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お弁当の中には、商店会のお店の食材が色々。「まいど扇町」で地域はまわるよ

good mornings

公開日 2020年3月26日

小田原市扇町にあるこの“コミュニティーショップ”に並ぶのは、月を通してこんだてが毎日異なる手作り弁当。魚や野菜類といった食材にはじまり店頭看板や厨房用品など多岐にわたって地元商店会のもてる力が発揮されています。

エリア
小田原
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街の中心部から2、3キロ北東に位置する小田原市扇町(おうぎちょう)。大山阿夫利神社へと至る甲州道が通り、そのかたわらでこんこんと湧き出る「延命水」が、健康を願う民の喉もとを古来より潤してきたまち。

通りに商家が数多く並ぶ光景も古くは戦国時代にまでさかのぼるというから、歴史があります。

蛇口もついたありがたき「延命水」。毎日のお米やコーヒーもこれでおいしく。

時代が時代なので往年の商店街の活気が失われて久しいのはこことて同じ。製麺所があり化粧品店があり地銀の支店があったあの頃と違い、今やすっかり増えたしもた屋。近所同士の会話も当然、乏しくなる一方。

親や祖父母世代の頃にはまだ盤石だった地域のつながりよカムバック、との思いで2012年、扇町商工振興会が立ち上げた「まいど扇町」はそんな地域にあって貴重な、ひとの輪が花咲く現場。昼どきを迎えると近隣の工場やお店で働く人、住まう人が献立豊富で家庭的な弁当を求めここにやってきては、その売り買いついでに気心の知れたもの同士ハートのこもった言葉も少しばかり、交わしていくのです。

黒い容器の日替わり弁当600円。赤い容器のキッズ弁当も。

実態を知ってなるほど納得の “コミュニティーショップ”

店内厨房で手作りされるお弁当がお目見えするのは、平日11時から完売するおよそ14時頃までの間。食材も地域の魚屋さん、八百屋さん、スーパーなど扇町商工振興会の会員企業の食材が用いられています。

可能な限り冷凍食品は使わない。作る個数もなるべく売れ残りが生じないよう気をつけながら。梅干しの種がキライというなじみの誰それさんから予約が入ったら、一個だけ種を抜いておく。心の通った手作り感というのはもちろん、勝手知ったる仲ならではの個別対応もまま見られるあたりが、さすがの地域密着店です。
またその献立のバリエーションといったら学校給食のようで、ひと月を通して毎日違うのです。毎日2つ用意されるメインのおかずが、例えばこんな具合に日々変化↓

3/9(月) 
A:油淋鶏、B:魚の茸あんかけ。
共にジャーマンポテトつき。

3/10(火) 
A:豚肉キクラゲの炒め物、B:魚のホイル焼き。
共にカリフラワーと野菜のマリネつき。

3/11(水) 
A:生姜焼、B:とり肉のつくね。
共に人参と高野豆腐の煮物つき。

3/12(木) 
A:和風ハンバーグ、B:魚のみそ漬け。
共にもやしと人参のナムルつき。

3/13(金) 
A:手羽元甘辛煮、B:とんかつ 。
共にポテトサラダつき。
上記A・Bいずれかを選んだ上でおひたしなどのサブおかず数点、アンド白いごはんが一つの容器に詰まったのが「日替わり弁当」(税込600円)。別途オプションで月曜ならからあげ、火曜なら焼豚と、曜日ごとに異なるお惣菜をつけることも出来ます。

その上イートイン席もあって、ここでご馳走になる場合には江戸時代から近所にある蔵元直売の味噌を使ったお味噌汁をサービス。その具も「とき卵と三つ葉」とか、やはりしごく家庭的なもの。この他、地域の独居高齢者用の弁当を手がけていたりもします。
現場にも時折立ちつつ運営を取りまとめる岩瀬和江さんは、立ち上げに始まり一昨年前に病気で亡くなるまで店づくりを主導した扇町商工振興会会長(当時)・岩瀬勇人さんの奥さん。目に見えて確かなつながりがある地域でありたい。あってほしい。旦那さんが抱いていたのと変わらぬ想いを胸に、日々奮闘しています。

厨房での調理ほかを担当してくれるパートさんの管理。みんなで頭を突き合わせての献立考案。内容が確定したらタイミングをみつつ食材を適宜発注することも必要です。魚介なら通りを挟んで向かい、右手に数分歩いたところの「魚浜」さん、野菜なら「八百吉」さんや「小田原百貨店」さん、古くなった厨房の鍋を新調するときも“小田原のかっぱ橋”を掲げる「しんせつ」さんを頼りに。

「魚浜」のおやじさん。元気はつらつな70歳。

ここでは鍋など厨房用品のほか、包丁を研いでもらうことも。

そんなわけでみんなのお腹においしく収まっては生きる活力となってくれる「まいど」のお弁当は、彼女のはたらきかけを端緒にして、地域のあの人・この人・その人の持つ力がいろいろ組みあわさった、美味なる結晶なのです。

このほか、わずか650円分以上のお代で車配達OKとしていたり、大雪などで外出が難しくなった高齢者などを対象に卵1パック、牛乳、豆腐などとリクエストに応じた買い物代行(「生活サポート」)を担っていたり。地域的なつながりを廃れさせてはいけないという使命感のもと、このコミュニティーショップはおよそ8年にわたり地域的つながりにとっての大切な柱であり続けています。

左足のみが地面につく、足下(あしさげ)不動尊。毎年1月24日、8月24日に境内脇で行う縁日では、「まいど」も焼き鳥屋台などを出店。

振興会から拠出される補助金に助けられつつという状況ではあるけど、日々、ふと顔が合っては心かよわせられるのを日常としていることそのものは紛れもない成果。地域として、より関わりあい、より互助精神を高めていけることを岩瀬さんは願っています。

(文:古谷大典)
(写真:奥陽子)

まいど扇町

住所
神奈川県小田原市扇町2-30-16
電話番号
0465-20-3969
営業時間
11:15~17:00
定休日
日曜日・祝日
最終更新日:2020.4.10
データ提供:食べログ
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。