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練りもの・見るモノ、じわっとよい味。「小田原おでん本店」で風流なひとときを

good mornings

公開日 2020年4月5日

軒先で揺らぐちょうちんが目印のこのお店では、市民から募ったオリジナルも含め多数のおでん種を味わう楽しみが待っています。素晴らしくまとめ上げられた空間美の数々といい、充実の食体験です。

エリア
小田原
小田原駅
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かまぼこほか練り物の本場・小田原は、それらを種にしたおでんもまた美味。

青物町の交差点から東へ200メートル進んだところにある小田原おでん本店は、数あるおでん種の味わいはもちろん、視覚的な美しさ、居心地などトータルな食体験が素晴らしく、小田原で過ごす時間の最良のひとつがココにある、なんてお世辞なく言うことができそうです。

築およそ70年の住宅を改装して作られた店はガラガラと戸を開ければ細長く、そこには15名分のカウンター席、またそれに隣接して最大4名が入れる個室(ステラルーム)が。

店奥側から入り口方面への眺め。右手向こうがステラルーム。ほかガーデンルームまで。

平日昼から多数の人が訪れる盛況ぶり。しかし、鍋の前に陣取り煮加減に絶えず注意を払いつつも、逐次カウンター越しのお客さんひとりひとりへとハートのこもった声を投げかけ、希望のおでん種を聞き出す店主・露木一郎さんのホスピタリティにはブレがありません。

客との間でのそんなゴスペル的コール&レスポンス感といい、采配の冴えたそのMC(マスター・オブ・セレモニー)ぶりは頼もしく、お皿が目の前にやってくるときも無性に心躍るものを覚えるはずです。
しょうゆを使わず、鰹昆布だしと塩のみで味付けされるおでん鍋。そこに地域自慢の練り物や大根自体の味がいい具合に染みて醸し出される、その最良の頃合いが見極め・供されるのをここでは楽しみましょう。

下ゆでしたのち二日はかけてじっくりだしを吸わせるという大根。かたや練り物などはおよそ30分ほどでOK。まち自慢の12の老舗蒲鉾店がこのお店で供するためだけに作ったというベストマッチな種は、全てが一点あたり25g以下に揃えられ、その多様性をあれこれ堪能できるようになっています。

メニューのイラストも実は露木さんの手によるもの。画伯。

15年前のオープン当時17だった種(たね)の種類は今やランチで22、ディナーに至っては季節の野菜も豊富に加わりなんと45。

実は、オープンに先立つこと数年前から行われている4月の「小田原おでんサミット」、9月の「小田原おでん祭り」といったまちおこし施策の一環で、市民から公募しめでたく入選を果たしたおでん種がこれらのラインナップに逐次加わることでその層が年々厚くなっているのです。
こちら、お好みで選べる3品または5品からなる「小田原おでん盛り合わせ」。左から順に、

・大根(定番の本当においしいの)
・しらす団子(お団子の外にも中にもしらすが沢山)
・金目なると(ぷりっと歯ごたえ)、
・イカすみつみれ(色味に反してクセなし。安心)、
・えび天。(食感ふわり。えび風味)

こんな感じで盛り付けられたのを、知られざる小田原じまんの産品・梅を使った「梅みそ」、「わさび醤油」、「からし」の3種をお好みでつけながら頂くのです。

このほか牛すじにもぜひ寄り道を。白味噌にも関わらず4日間煮込むことでしっかり色濃くなったその味わい、ご飯やうどんともよく合います。
すべすべと触り心地よいカウンターが、実は近隣のかまぼこ製造所で使われていたケヤキのまな板(それもおよそ200年前にまでさかのぼるシロモノ)をそのまま利用していたり、露木さんの背中にある漆喰の壁が、おでんが食されて以来の500年の時の流れを地層の堆積で表現したものだったり。メニューのグランドデザインはおろか、この場で体験する心地良さの諸々が実はことごとく彼がこだわり抜いて作り、配し、まとめ上げたものであるのを知れば、これはちょっとした驚きでしょう。

19の頃に会社を立ち上げ舞台監督を手がけてきたという彼の手腕は、母屋以外でもビシバシと発揮されていて、中庭を隔てて向こう、茶室とはなれの2つの個室空間(ともに要事前予約)がまたとっておきの機会のために覚えておきたい素敵さ。

にじり口から覗く「茶室」。一日ひと組のみ利用可。

こちら「月の風音(ふね)」では、露木さん自らがバンド仲間とライブも。2ヶ月に一度のお楽しみ。

メニューの自作イラストがかわいくも味わい深い。かと思えばギターも奏で、七輪を使ってぐい呑を作り、縄文人の精神に触発されて自らも土器を作る。自分の可能性を見限ることなく、心のアンテナにピピッとくるがままに貪欲に手を出し続けては、結果、見事なものばかりつくってみせる、この西湘のダ・ヴィンチよ(拍手喝采)。

いっそ存分に楽しまないことには損するほどの小田原グルメが、ここにあります。

(文:古谷大典)
(写真:奥陽子)

小田原おでん本店

住所
神奈川県小田原市浜町3-11-30
電話番号
0465-20-0320
営業時間
[月〜金] 11:30〜14:00 16:00〜21:00 *平日月曜日はランチのみ営業 [土・日・祝] 11:30〜21:00 *但し、14:00~16:00までは おでん単品のオーダーとなります。
定休日
無休
平均予算
[夜]¥3,000~¥3,999 [昼]¥1,000~¥1,999
最終更新日:2020.8.9
データ提供:食べログ
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