男性なら特に、子どもの頃にちょっとはかじったであろうプラモデル。自宅で部品を広げ、説明書との間で目線を行き来させつつ黙々とつくりあげていく独特のワクワク感があったものです。
アニメやマンガに登場するキャラクターやメカ。そのプラモデル新発売情報を得てはつど心をときめかせたり。とはいえ専門家によるあまりにリアルな出来栄えまでは所詮マネできないよな、なんて一抹の残念感も込みで懐かしさを覚えるという人は多いはずです。
アニメやマンガに登場するキャラクターやメカ。そのプラモデル新発売情報を得てはつど心をときめかせたり。とはいえ専門家によるあまりにリアルな出来栄えまでは所詮マネできないよな、なんて一抹の残念感も込みで懐かしさを覚えるという人は多いはずです。

元来、自宅でひとり熱中するのがプラモデルというものでしたが、SNSの普及に伴い、プラモをたしなむ「モデラー」たちの間では同好者どうし出来栄えを見せ合っては互いのノウハウを共有したりする楽しみ方も浸透しています。
角度など撮り方もこだわったキメの一枚を撮ってはじめて作品が完成、なんて考える人も珍しくないのは、それだけオンラインで出来ることが充実してきた証。プラモというホビーも近年スタイルが確実に多様化しています。
角度など撮り方もこだわったキメの一枚を撮ってはじめて作品が完成、なんて考える人も珍しくないのは、それだけオンラインで出来ることが充実してきた証。プラモというホビーも近年スタイルが確実に多様化しています。


エアブラシで塗料を吹き付けて塗装
とはいえ、実際に手を動かしカタチあるものをつくりあげることこそがその本分。作品の精巧さを実物で見ることができたり、それを実現するテクニックや秘訣が繰り広げられる実空間に足を運べるのが望ましいわけですが、府中にあるガイドビーコンというお店こそ、それが目下全国でも有数の高いレベルで叶えられる場所です。
組み立て他が可能なクラフトブースと塗装のためのペイントブースがそれぞれ8席ずつ用意されたレンタルスペースでは、基本料金として60分600円(以降10分ごとに100円)、また3時間で1,500円、5時間で2,300円といったパック料金でも利用できるようになっています。
組み立て他が可能なクラフトブースと塗装のためのペイントブースがそれぞれ8席ずつ用意されたレンタルスペースでは、基本料金として60分600円(以降10分ごとに100円)、また3時間で1,500円、5時間で2,300円といったパック料金でも利用できるようになっています。


一席あたりのスペースに余裕があるのも特徴
軽い飲食物を持ち込むこともできるこんなブースへ、仲間うちでつくりたいものを互いに持ち寄ったり、あるいは親が子どもにコツを教えながら、同じ一つのものをつくり上げる、なんていう過ごし方がここではできます。
自前の工具が持参OKなのはもちろん、手持ちの道具が乏しい人でもレンタル工具10点セットが200円、レンタル塗装10点セットが300円、また塗料も300円で使い放題なので、これらサービスを駆使しながらこだわりの作品づくりに邁進できるのも心強いポイント。
自前の工具が持参OKなのはもちろん、手持ちの道具が乏しい人でもレンタル工具10点セットが200円、レンタル塗装10点セットが300円、また塗料も300円で使い放題なので、これらサービスを駆使しながらこだわりの作品づくりに邁進できるのも心強いポイント。

塗料や、ツール、材料類、プラモの取り扱いも

クラフト席で。ワークステーションを使用中
切り離す前の部品がついた板状のブロック「ランナー」を立てかけて管理したり、説明書が立て掛けられるようになっていたり、ニッパーでパチパチと切った際に発生する細かな切りくずをそのまま下に落としておいて、最後でまとめて捨てられる仕様のカゴも備わったオールインワンキット「ワークステーション」もレンタル出来るので、こういった新手の便利キットの使い心地を試すために立ち寄る、そんな利用方法もアリです。

ペイント席では、筆やエアブラシによる塗装を
特に塗料をムラなく吹き付けて塗装する「エアブラシ」は、グラデーションなど普通の筆塗りでは困難な着色効果が得られる専門器具で、そうたやすく自宅に導入できないものゆえ、いちど触ってみたかった(けど触れないまま大人になった)という元少年も多いことでしょう。
使い方のコツや各種ノウハウについて聞いてみたりもできるなど、昔の自分に報告してあげたくなるような熱中のタネが、ここには色々転がっているのです。お店のTwitterでも「こんなのができた」とか、見ていて触発されそうな喜びを垣間見ることができます。
使い方のコツや各種ノウハウについて聞いてみたりもできるなど、昔の自分に報告してあげたくなるような熱中のタネが、ここには色々転がっているのです。お店のTwitterでも「こんなのができた」とか、見ていて触発されそうな喜びを垣間見ることができます。

店長の荻原さん。自身も勿論プラモを長年追求

地球深部探査船。海底を掘るドリルがカバーされた櫓(右上、青色部分)のディテールの細かさに注目。荻原さんが自前で付け足したという手すりでなおリアルに

ガレージキットや釣具のルアー、コスプレの小道具づくりまでもOKというこのようなレンタルスペースですが、プラモデルの商品自体も一部取り扱われており「値段的にも比較的買いやすく、またここである程度作業してつくり込む甲斐もあるもので構成」されています。パテ、ブラシ、接着剤、サンドペーパーやコンパウンド等の研磨剤といったツールやマテリアル類も上級モデラーたる店長のセレクトを経た粒揃いです。
模型がご無沙汰という人も、何はなくとも手ぶらで立ち寄り、取り組みやすい一品、チャレンジしやすい加工のことなどスタッフさんに相談しながら気軽にちょっと遊んでいくのも楽しそうです。
模型がご無沙汰という人も、何はなくとも手ぶらで立ち寄り、取り組みやすい一品、チャレンジしやすい加工のことなどスタッフさんに相談しながら気軽にちょっと遊んでいくのも楽しそうです。

(文:古谷大典)
(写真:小島沙緒理)
(写真:小島沙緒理)
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