基本、住宅に次ぐ住宅。それにお寺もなんだか多い。本駒込駅を最寄りとする界隈は文京区らしいごく落ち着いたまちなみがひたすら続くのですが、最近異色なスポットがちらほら登場し始めていて目が離せません。
ここにもひとつ。
ここにもひとつ。

あたりの家々が夕飯を炊いてお風呂も沸かして、とアクティブな日中から休息モードへと移る頃、ここ「Juhla Tokyo」(ユフラトーキョー)には、未知なる音楽とコーヒーでしばしココロ遊ばせていく人たちの姿がうかがえるようになります。
店内で耳に届くのは、フィンランド・エストニア音楽を専門に紹介する「O-moro music from Finland, Estonia」や地元谷根千のミュージシャンのCDやレコード。いただくのは、スペシャリティコーヒーを提案する「Day Drip Coffee」の自家焙煎コーヒー。
店内で耳に届くのは、フィンランド・エストニア音楽を専門に紹介する「O-moro music from Finland, Estonia」や地元谷根千のミュージシャンのCDやレコード。いただくのは、スペシャリティコーヒーを提案する「Day Drip Coffee」の自家焙煎コーヒー。

日本ではクラブシーンなど一部の好事家の間のみで広まっていたものなども多数の店内。

ともにちょっと他ではそう出会えない代物でして、もっぱら住む人のまちというイメージのこの界隈にあって、居心地ともども意外というほかありません。
この場に流れるフィンランド・エストニア音楽は、「O-moro music from Finland, Estonia」が提案するもの。運営者シオミユタカさんの目利きのもと展開される現地の注目ミュージシャンのレコードやCDが並んでいるのはもちろん、ボイスパーカッショニストから伝統楽器カンテレ奏者まで、インストアライブが行われることもしばしば。
プレオープン時期も含めたわずか1年弱の間に、フィンランドの色々なアーティストがここを訪れてパフォーマンスしてきたのがInstagramからもわかります。
この場に流れるフィンランド・エストニア音楽は、「O-moro music from Finland, Estonia」が提案するもの。運営者シオミユタカさんの目利きのもと展開される現地の注目ミュージシャンのレコードやCDが並んでいるのはもちろん、ボイスパーカッショニストから伝統楽器カンテレ奏者まで、インストアライブが行われることもしばしば。
プレオープン時期も含めたわずか1年弱の間に、フィンランドの色々なアーティストがここを訪れてパフォーマンスしてきたのがInstagramからもわかります。
また金曜夜はほぼ定例でのDJナイトに。観光エリアとしての谷根千も含め、この界隈での週末の始め方としては新鮮かつ嬉しい限り。


Juhla Tokyo主催・小川篤史さんのDJも。
マリメッコ、イッタラといったブランドのテーブルウェアや洋服などのデザインから、北欧独特の洗練された雰囲気だけが取り沙汰されがちなフィンランドの生活や文化。
でも片や一方ではアバンギャルドな側面を持つ作風も多数あって、ややシャイなお国柄ということなのか、その秘めたるオリジナリティが作品から顔をのぞかせるのが面白かったりもするのです。
この場を包む音楽の声やサウンドの表情から、それがどんなのかが段々とわかってくるはず。
でも片や一方ではアバンギャルドな側面を持つ作風も多数あって、ややシャイなお国柄ということなのか、その秘めたるオリジナリティが作品から顔をのぞかせるのが面白かったりもするのです。
この場を包む音楽の声やサウンドの表情から、それがどんなのかが段々とわかってくるはず。


時間をかけて楽しみたい音楽がある。そしてそれに見合うだけの、これまたじっくりと味わいたくなる飲み物が日々つくられているのがこの場のもう一つの魅力。
ここのコーヒーは、「Day Drip Coffee」を立ち上げ展開する黒田悟志さんがまさにここで焙煎工程から始めて供してくれるものです。
ここのコーヒーは、「Day Drip Coffee」を立ち上げ展開する黒田悟志さんがまさにここで焙煎工程から始めて供してくれるものです。

卸やコーヒー関連書籍の監修なども手がけてきた目利き・腕利きである彼から、美味しい淹れ方のヒントのこと、それに香りや味わいがものによってどんな具合に変わってくるか、といったことなんかも教わりつつ。充実した味覚体験のひとときが過ごせます。
ちなみに「ユフラブレンド」は、実は世界一コーヒーが飲まれると言われるフィンランドにちなんだもの。現地人好みの朝煎りでフルーティーなものよりもややニュートラルな、私たち日本人の味覚に合ったものになっているこの場ならではのオリジナルブレンドです。
ちょっと話を聞くうちにコーヒーの世界を深掘りしたくなってくる人も少なくないようで、そんな人のために毎月コーヒーセミナーも開催中。
ちなみに「ユフラブレンド」は、実は世界一コーヒーが飲まれると言われるフィンランドにちなんだもの。現地人好みの朝煎りでフルーティーなものよりもややニュートラルな、私たち日本人の味覚に合ったものになっているこの場ならではのオリジナルブレンドです。
ちょっと話を聞くうちにコーヒーの世界を深掘りしたくなってくる人も少なくないようで、そんな人のために毎月コーヒーセミナーも開催中。

フィンランドのジン「ナプエ」も。クランベリーとローズマリーでシーズニングしたジントニックがまた美味。

ハートウォール社製オリジナルロングドリンク。現地では通称「ロンケロ」。
音楽とコーヒーが各々に確かな個性を持ったJuhla Tokyo的ひととき。物販やドリンクで見つかるその他の小さなフィンランド的発見とともに、どうぞ、しばしおたのしみを。
この他もうひとつ注目するべきは、この空間が地域性に関連した音楽的動きも見せていること。メジャーな人物も含め、出身または在住のいずれかでこの界隈にゆかりを持つミュージシャンの数は実は一定数いることに着目してイベントやギター、MPC(フィンガードラム)等の音楽教室、ワークショップも展開されています。
この他もうひとつ注目するべきは、この空間が地域性に関連した音楽的動きも見せていること。メジャーな人物も含め、出身または在住のいずれかでこの界隈にゆかりを持つミュージシャンの数は実は一定数いることに着目してイベントやギター、MPC(フィンガードラム)等の音楽教室、ワークショップも展開されています。

在日ファンクで活動中のギタリスト仰木亮彦氏も谷根千出身。彼のオリジナル・アルバム「坂」も常時陳列。
こんな取り組みも、Juhla Tokyo主催者にして地域生え抜きの小川さんでないと生まれようがなかったかも。拠点としての強みを持つこの場を軸に、今後ますます大きな動きが生まれる可能性があることをお含みおきくだされ。
観光エリアとしての谷根千からはいわば蚊帳の外にあった界隈が、何だか引き続き面白く・賑々しくなっていきそうな予感。
観光エリアとしての谷根千からはいわば蚊帳の外にあった界隈が、何だか引き続き面白く・賑々しくなっていきそうな予感。

(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)
(写真:丸山智衣)
AJuhla Tokyo
- 住所
- 東京都文京区千駄木5-38-9
- 営業時間
- 水曜日、木曜日 17:00〜23:00 金曜日 15:00〜23:00 土曜日 11:00〜23:00 日曜日 11:00〜20:00
- 定休日
- 月曜、火曜
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