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川ながれ色みずみずしい染めの里の、更紗型染め体験 | 二葉苑

good mornings

公開日 2019年10月6日

東京の伝統工芸と聞けば山手線の東側が連想されるところですが、実は新宿区落合にも。江戸染色の工房・二葉苑では広く一般に向けて染め物体験の機会が設けられています。

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妙正寺川と神田川、二つの河川が落ち合うから「落合」、と。

江戸期の染色産業の一大メッカ・神田紺屋町の職人達が、明治・大正期になってより澄んだ水を求めて移ってきたというこの界隈。今なお16件もの染め工場があると聞けば、東京都新宿区に居ながらにしてデジャブ的な里ごころすら芽生えてきます。
川をすぐ背に職人が日々染色作業にいそしむここ二葉苑では、その営みについて実体験を通して知る機会が豊富に設けられています。

江戸更紗(さらさ)や江戸小紋といった彩色豊かで複雑な図柄を大量生産する技術を開発することで、贅沢を禁ずる幕府の統制下でも装いにこだわりたい武士・町人のニーズに応えてみせた当時の職人たち。体験で工程を理解しながら目の当たりにするその色味や模様の見事さには、故人の気概にまで触れた気がしてきます。
毎週水・土にここで開催される「更紗(さらさ)型染め染色体験」は、まっさらなテーブルセンターに、絵柄に沿ってところどころ穴が空いた型紙をあてがい、その上からはけを走らせ穴の部分に色をつけるのを繰り返すことで、最終的に一つの絵柄を完成させるというもの。
青、赤、黄、紫などの7つの色、および各色に含ませる水分量を変えて濃い・淡いの2種を使い分けることで計14種もの色味を用意。そしてそのそれぞれに対応する”絵柄は同一で空いている穴の箇所だけが異なる”型紙14枚を順次入れ替えては、はけで着色する。そういう工程をたどります。
型紙に空けられた穴のかたちは花、葉っぱ、背景部分、という単純なパーツの区別に収まらず、より繊細な配色センスに基づき14枚が切り分けられているのが、ひとつの芸の細かさ。

しかも。濃い青用の型紙、薄い青用の型紙、同じ青用の型紙同士でも、穴あき部分を絶妙にダブらせることで色が二重に乗る箇所が現れ、それらが図柄の花弁や茎への光の当たり具合などという立体的な表現に生かされているというから驚きです。
手始めに薄い緑 → 濃い緑。次には薄い橙 → 濃い橙。型紙をあてがっては、はけを走らせ、また別の型紙に変えて、を繰り返すのです。肘から下を使いはけを走らせているだけなのに、結果、立体的な絵が立ち上ってくるというのは体感としてちょっと不思議。
一色また一色と回を重ねるごとに色味と模様がだんだんとリッチに。インドに起源を持つ更紗(さらさ)模様のオリエンタルテイストが次第にあらわになります。
こうして全14回、型紙を変えてはけを走らせ終えたならひと段落。これを専用の蒸し器にかけ、100℃の温度の中を15分置くことで色が布地に定着したら完成です。
教えてくれる職人さんいわく、出来上がったものには確かにそのひとの人柄・個性が出るというので、そこのところもお楽しみに。はけを動かすアクションひとつ、そこににじみ出るあなたは果たしてどんな姿をしているのか。

素材や手法について古くは室町以来変わらない部分もあるという、この脈々と続く職人の知恵と技術。そこに自分の足跡(というか手跡)も載せて一つのかたちにすることができるこんな体験が、材料費含め税込2,900円です。
(文:古谷大典)
(写真:奥陽子)

二葉苑

住所
東京都新宿区上落合2-3-6
電話番号
03-3368-8133
営業時間
11:00~17:00
定休日
日曜日・月曜日
最終更新日:2019.9.30
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。