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長くて細いは江戸っ子の証。神田が育てた藪そば

言わずと知れた江戸蕎麦の名店と言えば、明治13(1880)年創業の「かんだやぶそば」。江戸時代には“軽食”として根付いていた蕎麦を、ちょっと小洒落たご馳走に変えたのが、この「かんだやぶそば」なんだそう。今回はそんな「かんだやぶそば」の歴史と、これからの未来の話を三代目の堀田康彦さんに聞いてきました。

公開日 2017年3月16日

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長くて細いは江戸っ子の証。神田が育てた藪そば

蕎麦屋がテーマパークに!? やぶそばが起こした蕎麦革命

江戸時代、全国から優秀な職人が集まる“職人の町”だった神田。朝から晩まで汗水を流して働く職人の胃袋を支えたのが、寿司や天ぷら、うなぎなどの「江戸前」と言われる食べ物の数々です。なかでもサッと素早く食べられる蕎麦は、食事と食事の間に小腹を満たすファーストフードのような感覚だったそう。
そんな蕎麦をちょっとしたご馳走に進化させたのが、江戸三大蕎麦のうちの一つ「藪蕎麦」だったと堀田さんは話します。

「廃刀令が出て稼ぎがなくなった武士が、豪華な武家屋敷を開放して蕎麦屋を始めたらそれが大当たり。蕎麦を食べるだけでなく、庭や滝を見たり、時間があれば風呂に入ったり。現代で言う“テーマパーク”のような場所にすることで、蕎麦屋=おめかしをして食事をしに行く場所になり、それが現代まで続いているんです」。

細くて長くて、つゆは濃い目が江戸っ子の蕎麦

「味は風土が育てるもの」と堀田さんが言うとおり、職人の町で発展した蕎麦には地方の田舎蕎麦にはない特徴も。
濃い目のつゆは、肉体労働で塩分を欲している職人の好みの味。また早く食べることができるようにと、麺は細くて長くできています。さらにかんだやぶそばと言えば、緑がかった蕎麦の色味も象徴的。
「当然昔は食材の保存技術が発達していないので、蕎麦はだんだんと風味や色味が落ちてきます。それをなんとか改善しようと、蕎麦のもやしで青汁を作って麺に練り込んでいたのが緑色の麺の由来。今はクロレラを使って色味を出しています」。

現在は、北海道産の蕎麦を中心に季節によって一番おいしい蕎麦を厳選。「せいろうそば ¥670」のつやつやとした蕎麦を、濃い目のつゆを少しだけ付けてズズッと一気にすすると、ほのかに甘い蕎麦の風味が鼻に抜けていきます。上品な薄緑色の麺に創業者の創意工夫が詰まっていると思うと、なんだか歴史も一緒に食べている気分になります。

続くものは“人”。伝統に縛られない老舗のスタイル

130年以上の歴史を未来へと繋げていくには、“変える”ことも大切だと語る堀田さん。

「神田地区には100年以上続く企業が170軒ほどありますが、過去・現在の良さを次の時代も“良い”と言われるものにするには、社会や時代の変化にあったやり方にしていかないといけません。オリンピックでますます増える外国人のお客様への対応や、ビーガンなどの食の嗜好、畳ではなく椅子席の宴会スペースを作ったり。幸い私たちは先人が『かんだやぶそば』という土台を築いてくれたので、未来のことを考える余裕があります。唯一変わらないのは、人の気持ち。自分においしいものを食べさせてくれる店のことは、いつまでも嫌いにならないはずです。味、サービス、空間すべてにおいて、今を生きる人たちが「良い」と思ってくれるものを、これからも追求していきたいです」。

かんだやぶそば

住所
東京都千代田区神田淡路町2-10
電話番号
03-3251-0287
営業時間
11:30~20:30(L.O.20:00)
定休日
水曜日
平均予算
[夜] ¥3,000~¥3,999 [昼]¥1,000~¥1,999
最終更新日:2017.3.14
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。

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