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渋谷の近くの生活感漂う街<神山町(奥渋谷)・神宮前二丁目>、そこに流れていた2つの川

「渋谷」という地名からも分かるように、谷になっている渋谷。谷にはたいてい川が流れていますが、今回は渋谷に流れている渋谷川と、その支流であった宇田川の周辺についてご紹介します。いずれのエリアも、ファッション・デザイン・カルチャーに強いという渋谷の特性が波及しつつも、渋谷駅から多少離れたことにより、大型店に上書きされずに住む人の生活感を残すエリアとなっています。

公開日 2016年5月16日

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渋谷の近くの生活感漂う街<神山町(奥渋谷)・神宮前二丁目>、そこに流れていた2つの川

「渋谷川」と、その支流「宇田川」

「渋谷」という地名から、渋谷が谷であることが分かります。谷には大抵川が流れていますが、渋谷に流れている川は、渋谷川。渋谷駅のすぐ南から川は表に顔を出しますが、それより北側は蓋で覆われ「暗渠(あんきょ)」となっています。渋谷川の上流は穏田川とも呼ばれ、神宮前4丁目までは「キャットストリート」として、今や裏原宿のメインストリートにもなっています。

写真:渋谷駅の南側から地表に現れる渋谷川

渋谷川は渋谷駅東口を南北に貫通し、再開発によって暗渠だった川が、現在工事で一時的に表出しています。渋谷駅前の渋谷川を見るなら今、貴重な時期となるでしょう。

さて、渋谷駅前から分かれる渋谷川の支流は、宇田川と呼ばれ、「宇田川町」にその名を残しています。センター街を通りぬけ、東急百貨店本店を抜けると神山町に入ります。神山町は最近「奥渋谷」とも言われ、通りには「奥渋」ののぼりが掲げられています。宇田川は、代々木八幡駅から神山町を通って渋谷駅、渋谷川へと合流しますが、さらに遡ると支流は参宮橋、初台、幡ヶ谷、代々木上原へと繋がっています。

流域思考で捉える「渋谷」

昭和歌謡で「川の流れのように」がヒットしましたが、なかなか街や地域を「川の流れ」で捉える機会はありません。なにしろ都市部の小さな川は目立たず、渋谷川上流や宇田川のように暗渠になっていては、ほとんど見えることもありません。また、水運もほとんどなくなり、川で移動することもありません。今や道路や鉄道での移動となり、「沿線」で捉えることはあっても、川の「流域」で捉えることはなかなかありません。

「流域思考」は、進化生態学者の岸由二氏が提唱したものですが、生物の生態系を見るだけでなく、現代の人間社会の都市生活を考察する上でも有益なヒントを与えてくれます。自治体の括りや鉄道沿線、街道の流れだけでは見えてこない、一つの重要な流れでもあります。

東京で重要な交通手段と言えば鉄道ですが、次いで自動車でしょうか。しかし最近、存在感を増しているのは自転車です。もとより東京は自転車の多い都市ですが、世界的なクロスバイクの普及・サイクリストの増加もあり、東京でも本格的な自転車乗りを多々見かけるようになりました。自転車事故抑止のため、車道の端も自転車レーンが整備されつつあり、その存在感は増してきています。この自転車が、最も流域を意識する乗り物です。動力は電気でも燃料でもなく、筋力。筋力を使うのは上り坂で、平坦な道か下り坂だと運転は圧倒的に楽になります。こうすると、いかに坂道を避けて平に移動できるかが鍵になってきます。

たとえば代々木八幡駅(代々木公園駅)から原宿駅(明治神宮前駅)に抜けていく際には、大きな坂があります。代々木公園は渋谷川(穏田川)と宇田川の分水嶺となり、ここでは流域を横断します。一方で、代々木上原から代々木八幡、渋谷駅までの移動は楽で、”川の流れのように”移動すると自転車だと楽に移動できるのです。
渋谷駅から離れた「川沿い」の街で、代表的なのは、神山町(奥渋谷)〜代々木上原(宇田川流域)と、裏原宿(キャットストリート)〜神宮前二丁目(渋谷川上流)です。
こうしたエリアでは、ファッション・デザイン・カルチャーに強い渋谷の特性が波及しつつ、駅から遠いことで、大型店やチェーン店に上書きされず、住む人の生活感が残っており、文化と生活感が融合、共存しています。食事をするとしても、渋谷駅付近は、よそ行きの店か、他では食べられない個性派の店か、利便性の高いチェーン店か。いずれにしても人が多く、混んでいて長居しにくいという欠点があります。それに比べて、川沿いの2つのエリアは、そこまで混んでおらず、そこが渋谷であることを忘れるかのような、空間を広くとるお店が多々あります。ところによってはスタイリッシュでありつつも、基本的には台所や居間の延長。食料品店や生活用品店があり、生活感が漂う街ならでは、です。

●神山町(奥渋谷)〜代々木上原(宇田川流域)

川の流路であり平坦な、東急百貨店本店の奥、神山町(奥渋谷)から富ヶ谷、代々木上原にかけては人の往来も多く、ガツガツ、ゴージャス、チープ、のどれとも全く異なる、ナチュラルでマイペースな人々が、等身大で文化を育む文化圏になっています。このエリア内の繋がりはあり、神山町に住んでいた人が「結婚して子供ができて、(広い家を求めて)代々木上原に引っ越した」という例もあります。「居心地もモノも良いが、過度にスタイリッシュすぎない」、こだわりのある生活感が漂っています。

*定食屋 魚力

出典: 食べログ

近年奥渋谷と称される神山町にある、明治から続く魚屋直営の食堂。中に入ると、そこが渋谷…どころか関東にいることを忘れるような、遠路はるばる港町に来た感覚とともに、魚料理を味わうことができる。

魚力 (うおりき)

住所
東京都渋谷区神山町40-4
電話番号
03-3467-6709
営業時間
[月~金]11:00~14:00、18:00~22:00(LO21:00) [土]11:00~14:00、17:30~22:00(LO21:00)
定休日
日曜・祝日
平均予算
【夜】¥3,000~¥3,999 【昼】¥1,000~¥1,999
最終更新日:2017.5.31
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*LIFE

出典: 食べログ

代々木八幡駅徒歩圏の富ヶ谷にある、イタリアンレストラン。入り口は花屋さんのようで、中に入ると東京にいることを忘れる。異国の広い家の居間のような雰囲気で、優しい味を味わえる。

LIFE

住所
東京都渋谷区富ヶ谷1-9-19 1F
電話番号
03-3467-3479
営業時間
lunch 11:45~14:30 dinner 18:00~22:00
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●裏原宿(キャットストリート)〜神宮前二丁目(渋谷川上流)

「裏原宿」やキャットストリート沿いは、既に原宿の延長として多くの人を集めていますが、竹下口交差点から北に進むと、少しずつ生活感が漂ってきます。ここから奥は、商業施設と住宅が混在するエリアですが、神宮前一丁目交差点にある「THE SHARE」は、2011年にできた新たな商・住融合空間です。(1Fはインターネットラジオ局のソラトニワステーションやカフェ、2Fがオフィス、3F以上がシェアハウス)また、その奥の神宮前二丁目エリアは、個性的で居心地の良いお店が多々あります。

*IKI-BA 粋場

出典: 食べログ

裏原宿(神宮前一丁目)にある、いわば、スタイリッシュな台所。レストランとキッチンの両方をオープンしている…というと分かりにくいが、キッチン利用やバーベキューも可能ながら、ドリンク&フードの注文も可能。貸しスペースでもありレストランでもある、「食と知への好奇心を刺激する新しい場」。

IKI-BA 粋場

住所
東京都渋谷区神宮前3-21-17
電話番号
03-6447-2457
営業時間
11:30~23:00 (ラストオーダー22:30)
定休日
毎週月曜
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*irodori

出典: 食べログ

神宮前二丁目にあるアジアンレストラン。初めて来ても、どこか居心地の良い「広い居間」。生活感の漂う路地に面していることもあるが、照明や内装だけでなく、全体的にゆっくりとした時間が流れている。

イロドリ(irodori)

住所
東京都渋谷区神宮前 2-14-17 1F
電話番号
03-6804-3736
定休日
不定休
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多くの人が行き交う渋谷・原宿から、暗渠となった小川の上流に、少し歩いてみてはいかがでしょうか。あなたの居心地の良い場所がみつかるかもしれません。

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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。

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