ルック商店街やパル商店街はじめ、駅南口で見つかる各種専門店の数は近年なおも充実の一途をたどっているようで、ますます目が離せません。

華やかなりし20世紀アメリカの、ミッドセンチュリーモダンへの夢が膨らむ豊富なラインナップを前に、この手のものが好きな人ならデジャブ込みの懐かしさや憧れにめいっぱい浸りつつ、店内をめぐることになるはずです。


ファイヤーキングといえば。定番色、ジェダイ。

洗濯物みたいに吊り下がる手書きのPOP。いわく、同じファイヤーキングでも生産年代により底面のロゴに細かな差異が見られるという。

他にはない圧巻の量でもって、色や模様ふくめ様々な美のカタチに魅せられてしまっては、初めてここを訪れるファイヤーキングファンの人など、感想としての言葉がちょっと見当たらなさそう。

「ヘーゼルアトラス」や「パイレックス」など、ファイヤーキング以外のミルクガラス製品も。

カラーリングや縁取りといいファンシーな「マクベス・エバンス」。1930年代の代表的グラスウェアメーカー。
毎月およそ1,000点もの量を仕入れ、店内に常時5,000点もの商品が並ぶこのお店のファイヤーキングのコレクションは国内はおろか世界でも随一ではと目されるほど。「探すながらココが一番」と国内外を問わず多くの人から熱いまなざしを受ける店長の井川さん一同、その期待に応え続けられるよう年数回のペースでアメリカに買い付けの旅に出てもいます。
あるときは注目のアンティークマーケットに足を運ぶべくカリフォルニアへ。またあるときは同ブランドを手がけるアンカーホッキング社の本社があるオハイオへ。

井川さんはファイヤーキング関連の雑誌や書籍の監修、また買い付け紀行などの寄稿も。

スポーツチームのロゴもキャラクターも、往々にしてデザインが今のとは少し、あるいは全然違うものだったりして不意にレトロ懐かしくなってしまいます。

時代を追うごとに変化するミッキーの目。

かたや2万5千円(右)、かたや16万円(左。ピッツバーグ店のみで配られていたもの)。これらもファイヤーキング。
純粋に「食卓に華を添えたい」「生活雑貨全般が好き」という人だけではなく、今や日本人の誰もが知るアメリカ的アイコンとの意外な出会いもあったり、店内ではあらゆる人にとって何かしら琴線に引っかかる体験が待っていることと思います。
(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)