ちくわ。 おでかけ情報

あの日食べた“神田の味”をいつまでも

神田祭にお花見、運動会。神田周辺に暮らす人ならば、いろいろなシーンでこの黄色い包装紙にくるまれた「神田志乃多寿司」の折り詰めを目にするのではないだろうか。100年以上もの歴史を持つ神田志乃多寿司が、変わらず守り続ける“神田の味”とは。(2016年3月発行「FREE AWAJI BOOK 8890」No.13より)

公開日 2017年12月1日

カテゴリ
グルメ
街を知る
エリア
小川町駅
ライター
FREE AWAJI BOOK
あの日食べた“神田の味”をいつまでも
明治35年に稲荷寿司とのり巻きの専門店として創業した神田志乃多寿司。当時は“箱車”と呼ばれる大八車でお寿司を配達していたそうで「その頃の寿司はかしこまったものではなく、お弁当やおやつに食べるファーストフードのような感覚で庶民に親しまれていたんです」と四代目の原田勝信さん。ちなみに稲荷寿司のことを「しのだ」と呼ぶのは、大阪の信太葛葉稲荷神社に言い伝えられている狐の伝説に由来するのだそう。
つやつやとした稲荷寿司は、油揚げを甘めに、酢飯は辛めに仕上げてあるのが特長。油揚げもお米も時期によって微妙に状態が変化するので、職人の勘で炊き方や味付けを毎日調節する。もちろん一つ一つで手作りで、多い時は一日に万単位の個数を作ることも。作ってから1時間ほどおいてから店頭に並べるのは、油揚げと酢飯の味を馴染ませるため。

↑職人の中にはこの道40年のベテランもいて、老舗の味を日々守っている。

原田さんいわく「うちのお稲荷さんは作ってから4時間後が一番おいしい」とのことなので、まさにお土産やピクニックにぴったりだ。また志乃多といえば、画家・鈴木信太郎さんが描いた女の子の絵がデザインされた黄色い包み紙も素敵。先々代の頃から変わらないもので、あまりにもかわいいとブックカバーにするお客さんもいるんだとか。
100年以上の歴史を持つ志乃多には、家族代々お付き合いのあるお客さんも多い。移り変わる時代の中で、老舗の暖簾を守っていく。そのために原田さんが大切にしているのは、”変わることで、変わらない味”を作り続けることだ。

↑四代目の原田勝信さんは町会の青年部長も務める。

「食の環境やお客様の味覚は、時代によって変わります。だからうちの稲荷寿司も、その時代を生きる人に合わせて変化している。それが“変わらないね”と言われる理由だと思います。神田の街もずいぶん新しい店ができて、活性化されているのはとても良いこと。けれどどこかに、“神田の味”が残っていないとと思うんです。久しぶりに食べると、昔の思い出が蘇るような。『30年ぶりに懐かしくなって食べに来た』なんてお客様がいらっしゃるとうれしいし、そういう方のためにも続けていきたいと思います」。

時代は変わっても、ずっとここにある。これからも志乃多の稲荷寿司はそんな“神田の味”なのだ。

↑柚子やえんどう豆など季節の稲荷寿司もある。

神田志乃多寿司(かんだしのだずし)

住所
東京都千代田区神田淡路町2-2
電話番号
03-3255-2525
営業時間
7:30~18:00
定休日
火曜日
平均予算
¥1,000~¥1,999
最終更新日:2017.4.4
大きな地図で見る

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。

同じスポットが紹介されている別の記事