多数のお顔が集結 / 文士村レリーフ
大田区馬込、大森山王にかけての広い一帯には関東大震災後、大正末期から昭和初期にかけて文士や芸術家が多数住む文士村が成立していた一時期がありました。
小説家、劇作家、哲学者、詩人、木彫家などなど多分野にわたる面々がこの界隈を舞台に広く交流していたのです。
小説家、劇作家、哲学者、詩人、木彫家などなど多分野にわたる面々がこの界隈を舞台に広く交流していたのです。
坂も多めのこのまちではそんな過去の記憶を後世に伝えるために、解説つきの碑やプレートがそこかしこに見られ、また関連の記念館も複数あります。
文化の香り濃厚な当時の記憶を訪ねる記念館めぐり、というのもこの界隈ならではです。
文化の香り濃厚な当時の記憶を訪ねる記念館めぐり、というのもこの界隈ならではです。
いかんせん広いエリアでどこに何があるかわかりづらいですが、大森駅からもすぐの天祖神社の石垣ではこのようなインパクトあるレリーフが見られ、文士村のアイコン的な存在と言えます。駅近でアクセスのしやすさではピカイチ。
以下、エリアに点在する関連記念館を紹介しましょう。
以下、エリアに点在する関連記念館を紹介しましょう。
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彼がいてこそ文士村 / 尾崎士郎記念館
大森駅からのアクセスでいちばん近い記念館がこれ。妻の宇野千代とともに馬込に住み着き、多くの文士をここへ呼び寄せるなど文士村の中心人物だった小説家・尾崎士郎の家を復元した建物です。
書斎や客室、書庫、庭と入館無料で色々な展示を見ることができます。書斎もいい感じに生活感が出ていて、その人となりに親近感も湧いてきそう。
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徳富蘇峰ゆかりの / 山王草堂記念館
日本初の総合雑誌「国民の友」を世に出したジャーナリストの先駆け・徳富蘇峰の旧居が一部保存されてて、無料で入ることが可能です。ちなみにこの建物を取り囲む公園の名前自体が蘇峰公園。さすがです。
「山王草堂」とは蘇峰が名付けた旧居の名前。その内部では彼の書斎、蔵書や書籍がこの通り。生原稿やゆかりの品々もリアルで、ありし日の彼がしのばれます。
C山王草堂記念館
- 住所
- 東京都大田区山王1-41-21
- 電話番号
- 03-3778-1039
- 営業時間
- 9:00~16:30(入館は16:00まで)
- 定休日
- 年末年始、臨時休館日
- 平均予算
- 入館無料
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建物自体がタツノオトシゴのかたち / 龍子記念館
川端龍子(りゅうし。男性)は日本画の巨匠。上から見ると名前のとおりタツノオトシゴの形をしているという外観にも注目ですが、実は彼自身の設計によるものです。中では彼の見事な作品が展示されています。
なお道路を挟んで向かいには区立の龍子公園もあって、こちらでは旧居やアトリエなども展示。木々が茂る庭園にも風情が感じられるでしょう。
D龍子記念館
- 住所
- 東京都大田区中央4-2-1
- 電話番号
- 03-3772-0680
- 営業時間
- 9:00~16:30 (入館は16:00まで)
- 定休日
- 月曜(祝日の場合は翌日休)、年末年始、展示替えの期間
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かな書が見事な / 熊谷恒子記念館
かな書家の第一人者・熊谷恒子の旧居を改修してできた施設です。外観、内観ともに心がしゃんとしてくるような和のたたずまいを見せています。
こちらでもまた、彼女の作品のみならず書斎や遺品の数々を展示。気品あふれる彼女の作風の源泉を感じ取れるかもしれません。
E熊谷恒子記念館
- 住所
- 東京都大田区南馬込四丁目5番15号
- 電話番号
- 03-3773-0123
- 営業時間
- 9時から16時30分(入館は16時まで)
- 定休日
- 月曜(祝日は開館) 、年末年始、臨時休館あり
- 平均予算
- 入館料:大人100円、小人50円、65歳以上と5歳以下は無料
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ここにもアリ / 大田区立郷土博物館
名前の通り大田区の郷土や歴史に関わる博物館であり、ここも入館無料です。3階に文士村関連のコーナーが設けられていて、自筆原稿や遺品など20名ほどの文士の展示がなされています。
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カルチャーの余韻はフォーエバー
短期ではあっても、才能ゆたかな人物が多数集う文化的エリアがここに形成されたというのは、とてもレアなこと。一世紀近くも前に展開されたありし日の馬込の記憶が、今後も受け継がれていきますように……。
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