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漢方アンド鍼灸の夫婦合わせ技で。「和氣香風」のすこやか養生アプローチ

good mornings

公開日 2020年10月3日

和氣香風(かきこうふう)は、夫・浩士さんが鍼灸を、妻・香里さんが漢方をそれぞれ専門としこれを提供するお店。東洋医学にもとづく包括的な観点から心身の健康増進を図ることができます。

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今やスーパーのレジ袋も、エコバッグを持ちあわせていない場合に買って手に入れるモノとなりました。地球にやさしいアクションがこれまで以上に求められる時代です。

人が自然を一方的に支配するだなんて土台ムリ、と諦観し万物の調和、相互の関連性を古来より重んじてきたのが東洋文明。そこでは医療もまた人体をひとつのエコシステムとして見つめる視座のもとに体系立てられているのであって、ココが痛いなら治療する部位もピンポイントにココ、ということにはならないのです。
ひとつながりの中で互いに影響しあうからだの各部位を、分断せずにあくまで包括的に診る東洋医学。その知恵と技術をもって人の健康と向き合うお店・和氣香風(かきこうふう)ですが、桂皮(シナモン)・ナツメ・生姜その他ディスプレイされた生薬が醸し出す匂い、またお灸で焚かれる艾(もぐさ)の匂いなども混じりあった芳香が、入り口の戸を閉めるなりこちらの鼻にやさしくあいさつしてくるところなど、まさしく名前の通り。

完全予約制の落ち着いた環境の中、山本夫妻がかたや漢方かたや鍼灸と互いの専門を持ち寄りウチからソトから働きかけることで、悩めるからだを快方へと導いてくれます。

漢方でウチから改善

本格的に不調に陥っているわけではないけれど、どうも調子がすぐれない。「未病」という用語でそんな状態を指し示す東洋医学では、このいわば病気以前の段階によく注目し、悪くならないうちに先手を打ち健康回復を図ることにも重きが置かれるのですが、これは近年浸透してきた予防医学の観点にもよく通じるところです。

具合の良し悪しを様々な角度から問う問診、また舌を見る舌診(ぜっしん)なども併用して状態をみきわめ、用いるべき漢方薬を選び決めるのは奥さんの香里(かおり)さん。
一般的な漢方薬を扱うお店に比べここでは、日本各地より集められた古来の伝統薬や富山の置き薬など日本にしかない薬の取り扱いが多いのが特徴。

一方で中医師(中国の漢方医)により研究開発された、鹿の角や羊の胎盤、黒蟻、ヒルなどを素材に用いたタブレット型食品など珍しいものも取り揃えられており、これらは摂取することで快方へ導いてくれる力が相応に強いのだとか。動物ならではのパワーというのが、やはりあるようです。

熊の胆石を材料にした一品

漢方薬は、あくまで未病や病気の改善を図るもの。望ましくは、それを用いる必要のない健全な状態に自分のからだが落ち着いていることであり、そんな平常時から自宅でできる養生のひとつが、お茶の飲用。というわけでここでは香里さんによるブレンド茶のレッスンが設けられることもあります。

キクの花、それに龍眼・サンザシ・陳皮(ミカンの皮)といった果実系の素材も合わせた4,5種ほど。ブレンド茶の一例

直近数ヶ月ではテレワーク導入に伴う在宅時特有のストレス、自粛生活による「コロナ太り」などをテーマに、それに応じた植物でつくるなど。その時々でからだに良いものを自ら選び取ることができるようになれば、家で気軽に美味しく実践できます。

手応えを感じるにつけ養生への関心はいっそう高まり、やがて気功にも手を伸ばしてみたり、なんてこともあるかも。

はりきゅうで、ソトから働きかける

漢方薬の妻・香里さんに対し夫・浩士(ひろし)さんの持ち技は鍼灸(しんきゅう)。問診を踏まえ香里さんが漢方薬を用意している間が、彼の出番です。

鍼(はり)やお灸が据えられるスポットはご存知・ツボ。東洋医学の知性が発見してきたかれこれ約360ものツボが人体には潜んでいて、悩める症状に対応したツボがプロの手によりピシャリとマーキングされ、そこへ向けて鍼なりお灸なりが施されます。

ごく細い鍼を、膝小僧の下のあたりへ

血流、あるいは神経のはたらきが活発になったか。脈拍から患者の申告に至るまで、体が発するあらゆるサインを繊細に読み取ることで効き目を確認しながら進められます。通常、小一時間ほどの時間枠です。

お灸で使う艾(もぐさ。ヨモギの葉に乾燥など下ごしらえがなされたもの)は、指先でひとつまみ程度の分量を腕や首や脚に据えることもあれば、団子ほどの大版サイズをお腹に用いるケースも。火をつけ、やがてじわりと降りてくる放射熱のエネルギーで胃腸の働き、冷え性、むくみ、神経痛、便秘、生理痛を改善させます。

丸めた艾を、へそのやや上のあたりに据えたヒノキの箱に入れ、焚きつける

鍼は、刺されていることに気づきはしても痛覚を意識することなく施術が済んでしまうものも多く心理的な負担はごく軽いこと、またそもそも刺すことのない種類の鍼すらある(!)というのはぜひ知っておきたいところです。

現代でこそ鋭い「針」のイメージしかないものの、元来「はり」というのは、肌をなでる「かっさ」なども含むより広い物理的な働きかけを総称したもの。
だから鍼師の扱う道具には、金属を外科的に刺すものもあれば、皮膚の表面に軽く押し当てるためのもの、美顔ローラーのようにコロコロと肌をなぞるものまで様々あって、それら道具ぜんぶ、かつそれらを用いた治療行為もまたすべからく「鍼」として括られます。

十代と早くから中国武術を学び始めた浩士さんは、気功などで言われるところの「気」についても元より強い関心を持ち、その実践としての刺さない鍼(接触鍼)の知識・技術の向上にも力を注いでいます。
原典の編まれた時期としては古代中国・漢王朝にまでさかのぼることができ、よって少なくとも二千年以上の研究を経て存在している今日の東洋医学。身を以てその深みを知る機会も2020年現在のライフスタイルではまだ十分に浸透してはいないものの、気になってきたという人はここ自由が丘ではじめての接点を持つのも良いでしょう。

なお、このほど7月には香里さんの著書「漢方薬絵ずかん」がリリースされたばかり。風邪をひいた。胃がちょっと気持ち悪い。頭痛がしてきた。そんな時々で服用するべきふさわしい漢方薬の種類がわかる一冊です。

5年前には薬膳ドリンクに関する著書(下)も

ドラッグストアの店頭で、自分の必要とする漢方薬が選べるようになれば、「風邪のひきはじめにはとりあえず葛根湯」なんていうミスリードからは大きくステップアップ。漢方のはじめの一歩が気軽に踏み出せます。


(文:古谷大典)
(写真:小島沙緒理)

和氣香風

住所
東京都目黒区自由が丘1-16-10
電話番号
03-6315-9124
営業時間
11:00〜17:00
定休日
月・木・金曜
最終更新日:2020.9.14
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