ちくわ。 おでかけ情報

創業93年、「あなたの町の酒蔵」として | モリタヤ酒店

good mornings

公開日 2019年11月11日

荒川区は南千住六丁目、観光客が足を延ばしにくい商店街にあるモリタヤ酒店。小さな角打スペースも併設し、日本全国の名酒が取り揃えられたこのお店は、地域住民どうしのつながりが場の空気から感じられるのが、あぁなんと素敵なのでしょう。

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東京さくらトラム(都電荒川線)の「荒川区役所前」の停留所から歩くこと7、8分ほど。

観光客の訪れるべき場所として特にマークされてもいない南千住六丁目の商店街にある、モリタヤ酒店。ここは、目には見えない人と人との心の通いあいがバシバシと目撃できては、しみじみした思いにひたることを禁じ得ない、すてきなお店です。
店頭の看板にある「あなたの町の酒蔵」のひとこと、それにお店のホームページにある「『笑顔あふれる食卓』のお手伝い」とか、場合によっては軽薄な、歯が浮くような台詞と受け取られかねないこれらの言葉が、このお店では本当に、そのありのままを意味しているのです。
ここに住まい・暮らすあの人この人のしあわせなひとときを、全国各地から取り揃えたよいお酒とともに彩ってきたお店としての歴史がなんと93年(since 1926)。

途方もない長い時間を経てこそ醸成される「思いやりオーラ」のようなものが、このお店ではごく優しく渦巻いているような気もしてくるのですが、気のせいではないと思います。
場に横たわる歴史の重みも人間愛も、仲むつまじく店を切り盛りする高橋淳(あつし)さん&絵里子さん夫妻がいてこそ、きっと。絵里子さんの父にして店主である「しげちゃん」こと繁さん含め3人によって、今お店は営まれています。

淳さんは日中、スクーターに乗ってお客さんの家へと配達に出かけることもしばしば。こういう時それに先立ちかかってくる電話越しの「いま、何か良いのある?」に返事する語り口がまた。ふさわしいと考える一本のボトルの方を見やりながら、その味わいのニュアンスを伝えようと言葉をちょっと選びながら話すあたり、実にハートフルでたまりません。男女問わず、目撃者ならみな惚れてしまう瞬間であります。
実際、その優しさに惚れてしまったはずの絵里子さんはというと、こちらもまた、POPの手書き文字のひと文字ひと文字に、当たり前のように気持ちがこもっているのがみとめられます。ていねいさと、やさしさ。

つまりは、並ぶ商品の種類の数だけ、そこに書き添えられた愛も見つかる、そんな店内なのです。

「今年で○歳」とあるけど、それってわざわざ毎年書き換えてるってことじゃないの!

商品としては、お酒の他にいぶり漬大根とか缶つまなどのおつまみ類、それに例えば日本酒の発酵が始まる直前のもの(酵母を入れると発酵がはじまり日本酒になってゆく)、つまりアルコール飲料ではない「米(まい)ぐると」なんていう変わり種も。

盛りだくさんというのではないけど、ちょっと気になるものを見つけては「おっ」となること、しばしばです。
ユニークなことに、酒店の正面に向かってすぐ左どなりには倉庫を改装して作ったというこぢんまりした角打スペースも設けられていて、夕方六時を回る頃にもなれば、扉をガラガラと開けちょっとたむろするような感覚で一杯、二杯飲んでいくご近所さんの姿がちらほら。
「それはさ、ほら、冷蔵庫のつもりで(利用している)」とか、さり気なく言う常連さんの粋なこと。7,8人も入ればいっぱいになるコンパクトさの中、老いも若きも四歳児にもやさしい夜の時間をちょっと楽しんでから、家に帰り、床に就く。そんな素晴らしきかな、南千住の夜。

酒店のレジと背中合わせになったカウンターから覗く淳さんや絵里子さん、今宵のしあわせ、あなた様のおかげです。
(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)

モリタヤ酒店

住所
東京都荒川区南千住6-17-5
電話番号
03-3805-2805
営業時間
10:00~21:00
定休日
不定休
平均予算
[昼]¥1,000~¥1,999
最終更新日:2019.12.9
データ提供:食べログ
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