吉祥寺をぶらついてもお寺の吉祥寺、見つかりません!
「なんてったって吉祥寺っていう名前だし。あの大きい街中のどこかにあるはず。たぶん井の頭公園にでも……」なんて思ったことのある人、少なくないのでは?
でも実はないのです。初めて東京を訪れる人などは特に、無駄足を食ってしまわぬよう注意が必要です。
お寺の吉祥寺の実際のありかのこと、また繁華街としての吉祥寺エリアに古くからある四つのお寺・「四軒寺(しけんでら)」について順に見ていきましょう。
でも実はないのです。初めて東京を訪れる人などは特に、無駄足を食ってしまわぬよう注意が必要です。
お寺の吉祥寺の実際のありかのこと、また繁華街としての吉祥寺エリアに古くからある四つのお寺・「四軒寺(しけんでら)」について順に見ていきましょう。
意外や意外。それは遠くかなたの文京区にあり / 吉祥寺
読み方は「きちじょうじ」とも「きっしょうじ」とも。東京有数の大人気タウン・吉祥寺の地名のもとになっているこのお寺、実はなんと文京区本駒込にあります。
もとは水道橋のあたりに境内があったものの、江戸時代に明暦の大火で焼失。当のお寺自体は新しい境内をここ本駒込の地に定めた一方で、その門前町の住民はというと、幕府の意向により現在繁華街がある吉祥寺の辺りに新天地を切り拓いた、という経緯があるのです。
もとは水道橋のあたりに境内があったものの、江戸時代に明暦の大火で焼失。当のお寺自体は新しい境内をここ本駒込の地に定めた一方で、その門前町の住民はというと、幕府の意向により現在繁華街がある吉祥寺の辺りに新天地を切り拓いた、という経緯があるのです。
お寺とは離れ離れになってはしまったけど、自分たちのルーツを大切に「吉祥寺」という地名だけは引き継いだという、ちょっとウルっとくるストーリー。
方やお寺の方は移転先の本駒込でも境内は広く、山門も都心エリアなのに結構大きくご立派。かつて水道橋時代に住民の心のよりどころとなっていたのも、なるほどです。
方やお寺の方は移転先の本駒込でも境内は広く、山門も都心エリアなのに結構大きくご立派。かつて水道橋時代に住民の心のよりどころとなっていたのも、なるほどです。
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「四軒寺」その1 / 光専寺
ところ変わって武蔵野市。吉祥寺駅の北口繁華街が終わる辺りに四つのお寺が隣り合って境内を構えていて、昔からこれらは総称して「四軒寺」(しけんでら)と呼ばれています。
ここ光専寺は浄土宗のお寺。山門に至る参道や壁がちょっと雰囲気を感じさせます。境内では「箪笥地蔵」のお姿を、ぜひ。
ここ光専寺は浄土宗のお寺。山門に至る参道や壁がちょっと雰囲気を感じさせます。境内では「箪笥地蔵」のお姿を、ぜひ。
ちなみに山門ではこの字にもぜひ注目を。「専」「寺」の字がひらがなっぽくて妙にプリティではありませんか。
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「四軒寺」その2 / 月窓寺
1659年、この辺りに村が開かれたのと同時に開山した曹洞宗のお寺です。
境内は吉祥寺繁華街でも有数の長さを誇るサンロード商店街と隣り合わせ。だから東側の敷地の境の方では、賑やかな俗世の光景がちらちらと伺えます。商店街の繁栄をいつもすぐそばで見届けてくれているのです。
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「四軒寺」その3 / 蓮乗寺
こちらは日蓮宗のお寺。堂々として立派な本堂の前には日蓮上人の像がおあすので、ぜひその霊験にあやかりましょう。
日蓮上人のお顔はもっと険しいことも多いですが、こちらではわりと穏やか系でいらっしゃいます。南無妙〜。
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「四軒寺」その4 / 安養寺
こちらは真言宗のお寺。門前の庚申供養塔や六地蔵の存在もお忘れなく。
境内には梵鐘があって、大晦日には除夜の鐘をつく人で賑わいます。またその表面に刻まれた文の内容から、江戸時代に武蔵野地域にこのようなものを作れる職人・鋳物師(いもじ)もいたこともわかっており、そんな資料的価値もあるものなのです。
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吉祥寺に、吉祥寺ナシ
というわけで、吉祥寺の街において有名なお寺といえば、通称「四軒寺」と呼ばれる四つなのであって、吉祥寺にお参りするなら遠く文京区へ、ということになるのです。わかりましたね……。
なにはともあれ、とても意外で興味深いつながりです。
なにはともあれ、とても意外で興味深いつながりです。
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