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時を重ね90年の木桶で醸す、おいしさ実直の「いいちみそ」| 加藤兵太郎商店

good mornings

公開日 2020年4月19日

嘉永三年(1850年)から続く小田原の味噌蔵・加藤兵太郎(ひょうたろう)商店。「いいちみそ」ブランドで知られるその味わいは、設備の近代化をあえて推進せず昔ながらの製法を重視してきたからこそのものです。

エリア
小田原
足柄駅
五百羅漢駅
カテゴリ
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グルメ
小田原市は扇町(おうぎちょう)には、昔も昔、幕末の訪れを告げる黒船来航のさらに数年前にまでさかのぼる味噌蔵があります。驚くなかれSINCE1850の、加藤兵太郎(ひょうたろう)商店。

敷地内には樽からすくいとる量り売りも可能な蔵元直売所が併設されており、先々代の住まいでもあった家屋の軒先に設けられたその店構えからしてすでに香り高いのです。
「いいちみそ」のブランド名のもとに取り揃うこちらの味噌の種類は全部で8つ。白みそ、赤みそ、合わせ、糀こしといったスタンダード系のほか、生産量が限られた「長期熟成」、名前に旅ロマンただよう「箱根路」などもあるといった具合。

合わせを用いた「厚揚げとキノコの味噌炒め」、糀こしを用いた、酵素のはたらきで肉質柔らか&臭みもとれる「やわらかローストチキン」などお店オリジナルのレシピも手にとることが出来て、各種使いこなせば食卓も思いのほか豊かになりそう。
このほか麦こうじが甘く香り、しょうがやきゅうりのアクセントがご飯や納豆にもお似合いの「金山寺みそ」、おでんほか鍋物と一緒にいきたい「梅みそ」、焼肉や生野菜向きの「にんにく焼味噌」といった調理味噌の類もあって、ますますそそられるばかりです。

100グラム単位でお願いする量り売りには、昔ながらの人間くささの魅力。かたや個別包装商品の方は近年になってそのパッケージが順次モダンに刷新されている最中で、同社のまなざしは今・これからの時代を真正面から見据えているようです。

左から順に「梅みそ」「神奈川ブレンド」「白みそ」「糀こし」

いいちみその魅力はあくまでストレートな、心がじわり落ち着いてくるよな、味噌本来の味わい。これは代々伝わる製法を極力変えないようにという志あってのもので、蔵の7代目にあたる加藤篤さんもそこは日頃から強く意識しているところ。製造現場自体が非常に古く、日常的に繊細なケアやメンテナンスが欠かせないのです。

実働してかれこれ60年のこの木桶(さらにそれ以前も日本酒の蔵元で30年に渡り使用されていたということで、合算90年のはたらきもの!)が典型例で、現場の家屋や諸設備は全体的にその他の味噌蔵ではまず見られないような年季の入ったものばかり。

加藤篤さん。背にする木桶こそ自慢の味の源泉

味噌づくりは原料がシンプルに米・こうじ・大豆・塩・水のみとあって、木桶の、その色あせた木肌に棲みつく菌のはたらきこそが味の最重要ファクター。いいちみその味の特徴が、木桶の中、数ヶ月とか年単位の時間をかけて起こるミクロな化学反応に負うところ大で、何がどうして美味しくなるのか因数分解できるわけでもない現状では、今のあるがままを保つことがとても大切なのです。

ふつうの現場ならとうの昔にステンレスのタンクに切り替えられているはずのところが、このとおり木桶。またその運搬用の線路(鉄道と同一)も日々のオペレーションにおいていまだに現役なのも、生産性をある程度犠牲にしてでも現状の味にこだわり続けているから。店頭に並ぶ商品パッケージのモダンさとは対照的です。

味噌蔵の中、単線鉄道みたいな光景

大量生産品も含め、日本各地の大小さまざまな味噌蔵にはそれぞれの気候や水や製造方法等があって、それらが織りなす個性も当然、おのずと互いに異なってくるもの。この蔵で醸される味わいが持つ直球なベクトルもまた、その度を越したオールドスクール路線が功を奏した、全くもって他には代えがたいものです。

専門の認定協会の定める資格を持つ“みそソムリエ”として、いいちみその最新作「神奈川ブレンド」の開発者として、若旦那・篤さんが「おみそ汁で味わうのがいちばん」と自信を持ってすすめるその味わいを、ぜひいかがでしょう。
(文:古谷大典)
(写真:奥陽子)

加藤兵太郎商店

住所
神奈川県小田原市扇町5-15-6
電話番号
0465-34-7188
営業時間
10:00~18:00
定休日
日曜日・祝日
平均予算
[昼]¥1,000~¥1,999
最終更新日:2020.8.10
データ提供:食べログ
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