ちくわ。 おでかけ情報

シーリングスタンプも羽ペンも。中世イタリア文具が高級雑貨のごとくロマン香る「ジョヴァンニ」

good mornings

公開日 2019年12月27日

ここは文房具店。とはいっても普通のお店とは違い、イタリアの街角に見られるような、西洋の古典的な書斎空間で使われるものばかりが揃うお店。日本国内でもごく珍しい希少な空間です。

吉祥寺駅
カテゴリ
デート
一人で
友達と一緒
体験・ショッピング
街を知る
吉祥寺駅を出て西側の小さな路地・中道(なかみち)通りに並ぶ店構えは、小規模ながら各自趣向の凝らされたものばかり。

背高くきらびやかなファサードが続く表参道とも違うけれど、センスの確かさでは引けをとらない店が行けども行けども絶えないという、実に誘惑の多い通りなのです。

ふらり足を踏み入れて損をしないのは、その奥の方に見つかるジョヴァンニ(Giovanni)にも言えること。
実用的な用途に特化した普通の文具店とは異なり、ここは雑貨店を見て回るときのような好奇心や憧れに近い気持ちで楽しめる、いってみれば書斎(とあえて呼びたい。)で使うモノ・書斎を飾るモノが揃うお店。それもイタリア式なのです。

ガラスペン。便箋。羊皮紙。羽ペン。革製のノート。シーリングスタンプ(手紙を収めた封筒の開け口に、熱した蝋にスタンプを押すことで封をする、というもの)。それにアンティークの切手や数百年前の手紙、それも純然たる私信のものがあったりと、いろいろ本格的で真に迫る品揃えです。

ガラスペンは持ち手の部分が色とりどりのベネチアンガラス。インク付き。

シーリングスタンプ。当時の貴族は自身が封をしたことを示すため、各自オリジナルのものを所有していた。

スタンプして封された手紙。ワックスの色味もこの通りいろいろ。

本物もレプリカも含め、古くは古代ローマにさかのぼるヨーロッパの伝統的な筆記用具類ばかり。このような文具店が実はイタリア各地にはあって、それは日本のような実用特化型の文具店と並ぶもう一つのスタイルとして確立しているというのです。

店内にはペンや紙のみならず、それらを以って生み出された知の産物へと思いを馳せたくなるようなものも沢山で、これまた本場イタリアにならったもの。当時の地球儀や日時計にはじまり、ガリレオもこれで月を観たのでは、という小さな望遠鏡とか、大航海時代に大西洋の海原に出た船乗りも携えていたであろう六分儀(ろくぶんぎ)とか。

こちら「アストロラーベ」は、きょうの日の入りの時間も、いま自分が立つ場所の緯度も、半年後のさそり座の位置までも教えてくれる、おそるべき機器。

魔女狩りが横行し錬金術が本気で研究されたそのむかしむかしのリアルな風俗までもがしのばれるモノまで。「聖水」だとか「賢者の石」だとか見れば見るほどいろいろあって、あやうく時空が歪んできかねません(笑)。

おとぎ話の世界だけではなかったのです。追憶のロマンに、限りなし。

右から順に、貴族用、貴婦人用、使用人用。いずれもホンモノの、舞踏会用の仮面。

悪魔が書いたという(!)「魔法の本」。ラテン語書籍。

お店を営むジョヴァンニ代表・高梨浩一さんは元大手雑貨店の文具バイヤー。旅先のフィレンツェでふと見つけた、まさにこの店にあるような文物を取り揃えた文房具店に感銘を受け、その後ほどなくしてこのお店を始めたようです。
日本ではごく珍しいこんな商品ラインナップに魅せられた常連客の中には、すっかりのめり込んだ挙句シーリングスタンプ専門の書籍を刊行するまでの専門家となった人も。そんな言うなれば「高梨チルドレン」を輩出している点にも、魅力の奥深さがうかがえるというもの。

高梨さん自身、その本では文章および写真からなるフィレンツェへの買い付けレポートを寄稿してもいます。
(文:古谷大典)
(写真:奥陽子)

Giovanni(ジョヴァンニ)

住所
東京都武蔵野市吉祥寺本町4-13-2
電話番号
0422-20-0171
営業時間
11:00〜20:00
定休日
水曜日
最終更新日:2019.12.20
大きな地図で見る

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。

同じスポットが紹介されている別の記事