増え続ける世界人口を支えるだけの食糧が不足しかけている中、国連食糧農業機関(FAO)も「ぜひとも取り入れていこう」と推奨するくらいとあって、昆虫食は地球市民にとって今ぜひともかじっておきたい分野と言えます。


注:こちらの実店舗は実際には今お休み中。各商品はネットショップでのみ取り扱われています。
販売している商品は現在のところおよそ25種類。京野菜で育ったコオロギの煮干しとか、ナチュラルなのにすごく甘い香りのタガメサイダー、カイコやコオロギの昆虫ふりかけ、ゲンゴロウ、カブトムシ、サソリ、幼虫ミックスなど姿そのままの各種昆虫スナックほかいろいろ。
栄養価だけを考えれば粉末にするなどして虫の姿をさらさないようにすることもできる中、あえてそのカタチを残すことにより「虫を食べている」実感が得られやすい商品になっているものも多いです。

店長の三浦さん。来店者に虫の味わいをあれこれ教えてくれる伝道師

「京都こおろぎ」は味付けが塩のみというコオロギの煮干し。京野菜、また最後にはカモミールを食べさせているとあってナイスな香ばしさ。その70%がタンパク質で、腸内環境も良くするという
ゴツいルックスとは裏腹に、タガメの香りは一切のお世辞なく食べ頃の青リンゴかそれ以上のフルーティーなもの(!)。店舗には瓶詰めされただけのタガメもあって嗅げばなるほど昆虫食界の高級食材であることに納得するのですが、そんなタガメエキスがしっかり香るのがタガメサイダー。お店の一大プッシュアイテムです。

「タガメサイダー」(右)に、レモングラスとタピオカ、シロップ漬けのタガメを加えた「めっちゃタガメサイダー」(左のPOP)。後者は店舗のみでの提供なので、実店舗再開の時をお楽しみに
店長の三浦さんいわく「サソリはカツオのような風味」だとか「タランチュラはスルメみたい」だとか、魚に例えられることも多い各種昆虫の味わい。種類も多くこれらをひとつひとつ試してみるのは奥深い味覚の旅となりそうです。

上段にHARD BUG。下段にはふりかけ。ご飯用、焼きそば用、ラーメン用など

おつまみにちょうど良い、はちのこの焼き菓子
さかのぼれば、国内でも地域によってはイナゴ、カイコ、ザザ虫などが伝統的に食されてきたり、また漢方ではサソリやオケラが材料に用いられきた例も。この先、温故知新的な発展も期待できそう。


またHPではタガメラッシーなど意欲的なレシピも多数公開されており、このほど立ち上がったばかりのYouTubeチャンネルでもバターチキンカレーならぬバッタチキンカレーをつくる動画などが公開中。オンラインでもいろいろ仕掛けられているのがわかるでしょう。

日曜限定の「国産コオロギのペペロンチーノ」はプチプチとした食感が魅力。店舗再開の際にはぜひトライを
(文:古谷大典)
(写真:丸山智衣)