場所は代官山。各種店舗が軒を連ねる表通りを歩いているとチラッとのぞく、この半地下のお店。

「粥」のネオンや「Restaurant」の文字、それに軒先の立て看板などから、中華粥のお店らしいことを察しつつ階段を降りると、今度は視界を覆うがごとく壁一面にディスプレイされた本棚。
ネオンがナイトクラブ的だしここは一体なんなのだろうと頭の中の「?」が拭いきれず、でも各所凝っていそうなこの感じが気分的になんだかそそられる、という人は少なくないはず。
ネオンがナイトクラブ的だしここは一体なんなのだろうと頭の中の「?」が拭いきれず、でも各所凝っていそうなこの感じが気分的になんだかそそられる、という人は少なくないはず。

移動図書館「PARIDISE BOOKS」の選書による書棚。毎月入れ替え制。
何を隠そうこの奥には、ぱっと見にはわかりようがない仕掛けで外界とつながる部屋が控えており(この、秘密めいた感じ)、そこには目新しさと美味なるものとその他エトセトラ、そしてそれを求めてやってくる人同士の出会いの喜びが、待っているのです。


カウンターには、香港のナイトクラブと見まがうような漢字が踊るネオン。カウンター背中側、フロアを挟んで向こうのDJブースはというとアートワークのグラフィックがスペイシー。「2019年宇宙の旅」なんて映画があるとしたらこんなのかな、というファンタジックなビジュアルに魅せられながら聴くハウスやテクノは、印象がひとふた味違います。
ここはどこでしょう。代官山でした。
ここはどこでしょう。代官山でした。


何かにつけ「普通とは違う」仕掛けが備わる場であれば、そこで催されるコンテンツもまたそれに見合うだけのもの。レジェンド級の錚々たるオーガナイザー達によるパーティーが多数繰り広げられ、夜を彩るのです。
ちなみにフロアの一角にある、キャパ的に2名が限界の喫煙スペースもユニーク。ちょうど顔が隠れるぐらいの高さから上が目隠しのように壁になっています。立ち入るとその頭上の排煙装置が煙を吸い上げてくれるという造りで、はたから見るとそこに誰がいるのかはわかるものの、表情そのものは想像するしかない、という。
ちなみにフロアの一角にある、キャパ的に2名が限界の喫煙スペースもユニーク。ちょうど顔が隠れるぐらいの高さから上が目隠しのように壁になっています。立ち入るとその頭上の排煙装置が煙を吸い上げてくれるという造りで、はたから見るとそこに誰がいるのかはわかるものの、表情そのものは想像するしかない、という。

ふたり相対するだけで、意味ありげに何か話している(ように見えてしまう)感じが、なんて心憎い。
そんなここならではの食のお楽しみの筆頭は、中華粥。塩豚粥や薬膳粥、海鮮粥といったラインナップに、お好みでパクチー、ピータン、揚げパン、ザーサイも付ければ、本格チャイニーズテイストなプレート。場所がらとても新鮮です。
そんなここならではの食のお楽しみの筆頭は、中華粥。塩豚粥や薬膳粥、海鮮粥といったラインナップに、お好みでパクチー、ピータン、揚げパン、ザーサイも付ければ、本格チャイニーズテイストなプレート。場所がらとても新鮮です。

中国粥はランチ(〜16時)でも。Débrisの夜を楽しむ前の下見がてら頂くもよし。
あなたのお肉需要にしっかり応えつつ胃にも優しくおさまってくれる塩豚粥を、高級烏龍茶やパンダン茶といった薬膳茶とともに。店のファサードを飾る本棚から、気に入った一冊を手にとり眺めつつ味わう感性豊かな時間は、なかなか。
またカクテルもDébris(デブリ)の強み。ここ数年来クラブ界隈で盛んに飲まれるボタニカルリキュール「コカレロ」や最近登場の「コカレロ・ネグロ」、イタリア産のクラフトジン「マルフィ」やインドネシア産のアイランドラム「ヌサカナ」などを使用したオリジナルのカクテルが飲めるのです。
またカクテルもDébris(デブリ)の強み。ここ数年来クラブ界隈で盛んに飲まれるボタニカルリキュール「コカレロ」や最近登場の「コカレロ・ネグロ」、イタリア産のクラフトジン「マルフィ」やインドネシア産のアイランドラム「ヌサカナ」などを使用したオリジナルのカクテルが飲めるのです。

1920〜30年代のイギリス領香港、あるいは外界と隔絶された密やかな空間感覚が禁酒法時代のアメリカの酒場をイメージさせるようでもあり。いい感じの妖しさ(ほめ言葉)が今この場によみがえります。

視るモノ・聴くモノ・味わうモノ。既存の枠におさまらない新鮮さを織り交ぜ楽しむこの場ならではのミクスチャー感覚といったら。夜の遊び場ということで十把一絡げにできないこの現場ならではの高揚感というものが確実にあります。
Space Débrisを手がけたのは、毎年6月に千葉県・南房総で開催されるミュージック&アートフェス「ZIPANG」やストリーミングメディア「DOMMUNE」にてレギュラープログラム「HIGHLIFE」を手がけるプロダクションチーム。
http://2019.upperkidz.club/
十二分に折り紙つきの実績を有する彼らが、そのセンスと手腕をもってここ代官山の地にドロップした空間は、去年8月に誕生してまだ半年ほど。日中にもヨガイベントを開催したりとそのコンテンツは今後一層の充実が図られるもようなので、その動向に目を離さないでおくとよいでしょう。
代官山の楽しみ方に、こんな新たなレパートリーが登場しています。
Space Débrisを手がけたのは、毎年6月に千葉県・南房総で開催されるミュージック&アートフェス「ZIPANG」やストリーミングメディア「DOMMUNE」にてレギュラープログラム「HIGHLIFE」を手がけるプロダクションチーム。
http://2019.upperkidz.club/
十二分に折り紙つきの実績を有する彼らが、そのセンスと手腕をもってここ代官山の地にドロップした空間は、去年8月に誕生してまだ半年ほど。日中にもヨガイベントを開催したりとそのコンテンツは今後一層の充実が図られるもようなので、その動向に目を離さないでおくとよいでしょう。
代官山の楽しみ方に、こんな新たなレパートリーが登場しています。

(文:古谷大典)
(写真:井上綾乃)
(写真:井上綾乃)
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