奔走する平田さんの工房。

本場ヨーロッパでも「商売としてもっと割りの良い仕事がある」ということで後が継がれず途絶えてしまうことで、今後10年の間に職人の数が激減してしまうことが予想されるという業界的なご時勢、ここ日本でそれと遜色ないものを作ろうと、平田さんは日々情熱をもって仕事に邁進しています。
安価な量産品とは一線を画すアンティークらしい「いい汚れ」、雰囲気を醸し出してくれるその経年変化の跡を大事に、シャンデリアという素人目には見当もつかない複雑な構造物を一つ一つ分解して手入れを施したり、あるいは部品をゼロから作ったりする作業が行われています。

例えば、一つのシャンデリアに付属する多数のクリスタルをつなぎとめるための、いわば骨格にあたるフレームの部分を作る作業。
まっすぐに伸びた真鍮をバーナーで温めては曲げ、温めては曲げ、を繰り返して、しかるべきサイズと幅のパーツをつくる。そんな作業が一つのシャンデリアにつき数十個単位で発生します。
顧客からのリクエストが例えば1920〜30年代のスタイルであるなど、相当昔であるがゆえに当時の作り方のメソッドが必ずしも明確ではないことも。その中で自分の知識や経験を総動員して当時の質感に限りなく近くしてみせようというのが平田さんのプロとしての矜持です。

きらびやかというにも程がある輝き。それも常に甘美で艶があるという。redrockほか各フロアを通じためまいがしそうなほどのショーケースぶりも、こういった手しごとと目利き力が生きてこそ、です。

(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)

redrock / LA FAYETTE / La Cienega / atelier 366

住所
東京都目黒区中目黒3-6-6 中目黒OPIビル
営業時間
12:00-20:00
定休日
水曜日
最終更新日:2019.1.30
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。