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神田祭をさりげなく盛り上げ、若い五代目が和装を今に伝える。

神田須田町一丁目の”老舗街”と呼ばれるエリアに店を構える、明治4年創業の「下久呉服店」。若き五代目木村俊之さんと母の泉さんの二人が切り盛りするこちらのお店は、2年に1度の神田祭前になると足袋や手ぬぐい、鯉口シャツが並んで一気にお祭り仕様に。忙しい町内の人たちが、お祭りに必要なものをすぐそろえられるように、という配慮からでした。

公開日 2017年5月9日

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good mornings
神田祭をさりげなく盛り上げ、若い五代目が和装を今に伝える。

繊維の街としての歴史を持つ街・神田の、老舗呉服店の今。

靖国通りと外堀通りに囲まれた神田須田町1丁目エリアには、「いせ源」「竹むら」「ぼたん」「まつや」「やぶそば」など老舗飲食店があり、“老舗街”とも呼ばれています。そんな場所の一角に店を構える明治4年(1871)創業「下久呉服店」では、若き五代目木村俊之さんと母の泉さんの二人が、お店を切り盛りしています。

江戸時代には神田川南岸の柳森神社の辺りで古着市が開かれていたり、藍染職人や商人が集まった紺屋町という地名が残っているように、実は神田は繊維の街としての歴史がありました。
和装が特別なものとなった今、俊之さんはオリジナルTシャツや手ぬぐいを製作して、呉服屋の入りにくいイメージを払拭しようとしています。

「帯や八掛を意識した色づかいの干支にちなんだ手ぬぐいや、温泉に入っている兎と蛙を勝手にあしらった鳥獣戯画Tシャツなどを作りました(笑)。これまでのお得意様からお叱りを受けると思ったら、『新しいのが出来たら見せて』『次のTシャツは私が一番に買うから』と言ってくださり、皆様に育てて頂いています」と俊之さん。
店頭に気軽に購入できるもの、他にはないものを置くことで、和装になじみのない人の目にも留まり、店に入ってくる人が増えたそうです。しかも歳の近い俊之さんが接客するとあって、若い世代が浴衣の相談に来たり、歌舞伎好きのOLさんが着物の相談に来たりするように。

「お茶をされる方もいらっしゃいます。着物の染み抜きのご相談など、気軽にお立ち寄りくださればうれしいですね。」

神田祭前には、お店の雰囲気が一変! お祭り仕様の店内に

普段は和装の魅力を伝えている下久ですが、2年に1度の神田祭前には、正絹の着物や帯が下げられて足袋や手ぬぐい、鯉口シャツが並び、店内の雰囲気ががらりと変わります。一時期だけ祭り仕様になり始めたのは、俊之さんの祖父の三代目のころから。忙しい町内の人たちが必要なものをすぐそろえられるように、という配慮からでした。

「昔は“足袋券”なるものが町会で発券され、ここは引換所となりました。足袋の色やサイズを選んで、店に来た人に渡していたようです。」

その習慣が今にも続き、祭り当日の午前中も店を開けて対応しています。
木村さん親子の話を伺っていると、町に祭りはなくてはならない、ということがよく伝わってきます。昔に比べて住民が少なくなってきたものの、「今年は何そろってる?」と店に入ってきて、小技をきかせたおしゃれをしたくてわざわざ小物を新調するそうです。

「祭りそのものも楽しいですが、町が呼吸しながら段々と祭りになっていく。神事を重ね、当日に向けて盛り上がっていくことを含めた全部が、お祭りなんですよ」と泉さん。
そして俊之さんは今年、13の町の連合会に入り、神田祭の世話人を引き受けています。「連合会の集まりに出ると、四代目だった私の父の小学校の同級生だったとか、よく話しかけられますね。」
また、この地で生まれ育ち、老舗の看板を引き継いでいる同世代も多く、一緒に飲みに行くこともあるそうです。「終電があるからと切り上げられないところが、辛いところです(笑)。」

神田という町を愛する人たちの強いつながりが、祭りを軸にさらに強くなっていく。ふらりと立ち寄れる下久は、人と人をつなぐ存在となっていました。
着物に関することはもちろん、和の文化や神田の町についても知識が豊富で、つい時間を忘れてしまうほど、泉さんや俊之さんの話に引き込まれてしまいます。日本人に生まれたなら、日本で暮らしているなら、ぜひ着物を着てみたい。神田祭に触れてみたい。そう思った方は、下久を訪ねてみてはいかがでしょうか。世界が広がるはずです。

神田 下久 呉服店

住所
東京都千代田区神田須田町1-19-8
電話番号
03-3251-0388
営業時間
10:00~18:00
定休日
木・日曜日・祝日
最終更新日:2017.5.8
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。

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