春先の染井霊園。界隈の寺町風情にもぜひ触れてみて
巣鴨駅や駒込駅から北へと、1キロを下回る程度の散歩でたどり着く染井霊園。ここが実はなかなかの桜スポットで、ソメイヨシノ発祥の地域でもあるだけに、なおのこと味わい深いものがあります。
霊園の一帯は実は寺町で有名人のお墓も数多く、霊園あるいは巣鴨の商店街ついでに足を延ばしても良さげ。以下では、その辺りについてちょっと具体的に見ていくことにしましょう。
霊園の一帯は実は寺町で有名人のお墓も数多く、霊園あるいは巣鴨の商店街ついでに足を延ばしても良さげ。以下では、その辺りについてちょっと具体的に見ていくことにしましょう。
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巣鴨のお寺といえば / 高岩寺
塩大福やうなぎほか、和なグルメの数々に恵まれた巣鴨地蔵通り商店街ですが、言わずもがな、そのコアと言うべき存在がこちらのお寺。古くは江戸庶民の信仰も集めていたという、由緒正しき高岩寺です。
本堂内におあす、とげぬき地蔵さま。それから自分の身体のよくない部分を布で洗えば快癒すると伝わる「あらい観音」さま。聖なるそのパワーには、ぜひあやかっておきたいものです。
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江戸六地蔵のひとつがここに / 真性寺
巣鴨駅からも近くというロケーションにてもうひとつ、注目したいお寺があります。
こちら真性寺の、本堂に向かって左手にあるお地蔵さまは「江戸六地蔵」のひとつ。18世紀前半、江戸の街の入り口にあたる六つの地点に造られた地蔵菩薩像のうちの一体なのです。
こちら真性寺の、本堂に向かって左手にあるお地蔵さまは「江戸六地蔵」のひとつ。18世紀前半、江戸の街の入り口にあたる六つの地点に造られた地蔵菩薩像のうちの一体なのです。
毎年6月24日には一大行事「百万遍大数珠供養」が催され、長さ16メートルもの巨大な念珠を大人数で廻す供養が行われます。
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リメンバー「明暦の大火」 / 本妙寺
霊園のすぐ裏手にある本妙寺。近年新調された立派な山門がよく目立ちます。
こちらには江戸時代の17世紀中盤、死者およそ十万人という被害をもたらした「明暦の大火」の犠牲者を供養する、とあるものがあります。
こちらには江戸時代の17世紀中盤、死者およそ十万人という被害をもたらした「明暦の大火」の犠牲者を供養する、とあるものがあります。
コレがそれ。振袖火事供養塔、と言います。江戸の市中の六割を焼き尽くしたという大火事の火元がこのお寺(ただし当時の住所は本郷丸山)であったとされていることから、このような塔が存在しています。
それから遠山の金さん(遠山金四郎)のお墓なども。さすがの名奉行、亡くなってなおご立派です。
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芥川龍之介、谷崎潤一郎も眠る / 慈眼寺
本妙寺同様、この慈眼寺もまた霊園のすぐ裏手にあるお寺。こちらではみなさんご存知・芥川龍之介や谷崎潤一郎、また江戸時代に日本で初めて銅版画を作成した絵師・司馬江漢などが眠っています。
先に登場した本妙寺といい染井霊園(岡倉天心、高村光太郎ほかたくさん)といい、数々の有名人が眠るこの一帯です。
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植木職人たちも多数眠る / 西福寺
霊園から駒込駅サイドへとわずかに離れたところにある西福寺。ソメイヨシノの里であるこの界隈には昔から植木屋さんが多く、このお寺もまた植木職人の菩提寺として知られています。飛鳥山の桜や滝野川の紅葉の植栽を手掛けた伊藤伊兵衛歩などが眠っています。
このとおり「染井吉野の里」碑も。境内の敷地の通りは桜並木も美しいので、染井霊園ともどもぜひぜひチェックされたし……。
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知られざる、歴史リッチな一帯
歴史に名を残す偉人達にも多数ゆかりあるこの一帯。特に染井霊園界隈は大きな道路も通っておらず、車の走行音ともほぼ無縁。ごく落ち着いているので、巣鴨の商店街の人波からエスケイプしたいときにもうってつけです。
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