
東急目黒線で目黒からひと駅。不動前の駅周辺は都会的なスポットも目黒不動尊などのお寺も、それに林試の森へのアクセスも良好と、なかなか住み良い住環境です。
家々が軒を連ねる静かで落ち着いた界隈にある、この半地下の店構え。この中では実はちょっとしたものづくりに親しむことができます。名前はQOOCAN(クーカン)。つまり「空間」です。
家々が軒を連ねる静かで落ち着いた界隈にある、この半地下の店構え。この中では実はちょっとしたものづくりに親しむことができます。名前はQOOCAN(クーカン)。つまり「空間」です。

ここは株式会社ケント・アルファの中村真太郎さんが妻・江美さんともども手がける「ものづくりワークショップスペース」。高さ12メートルのクリスマスツリーからアートパネルまで、デザイン〜製作の各プロセスに渡ってものづくりを手がける同社が、事務所の一角をこうしてクラフトワーク体験の場に仕立てたものです。
ご祝儀袋などでおなじみの水引、端材のようなレザーといった身近な素材でできたイヤリング等のアクセサリーや雑貨の展示・販売もされているのですが、その多くが江美さん自らの手になる、こまやかかつ手仕事感ゆたかな小品。ここで体験できるのも、水引を使ったクラフトワークが中心です。
ご祝儀袋などでおなじみの水引、端材のようなレザーといった身近な素材でできたイヤリング等のアクセサリーや雑貨の展示・販売もされているのですが、その多くが江美さん自らの手になる、こまやかかつ手仕事感ゆたかな小品。ここで体験できるのも、水引を使ったクラフトワークが中心です。

アクセサリーなどの装飾品の数々。この他、箸おきやボトル飾りなども。

この色付きの細長いものを曲げて・結んで・複数組み合わせて、といったシンプルな加工を積み重ねていくだけで、最終的には意外なほどバリエーション豊富な姿かたちになってくれることは、ご存知でしたか。
それをクラフト作家の江美さんからレクチャーを受け、水引の結びの作業を体験しつつ、作品に仕上げることができます。
それをクラフト作家の江美さんからレクチャーを受け、水引の結びの作業を体験しつつ、作品に仕上げることができます。


二本の水引を、角度的に常に並行させた状態で、曲げたり結んだりしていくのがポイント。

これでひとまず、一丁上がり。

同じものを3つ4つと作ったのち、それらをつなげて。

装飾アイテムとして、あるいは実用品としても。素材を手にした人のイマジネーション次第で曲線美のある様々なモノが作れてしまうこの自由さは、折り紙にも通じるものがあります。

ちょっとした力の入れ加減で形状が変わる繊細さもあって、仕上がった個々の作品には一概に上手/ヘタと区別できない個性が現れるのが奥深いところ。
このような体験が不定期で開催されていて、一度に2人から3人まで同時に取り組むことができるという、そんなワークショップです(2時間で一人あたり3,500円〜)。
お手本をもっとみたいという方、お店のInstagramからは江美さんの作品なども色々見ることができるのでどうぞ。水引の持つ可能性に、なるほど、と思えてはきませんか。
このような体験が不定期で開催されていて、一度に2人から3人まで同時に取り組むことができるという、そんなワークショップです(2時間で一人あたり3,500円〜)。
お手本をもっとみたいという方、お店のInstagramからは江美さんの作品なども色々見ることができるのでどうぞ。水引の持つ可能性に、なるほど、と思えてはきませんか。
デジタル処理されることがらが年を追うごとに増え、スマホのスクリーンへのタッチを繰り返すことでかなりのことができてしまうこのご時世ですが、画面の前に転がる選択肢から選ぶ「カスタマイズ」を通してしか自分好み、自分らしさを発揮しない、できない世の中になりつつあると言えなくもありません。

そこそこ質の良いデザインなりモノなりが溢れるものの、人が本来的に持っている個性がそこにあるかというと相当怪しいもの。真太郎さんはここQOOCANでの体験のように、ほかでもない自分の手を動かし、頭をひねり、何かに取り組むことの意義は大きいと考えています。

なお、水引に加えて最近ではレーザーカッターを使ったオリジナルの箸作りの体験も。割り箸に自作の柄を施してみよう、というものです。イラストレーターなどのアプリケーションを使ってのオリジナルデザインはもちろん、お店の方で定めた寸法に則って下書き作業をすることによっても可能なようです。
花火をかたどったもの、ラーメンのどんぶりにある卍のような模様など、幾何学的な柄を様々につくることができます。
花火をかたどったもの、ラーメンのどんぶりにある卍のような模様など、幾何学的な柄を様々につくることができます。

柄を彫刻するレーザーカッターすらも真太郎さんの自作というから、さすがの工作力。
オリジナル柄ということで、言ってみればそれこそほんとの「マイ箸」。キャンプで作るカレーみたいにご飯がおのずとおいしくなってくれそう。ハレの日向けのとっておきに、どうぞ。
(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)
(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)
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