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1日約20本から選べる、迫力満点の逃避行。 実験的な挑戦が詰まった町の映画館|アップリンク吉祥寺

good mornings

公開日 2020年2月5日

スマホでも映画が観られるこのご時世に、多くのお客さんで賑わいをみせる「アップリンク吉祥寺」。館内5つのスクリーンでは、毎日20本前後もの映画が上映されています。ふらっと本屋に行って面白そうな本を物色するように、なんとなく映画を探しに足が向かってしまう場所。そこにはいつも思いがけない運命の出会いが待っています。

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カルチャー好きが集う「吉祥寺」は、近年"映画の街"としても注目を集めています。最近では1日かけて個性豊かな3つの映画館をハシゴする、ゆる〜い休日を楽しみにわざわざ町へ遊びにくる人も珍しくないのだとか。

今回ご紹介するのは多くの映画ファンで賑わう奥渋谷のミニシアター「アップリンク渋谷」の新たな拠点としてオープンした「アップリンク吉祥寺」。吉祥寺の文化的拠点として長く町に愛されてきた「バウスシアター」なきあと、悲しみに暮れていた吉祥寺映画ファンの救世主的存在として2018年12月、彗星のごとく現れました。

あえて説明は最小限に、デザイン性を重視した館内。

アップリンクが大事にしているDerek Jarmanの作品『BLUE』をモチーフにした青いトンネル。

映画館があるのは吉祥寺パルコの地下2階。エスカレーターで降りてすぐ、矢印が指す左手の青いトンネルを突き進むとスペイシーなロビーに到着します。東京をイメージしたという障子とミラーボールに円板型の照明。ただこの場に訪れてみるだけでもワクワクが止まりません! 吉祥寺という土地柄もあって、館内は平日の午前中から地元のお客さんで賑わっています。
通常の映画館ではチケットを持っている人以外、受付より先へは進めない構造になっていることが一般的。ですが、ここアップリンク吉祥寺では映画館全体を自由に回遊できる仕組みになっているため、ただ雰囲気を楽しみに訪れてみることも可能です。館内は非日常感満載で、お客さんの"映画館に映画を観にきた特別感"もより一層高めてくれるはず。

そして、地味に嬉しいのが館内のあちこちに設置されているたくさんのベンチ。映画が始まる前のちょっとした待ち時間や、観たあと少し余韻に浸りたいときにも重宝する心落ち着くスポットです。

映画館の一角にある壁面ギャラリーには、写真家・田淵三菜さんの作品を展示。

映画好きならば必見! カルチャー系のイベントチラシを多数常設。

上映作品数は1日になんと20本前後! まるで遊園地のアトラクションのように多様性を持った作品群が上映されています。実験映画やインディーズ作品、アート系などコアなTHE・アップリンクテイストから、過去に話題になったメジャー作品、子供連れでも楽しめる仮面ライダーまで、老若男女誰がきても楽しめるセレクト。上映作品はお客さんの趣向に合わせて日々研究に研究を重ねて厳選しているため、どれもばっちり信頼が置けるもの。上映作品によってはDVD化もネット配信もされていない、貴重な映画も珍しくないのだとか。

長い廊下にはずらっと上映作品の案内が。アップリンク吉祥寺ではエンタメ作品よりも少し社会派系やアート系の作品が人気。

2020年2月7日(金)公開予定!『リトル・ミス・サンシャイン』のプロデューサーが贈る、レスラーを夢見る青年と孤独な漁師の特別な旅を描いた奇跡の映画『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』

ファッションビルの1フロアにもかかわらずスクリーンは5つも完備。規模は29席〜最大で98席。画一的なシネコンとは異なり、それぞれ"色"をコンセプトに設けたユニークな仕上がりです。天井は高く、映写室をなくしたことで客席は広々と。ミニシアターでありながら想像のはるか上をいく居心地の良さで、ゆったりと映画に没頭することができます。

支配人のおすすめはホームシアターのようで体験としては新しい、1番小さなスクリーン5。イギリスのウイリアム・モリスの壁紙にストライプのオリジナル座席がかわいい。

さらに注目したいのが生音かと疑うほどに心地のいい「音」。国内屈指の音響メーカー「田口音響研究所」が開発した平面スピーカーは、非常に薄く作られていてこれも客席部分を広く使えた理由。それでいてクオリティも最高というのが驚きで、以前『ROMA/ローマ』を上映した際にはお客さんから「客席に鳥が入ってきたのかと思った! 」という驚きの声をいただけたほど。静かな会話の声や足音、自然環境音などは特に聞き所のひとつです。
食にまつわる多くの映画を配給しているアップリンクでは、映画のお供に欠かせないドリンク・フードメニューにもこだわりが。ドリンクは100年前のレシピをもとに作る絶品クラフトコーラや、三鷹・吉祥寺の地元産クラフトビール「OGABREWING」に、ワインもナチュラルワインをセレクト。フードはバターのきいたスタンダードなポップコーンや、肉感のあるKODAMAのホットドッグもおすすめです♪

左から自家製辛口ジンジャーエール(¥580)、ポップコーン単品M(¥380)、伊良コーラ(¥580)

映画鑑賞プラスαの体験が目白押しのアップリンク吉祥寺。こだわりの詰まったショップやギャラリーからも十分感じられるように、"作品の背景を伝えること"には特に力を入れているそう。その最たる例といえるのが、監督や役者陣を呼んだトークショーの開催。作り手に触れられる機会が多いというのもここでわざわざ映画を観たくなる理由のひとつです。

ショップでは映画パンフレットをはじめグッズ販売も充実。なかには上映作品にまつわるビンテージの食器やお酒もあったり。

ショップでは色使いのかわいいオリジナルアイテムも多数販売。

取材日に上映中だった『ドルフィン・マン~ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ』の写真展。

「例えばここに映画を観に来た学生さんが偶然聞いたトークショーで映画監督を目指そうと決めて、めでたくその子のデビュー作がアップリンクで上映。当時のことを思い出して涙する、みたいな。そんな熱い体験が届けられる町の映画館になれたら最高です。これは個人的な私の夢ですが(笑)」。そんな心温まる未来を語ってくださった、ハートフルなお人柄の支配人・石井雅之さん。この時代だからこそ、映画を映画館でみることはよりスペシャルになったと続けた。「映画館の映画は2時間なら2時間、一度スタートしたら止まりませんよね。それって不自由だけどとても贅沢。大きい音に大きいスクリーンはやっぱり迫力満点だし、知らない他者と映画を共有できるのも映画館でしか味わえない体験。周りの反応で場内が一体になったときは、なんともいえない感動に胸がいっぱいになったり。純粋にスクリーンで観たいと思わせる力が映画館には必ずあると思います」。

アップリンク吉祥寺で支配人・番組編成を務める石井雅之さん。

(文・北居る奈)
(写真・北浦汐見)

アップリンク吉祥寺(UPLINK )

住所
東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目5-1 パルコ地下2階
電話番号
0422-66-5042
最終更新日:2020.1.31
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