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土の手触りに感性をひらいて、むすんで。「dakota工房」で陶芸の時間

good mornings

公開日 2019年4月30日

田原町のdakota工房では、陶芸作家・芸林晶子さんにならう陶芸教室のほか、単発の陶芸体験も。土でものづくりする喜びを先生役である彼女自身、日々感じているのがよく伝わってきます。

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浅草寺界隈の喧騒をちょいと西へそれて、田原町。

都内きっての観光の街がまとうオーラときたらぶらつくだけでも少なからず気持ち高ぶってくるほどで、時には落ち着きを取り戻したくもなるでしょう。

そんな折、人気もまばらな路地にある工房で先生の優しい手ほどきを受けつつ、土に触れ、こねてまわして好きなものをつくってみようだなんて、心安らげそうなとてもいい話では。
dakota工房。ここをアトリエとして陶芸活動にいそしむ芸林晶子(げいりん あきこ。なんてものづくりが上手そうな苗字)さんが開く陶芸教室が、それなのです。

「陶芸は、粘土遊びの延長。ねんどのアッコ先生とやってみよう、ていう位の気楽な気持ちでどうぞ」とその姿勢はいたってオープン。いいですね。なんだか楽しそうです。アッコ先生。
「お酒を飲まない人がお猪口をつくっても楽しくないだろうし」とのことで、ここでは好きなもの、心に思い浮かぶもの、心惹かれるものを自由につくることができるのですが、やっぱりろくろ、興味ありますよね。目の前でぐるぐると回転するものを扱う、あの感じ。

ちょっと試しにやってみたい人向けに器やお皿を作る体験コースも用意されています。お値段5,000円(手びねりの場合は3,500円)。

最初は大きな弾丸みたい。さてここからどんな形が。

車のアクセルのように、右足元のレバーを踏み込めば回転速度も上がる。その時々でちょうどいい速さを保ちながら、両手で土を盛り上げたり、逆に盛り下げたり。それを何度か繰り返すことで土の硬さや水気を均一にしていきます。この工程、その名も「土殺し」と言います。ワォ。

通奏低音のように絶えず耳に届いてくる、ろくろの低い回転音。ウィーンウァーンというそのわずかな抑揚のリズムに沿って、頷くように頭から首元のあたりを上げ下げしながら仕上げていくのが、芸林流の動き。ぱっと見、ミドルテンポの情感豊かなソウルミュージックにノッているかのよう。

こうすることでろくろの回転周期と手や身体の動きが同期できるというのです。
土の手触りには、幼い頃誰もが親しんだ泥遊びの懐かしさ。そしてたぶん、太古の昔から脈々と命を受け継がれ今このときを生きる自分に潜在的に埋め込まれているはずの、母なる大地とのつながりも。

そんな根源的なものの気配すら感じ取れるような、手応え確かなその触れ心地。
その気になれば完全無欠の均整感を求めることだってできるものの、そこにあえてズレやゆらぎを与えてヒューマンな足跡を残してみたり。これまた彼女の持つ志向です。

食器文化の文脈で語られることが比較的多い日本の陶芸ですが、彼女が作り続けているのは必ずしもそういった実用に資するものとは限りません。
土そのものが持ち得る表情の幅広さ、それにかたちの可塑性への飽くなき関心がまず先にあって、「この釉薬(ゆうやく)のビビッドな色味と光沢でこんなイメージをかたちにしたら楽しそう」「もっとざらつきのあるテクスチャーであんなモノもつくってみたい」と、そんな創作意欲を抱いているのです。

こころのうちに宿す、ことばにしようにもいわく言い難い思いや情念を土に託すような気持ちで。

一連の作品群にはなぜだかトイレのアメニティーものも色々。

そんな、まごころ明らかな土いじりの専門家たる芸林さん改め、アッコ先生です。彼女に手ほどきを受けつつ、友達や恋人同士、2時間ほど無心になって取り組むひとときはきっと充実したものになるはず。
そうして作り上げたものは、後日工房内の釜で焼かれたのち、体験日からひと月ほどで配送。晴れて手元を離れていた我が子とのご対面と相成るのです。

毎月第3土曜日には、2011年にこの工房を構えて以来欠かさず開催している「サタデー陶芸ナイト」も。合間に設けられるティータイムともども、手指・体にこころまでリフレッシュさせられるなら、これはなんて良い週末。
(文:古谷大典)
(写真:井上綾乃)

dakota工房

住所
東京都台東区寿4丁目6-11
電話番号
03-6318-9920
最終更新日:2019.4.25
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