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下町のお惣菜屋さんのシズルが、望みうる限りめいっぱい | とりふじ

good mornings

公開日 2019年8月28日

昭和50年代の下町商店街の雰囲気を如実に今に残す商店街・ジョイフル三の輪。お惣菜やさんの定番「とりふじ」には今日もまた数多くの地元っ子が立ち寄ります。

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この界隈、都電を降り立った瞬間の雰囲気がすでに何かいい塩梅です。

人混みというほどの騒々しさもなく、どこか無理に仕立てられたような演出も皆無の、量・質ともにあくまで自然体の賑わい。
1978年に誕生した商店街・ジョイフル三の輪の美点は、その当時とほぼ変わらない、実によく保たれた「商店街のお買い物」的光景があるということ。無菌室からは生まれようもない店頭看板のイラストや色遣い。商店街という一本筋の太い幹から小さく枝分かれした路地にも、住まう人・通りゆく人の影があるというか、人間くさい生活の気配がそこには漂っています。

近所のおばちゃんを目にすればすかさず「やぁどうも」と。表面的な時代の流行り廃りに惑わされることなく、ただひたすらに心通う売り買いの営みだけが、全長420メートルにもなるアーケードの下の方々で、きょうもまた。
足すべき用事はさまざまあれど、きょうあすのごはんこそは万人の一大事。一日三度の食事はなるべくおいしく、そして豊かでありたいもの。仕事や勉強に忙しくとも、献立のバリエーションが乏しくなりがちな独身世帯でもその願いに変わりはないわけで、そんなときこそお惣菜屋さんの出番。

犬も歩けばというほどおかず系のお店が豊富なこのアーケード内で、ひときわシズルしたたるお店がこの「とりふじ」です。店頭に並ぶは、黄金色に照り映えるとりもも肉。調理時の煙まるごと頬張りたいつくねにねぎま。カラコロ音を立てては手際よく揚がってくるナスのはさみ揚げとかピーマンの肉詰めも。

海鮮焼きやサラダものも含め、種類は常時70から80をも数えるという抜群にジューシーな布陣で、それらは目に迫りくるのです。

ザクリかじるとその中身は。「半熟たまごメンチかつ」

昨年カンヌでパルムドールを受賞した映画『万引き家族』のワンシーンでも、ここのおかずは世界各地のスクリーンに堂々と大写しされたわけで、名実ともに輝かしいその姿を前に、誰しもうずくような思いで食指が動いたはず。全世界がおなかをすかせた。

一度に各商品すべて制覇するだけの胃のキャパを持ち合わせていないのが、悔やまれます。
心奪われまさしくとりこ、なこのお店の始まりは純粋な鶏肉屋さん。この商店街ができるさらにその前の1960年頃に立ち上がり、ほどなくしてお肉そのものだけでなく唐揚げも店頭に並べるように。惣菜レパートリーは年を追うごとに充実の一途をたどり、70年代には現在の姿を見るに至ったようです。

おじいちゃんが店頭に立つそのかたわらで、優しいたれ目のにわとりロゴをお絵描きしたりしていた張替(はりがえ)一弘さんも、今やジョイフル三の輪の常任理事。大正時代から栄えていたというこの界隈、この商店街のいま・これからを率先してつくる大役を担っています。
商店街の元気なまちは、顔を合わせるもの同士が互いに助け合う、人間味のあるまち。お店どうし、近所で仕入れられるものはすすんで利用する。互いの人となりによく通じた大人たちの目が行き届いていればこそ、子どもの異変や不審者の存在にもすぐに気が付ける。

目には見えない、この地域に根を張る人と人とのつながりが確かにあります。
頭上を長く走るアーケードがこのほどきれいに改修されたのも、まちを想う者同士、その発展のために9千万もの資金をかける価値があると合意形成できたから。

商店街のいわばトレードマークの上を歩けるように整備されたとあって、イベントの時などはここでどんなお楽しみが待っているのか、特に子どもは楽しみでしょうがないはず。

登った先は、家並みに混ざって背高スカイツリーも。

ペンキで屋根塗る人たち。こんな日常の1ページ。

都電がやさしいテンポでガタンゴトン聞かせるその中を、店頭でひと口はむっと。

燻製みたいにシブくかおる下町をその場で心おきなくほおばるよろこびは、そうどこにも転がっているものではありません。
(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)

とりふじ

住所
東京都荒川区南千住1-30-8
電話番号
03-3801-3809
営業時間
9:00~19:00
定休日
月曜
平均予算
[夜]~¥999 [昼]~¥999
最終更新日:2019.9.17
データ提供:食べログ
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。

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