ちくわ。 おでかけ情報

二週に一度、保護猫たちとの出会いの場。「高円寺ニャンダラーズ」ねこ里親会

good mornings

公開日 2020年9月5日

非営利の動物ボランティア団体「高円寺ニャンダラーズ」。地元杉並を拠点に関東および近郊で活動を行う彼ら主催の里親会が、保護猫を家族として迎え入れたい、と事を決めたひと向けに隔週ペースで設けられています。

高円寺駅
カテゴリ
一人で
子供と一緒
友達と一緒
街を知る
猫がいる星に生まれて、よかった。

反則級にかわいい仕草や表情が、地球上のあらゆるニンゲンの心をわしづかみにして離さない猫ちゃん。しかし世の中というのはむずかしく、その突出して強い繁殖力が現代社会においてはかえって彼ら自身に難をもたらしている側面もあります。
生まれて半年で繁殖可能となり、時期を問わず交尾するタイミングで排卵が起きるため、妊娠も極めて確実。そうして産まれた子猫が生後2ヶ月で離乳するや母猫はまた次の発情期を迎え、かたや産まれた子猫もメスなら半年前後で繁殖可能な体に成長。猫は繁殖サイクルが非常に速いのが特徴です。

オス・メスのひとつがいからなる2匹が年二回、5匹ずつ出産したと仮定して、その数はわずか一年の間に約60匹も増えてしまうのです。
杉並区高円寺を拠点に関東および近郊でこのような猫たちを救うべくボランティアで活動に従事する、高円寺ニャンダラーズ。

コアメンバー・サポートメンバー合わせ10名ほどからなる彼らは、高円寺駅前商店街にある庚申文化会館で月二回のペースで里親会を開いており、家族として保護猫を迎え入れたいという人たちが、ここで猫たちとのお見合いをします。

アルコール消毒も、コロナ以前より徹底。諸々の衛生管理、感染症対策に注意が払われている

里親会に参加する猫は毎度20~30匹ほど。高円寺ニャンダラーズが現在保護している合計約130匹という頭数からすれば、その顔ぶれはほんの一部です。

飼い猫だったのに捨てられてしまったり、母猫から育児放棄されてしまったり。この猫たちが保護されるまでの間置かれていた状況やそのレスキュー活動において必要となる戦略もアクションも実にケースバイケース。

無事保護された猫には適切な食事、また地域で動物病院を営む顧問獣医師の指導に基づく的確な医療を受けさせ、そうしてコンディションが整った状態でこの里親会に登場する、という運びです。

猫が入ったケージの手前には、プロフィール。性別、性格、誕生日、ワクチン済みなど医療に関わる情報など

猫たちは、人慣れするまでにかかる時間から夢中になる遊び方まで、個々様々。そこを、あくまで猫のペースに合わせその個性に向き合いミッションを進めるのが高円寺ニャンダラーズ。医療ケアの充実を含め、その姿勢はあくまで猫ファーストです。

団体事務所内にはシェルターを設けず、保護した猫たちをスタッフおよび提携の「預かりボランティア」の自宅で飼育することで、極力人の目が届くように心がけているのも、それゆえです。
この会場からもほど近いライブハウスで働く高円寺ニャンダラーズ代表・佐藤洋平さんが団体を作ったきっかけは、かの3.11。福島県・郡山出身として駆けつけた災害現場ではじめて動物レスキューの存在を知り、これを専門に行う組織としてわずか数名で立ち上げました。

人影が跡形もなく引いてしまった被災地では猫に限らず、野生化しかけていた牛や犬なども等しく保護。広く「動物レスキュー」に奔走していた当時から長きを経て、来年5月にはいよいよ丸10年の節目。ボランティアとして、メンバー全員が仕事との掛け持ちで行う活動はコロナ時代に入り目下、両立のハードルがいっそう高くなっています。
人員面など「あえて規模を拡大せず、あくまで目の行き届く範囲で」活動を続けるという佐藤さん。

その公式Instagramやブログ、Facebookページでは賛同者から送られた支援物資への感謝の言葉に加え、活動中のショットや現場で直面した難題への所感なども綴られており、キュートさとあくまで隣り合わせの猫のリアルへの理解が深まります。

この日、里親会に足を運んだ地路(じろ)さん。かつて同じようにこの場で出会って迎え入れたオス猫・主水(もんど)くんが最近寂しそうなので、と弟分候補を見つけにここへ。ともに御蔵島で保護されたネコ同士とあってこのスライムくん(オス)なら一緒に楽しく暮らしていけそう

日々手塩にかけて一時飼育してきた可愛い猫たちなだけに、里親に求める準備と心構えもやはり相応に大事。猫たちとのお見合いの結果、譲渡条件を満たし、希望する子がいれば所定の申込書に必要事項を記入することでまずはエントリー。後日、日を改めて脱走防止の観点から団体によるお宅訪問があり、それでOKとなれば仮譲渡契約を締結。環境が整い次第、飼育トライアルのスタートです。

トライアル期間中は、里親側で用意する、指定された十分な広さを持つケージ(ご飯・トイレ・休息のためのスペースからなる)でまずは過ごし、慣れてきたら徐々にケージの外へ、そしてその部屋からさらに向こうの部屋へ。猫のペースで段階ごとに生活スペースを広げ、猫も里親も「これで大丈夫」と相互同意できたならトライアル終了。正式譲渡契約となり、晴れて家族の一員としての第一歩を歩み始めることになります。
かつての受難があっただけに、いま一緒で嬉しい、一緒で楽しい、そんな猫の心の声が聴こえてくるような間柄になれたなら、少なからず自分も救われたような気がする。そんなことも大いにあるでしょう。

誰しも、自分を見つめてくれる相手を探していると思うのです。


(文:古谷大典)
(写真:小島沙緒理)

高円寺ニャンダラーズ

住所
東京都杉並区高円寺北3-34-1 庚申文化会館(里親会の会場)
最終更新日:2020.8.17
大きな地図で見る

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。