日比谷線でつながる南千住駅と三ノ輪駅。その間に位置する住宅街を歩いていて、いちばん目の保養になる色を提供してくれるのはきっとこのお店のドア。そんな気がします。

一瞥(いちべつ)するなり心の何割かを持っていかれそうになるその青の印象は、引き続き店内でも。
アトリエ兼ショップであるこのお店・Christal ARTがメインとするのは水彩で絵柄が施されたペンダントやネックレス、ペーパーウェイトといったクリスタルやアートボトルの作品。
それにスカーフやトートバッグ、スマホカバーや名刺入れなど、これまた鮮やかな絵が描かれたアパレル雑貨類、そして純粋な水彩画作品も。
アトリエ兼ショップであるこのお店・Christal ARTがメインとするのは水彩で絵柄が施されたペンダントやネックレス、ペーパーウェイトといったクリスタルやアートボトルの作品。
それにスカーフやトートバッグ、スマホカバーや名刺入れなど、これまた鮮やかな絵が描かれたアパレル雑貨類、そして純粋な水彩画作品も。


ふちどりのはっきりした線描のジュエリー類は、全てが手描きによる一点もの。白昼夢を誘う色ときらめきが一同に会する高貴な眺めからは、ひとつひとつが、エレガントながらも丸く収まり過ぎず、確かな主張を持っているのが伝わってきます。

また、細かな三角形のカットでかたどられた球形のクリスタルは、見る角度を変えることで、底の部分に描かれた絵が万華鏡のごとく様々な像を結んだりも。
見つめるうちにやがて訪れるは、魅惑の脳内ラビリンス。
見つめるうちにやがて訪れるは、魅惑の脳内ラビリンス。

左にはあじさい、右には猫とハートマーク。
企業や個人からの依頼にもとづく制作のかたわら、このような作品を創作し続けている堀田(ほった)真澄さん。代々この界隈で家具問屋を営む家に生まれ、このまちで暮らしてきた彼女は今、かつて長らくその事務所として使われていたスペースをこうして自身の制作及び展示販売の場として活用しています。

「Christal ART」の名をかかげ創作してきた約11年を通じ、堀田さんが描く素材としてきたものの多くは、動植物。
4歳のときに先生のもとで絵を習い始めたときと同じく、今でも動植物や自然に惹かれてはそれをモチーフに選んでしまう。「三つ子の魂百まで」のことわざ通りなこのパッションの現在進行形ぶりは、お店のInstagramにも現れています。つぶらな瞳をしている動物など、妙に心動かされてしまうのだそう。
4歳のときに先生のもとで絵を習い始めたときと同じく、今でも動植物や自然に惹かれてはそれをモチーフに選んでしまう。「三つ子の魂百まで」のことわざ通りなこのパッションの現在進行形ぶりは、お店のInstagramにも現れています。つぶらな瞳をしている動物など、妙に心動かされてしまうのだそう。
小学校に上がる前の頃など、その情熱余って来る日も来る日も鳥の絵ばかりを描き続けては、母親に不安がられたことも(笑)。


「青いものに惹かれる」というのも、それが生きとし生けるものの生活舞台である空や海の色であるのと無関係ではなさそうです。大げさでなく、これは生き物としてDNAに刻まれた郷愁のようなものに根ざしているのかも。
小さい頃に遊んだBB弾やおはじきの透明感。日没後、夕闇が訪れる前の空のグラデーション。東京ジャーミーのステンドグラス。青い色が持ち得る、あのえも言われぬ深淵な美しさを、堀田さんは心のアンテナが震えるがままにあの手この手で称え続けています。
小さい頃に遊んだBB弾やおはじきの透明感。日没後、夕闇が訪れる前の空のグラデーション。東京ジャーミーのステンドグラス。青い色が持ち得る、あのえも言われぬ深淵な美しさを、堀田さんは心のアンテナが震えるがままにあの手この手で称え続けています。

ウルトラマリンやターコイズブルーほか、様々な色を駆使してクリスタルに絵付けしていく作業の様子は、実際に見学させてもらうことも相談可能なようなので覚えておきましょう。
そもそもが繊細な輝きを見せるスワロフスキー。そこへ線描と色彩が新たな命を吹き込む一連のようすを目の当たりにすれば、作品として世に出回る完成物の背後に必ず居る「作家」というひとの存在を改めて実感するはず。
そもそもが繊細な輝きを見せるスワロフスキー。そこへ線描と色彩が新たな命を吹き込む一連のようすを目の当たりにすれば、作品として世に出回る完成物の背後に必ず居る「作家」というひとの存在を改めて実感するはず。


デザインよりもっと具体的で、そこに小さくとも確かな世界があるものを身に着けるということ。
病院の待合室で退屈しのぎに絵画を眺めたり、美術館に行ってあの作品を見てこよう、というような「遠くにありて思ふもの」的距離感よりもっと近く、もはやアートが日常そのものの一部として機能していてほしいというのが、堀田さんの望みなのです。
(文:古谷大典)
(写真:奥陽子)
病院の待合室で退屈しのぎに絵画を眺めたり、美術館に行ってあの作品を見てこよう、というような「遠くにありて思ふもの」的距離感よりもっと近く、もはやアートが日常そのものの一部として機能していてほしいというのが、堀田さんの望みなのです。
(文:古谷大典)
(写真:奥陽子)
AChristal ART 南千住 ショップ&工房(クリスタルアート)
- 住所
- 東京都荒川区南千住2-22-1
- 電話番号
- 03-3801-2181
- 営業時間
- 11:00~18:30
- 定休日
- 月曜日・水曜日
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