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体験して知る、江戸の職人技術や文化のこと。「GLASS-LAB」でちょびっとガラス加工

good mornings

公開日 2019年6月6日

清澄白河のGLASS-LAB(グラスラボ)では、江戸切子の工房でガラス加工に気軽にトライできる体験プログラムを展開中。稼働して約70年にもなるガラス工房で「液だれしない醤油差し」を作ってゲット!してみては。

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きょうびコーヒータウンとして不動の人気を誇る清澄白河。この街がある江東区には深川めし然り、江戸時代にさかのぼる歴史や文化の引き出しも実は少なくありません。
ガラス工芸「江戸切子」もそのひとつ。色を帯びたガラスの表面に刻みつけられたあの和柄模様は、墨田や江東エリアの職人の手により作られているものも多いのです。

意外にも、線を刻みつけるのが江戸切子のすべて、というわけではなく。同じ切子でも「線」ではなく「面」を削りだすことで、このような形状を作り出す加工もまたあります。

元は円を描いていたのが、多面体のようなかたちに。

平切子(ひらきりこ)と呼ばれるこの加工を専門に営まれる工房は、全国でも今やわずか10軒ほど。清澄白河の地で1950年から営まれてきた椎名硝子もそのひとつです。

研磨作業に使われるのは大小さまざまなサイズからなる、車輪のような「刃」。
動力でこれを高速回転させた状態で、その側面や角の部分にガラスを押し当てれば、そこが削れて平たくなる、というものです。
長らく、発注元から仕様として定められた特定のかたちを作って納品するのをもっぱらの生業としてきた椎名硝子。

約70年もの長きにわたって研鑽を積み重ねモノにしてきた自社の技術は、アイディアや外部との提携における工夫次第でより多方面に展開させられるはず。そう可能性を見出し5年前から企画やプロデュースまわりを担っているのが、創業から数えて三代目にあたる椎名隆行さんの立ち上げたGLASS-LAB(グラスラボ)です。
いま清澄白河を訪れる人たちに向けて、江東区あるいは深川エリアを特色づける江戸以来の職人技術や文化に触れる機会を創出するのも、重要な取り組みのひとつ。その一環として、椎名硝子の工房内での「液だれない醤油差し」づくりの体験が実施されています(要事前申し込み)。

キッチンで食卓で、注いだ後のあのひと手間が省けるという、さりげなくも優れた一品を自らの手で。
蓋にあたる部分をちょうど良いかたちに削りだす技術の高さが醤油差しを優れモノたらしめているのですが、ここで体験するのは、その下にくる瓶の口の大きさが、ちょうどよく収まるサイズにまで研磨するという、作業全体からみて最終工程にあたる部分。

椎名さんに見守ってもらいつつ、スロットマシンみたいなレバーを力を込めて押し下げる。力を入れすぎては破裂、なんて可能性も無きにしもあらずという多少のドキドキ込みでの作業です。

ドキドキしながら、グイグイっと。

発生する摩擦熱が冷えるよう、レバーを数秒押し下げては戻しを繰り返し、少しずつ少しずつ穴を広げていきます。器具についた目盛りを見てしかるべき深さまで削れたら、OK。

飾りも添え専用ケースに収めれば完成。このような体験と自作製品とでお値段、税込4,000円です。

区から「江東ブランド」認証も得た逸品をわが家に。

なお切子のほかにもうひとつ、この工場で独自に長足の進歩を遂げているのが「サンドブラスト」という技術。ガラスの表面に砂を吹き付けるというもので、これをマスキングと組み合わせることで、様々な文字や模様をつくることができます。

細かな線も描き出すその精度は恐ろしく高く、なんと0.09ミリ。

小さく「オラオラ」の文字が敷き詰められた、その名もオラオラグラス。無駄無駄グラスなんてのも。

平切子とサンドブラストを汎用的に組み合わせることで、前人未到の革新的なデザインや全く新しい用途を持ったプロダクトを創り出そうと、椎名さんは目下奔走中です。
盆栽もそうですが、盛る、足すというよりは削る、差し引くことで完成させていくのが造形における日本的なアプローチというもの。江戸期以来、いまも廃れることなく引き継がれ高められているカットグラス技術のレベルは、展示会などで様々な国々を廻る椎名さんいわく「今や世界的にずば抜けていると言っていい」もようです。

事前申し込み制にて土日の工場見学も可能なので、醤油差しの製作体験がてら、来年で70年を迎えるこの現場ならではの味というものに触れてみてもよいかも。
(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)

Glass-Lab(グラスラボ)

住所
東京都江東区平野1-13-11
電話番号
03-6318-9407
最終更新日:2019.5.30
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