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ちょっと感性つつかれる東京ステイ。泊まれるギャラリー「NIBUNNO」

good mornings

公開日 2019年5月18日

東麻布にあるNIBUNNO(ニブンノ)は、なんと泊まれるギャラリー。日本と台湾にまたがり活動するデザインファームが手がけたこのユニークな空間では遠方の人はもちろん、首都圏住まいにとっても面白い時間が過ごせそうです。

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赤羽橋駅の北側をゆけば港区東麻布。目抜き通り近くにある、芝公園ののどかなオーラの息もかかった落ち着いた路地に、こんなサインがさりげなく垂れ下がった地上5階・地下1階のビルがあります。
「ROOM & DESIGN GALLERRY」とある一方で、ドアが基本的に施錠されていたりと気まぐれで入館することができなさそうなものの、そのシュッとした佇まいが印象的で妙に気になってしまうところ。これが、泊まれるギャラリー・NIBUNNO(ニブンノ)です。

来年の東京オリンピック後に取り壊されることが既に決まっている物件を活用し、リノベーションを経て2017年より展開中のこの施設。宿泊客がさりげなく建物に出入りするフリーチェックイン/アウトのシステムということもあり、何も知らず通りがかっていくだけの人には意外な限りですが、ここの2階と3階にはこんな宿泊室が用意されています。

(画像提供: NIBUNNO)

そこに下画像のような具合にして、その時々で所々に日本や台湾のアーティストの手による作品が備え付けられ、宿泊客は作品ともども滞在を楽しんでいく、というわけです。寝ても覚めても、作品世界の作用を受けた空気のもとで過ごす、そんな新感覚のお泊まり体験。

(画像提供: NIBUNNO)

(画像提供: NIBUNNO)

2室ともにひと部屋4人までの宿泊が可能な部屋となっていて、お値段はひと部屋1泊あたり22,000円(+税)。各フロアにトイレとシャワールーム、それにタオルや歯ブラシセットといったベーシックなアメニティ付きです。二泊三泊と続けて滞在していく利用者も多いあたり、その体験としての居心地の良さを予感させます。

来年のオリンピック閉幕後まもなく9月をめどにここもなくなってしまうという刹那性が、滞在中の感性のアンテナをぴんと立ててくれるようなところもあるのでしょう。

なお滞在中は他のフロアもいくつか見て回ることができるので、併せて立ち寄っておきたいところ。1階スペースでは、クリエイティブを通じた日台の文化交流をテーマに据えた展示/販売がなされています。
2階や3階の作品だけでは必ずしも気がつかないものの、多くの作家やブランドの作品が並ぶこのフロアでは、二つの文化がそれぞれに育んだ感性に微妙な差異があるのが判って興味深いです。

個々の作家が持つ世界感はもちろん、色彩感覚、文字、線描のタッチなどに、同じ東アジアではありながらここ日本で生活していてはなかなか触れることのできない感覚。感性の新しい引き出しを見つけたかのような、これはちょっとしたコロンブス新大陸発見です。
ほか、独自にセレクトしたメイドイン台湾のプロダクトなども。この1階スペースは基本的に宿泊者の利用のみが想定されているものの、事前連絡があれば宿泊者以外であっても案内してもらえるようなので、雰囲気を味わってみたい人はどうぞ。展示情報などをインスタグラムでチェックしておくのも良さそうです。
このほか5階にあるラウンジもぜひ。滞在時の飲食はこのフロアでとることになっています。近隣に飲食店も少ないこの界隈ゆえ、ここで酒盛りして楽しめたりできるのはありがたいところです。
窓からは東京タワーの姿も。「ちょっと向こうにゴジラがいる」くらいのサイズ感で眺められるのは、直線距離にしてわずか200メートルほどという立地ならでは。

空間を彩るのはもちろん日台のアーティストの作品群。若手アーティストなどの作品が登場することも多いのですが、彼らを支援するべくここでの発表機会は無償で提供されていたりもするもようです。
と、このようなかたちで日本と台湾の2つの文化圏にまたがりアートに親しめるユニークなNIBUNNOですが、手がけたのはBXG株式会社というデザイン・クリエイティブファーム。この施設に代表されるように、その仕事のフィールドやメンバーの出身はともに日台を股にかけたもの。ここNIBUNNOの4階は彼らの日本における拠点でもあります。

社長にして日本語も堪能な台湾人・李章聖(り・しょうせい)さんはじめ、台湾デザイン界の重要人物の一人・林唯哲(りん・ういつ)さんもメンバーであるなど、NIBUNNNOに限らず、彼らの動向には要注目です。

李さん(奥)以下、日台を盛んに往来して仕事に取り組む日々。

ちなみに同社はいま日本では独自の印刷サービスを軸に展開中とのこと。日本国内ではあまり目にする機会のない欧米の紙の取り扱いなどをはじめ、用紙や加工に渡って聞き捨てならない特殊印刷が多数可能なようです。

「EP」と称して展開されるこのサービス、実際に現地で印刷オペレーションを担当するのも、ルールや規制に縛られがちな日本国内と異なり「とりあえずチャレンジしてみよう」という気風の専門スタッフとのこと。輸送コストを差し引いてもなお安く済むコスパ力も含め、クリエイティブまわりの業務や用途などでこだわりの印刷を、と考えている人は利用を検討してみる価値、大いにありそうです。
1階スペースにある見本帳の数々も参考になるでしょう。
(文:古谷大典)
(写真:井上綾乃  一部取材先提供画像あり)

NIBUNNO

住所
東京都港区東麻布1-8-2
電話番号
080-8724-1637
最終更新日:2019.5.9
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