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渋谷駅前スクランブル交差点は何故人が多い?そこには地下空間が関係している

渋谷といえば「スクランブル交差点」。いつ行ってもとにかく人が多いイメージのあるこの交差点ですが、人が多いのには理由があったんです。ポイントとなるのは、「地下空間」と「駅周辺の大型商業施設」という二つの観点。これらのことから、渋谷駅前スクランブル交差点に多くの人が集まる理由を紐解いていきましょう。

公開日 2016年7月1日

カテゴリ
街を知る
エリア
渋谷駅
ライター
地理人
渋谷駅前スクランブル交差点は何故人が多い?そこには地下空間が関係している

渋谷 スクランブル交差点に人が多いワケ

渋谷といえば「スクランブル交差点」(交差点名は「渋谷駅前」)。渋谷駅斜向かい、2Fにあるスターバックスコーヒーは、このスクランブル交差点のビュースポット。そしてスクランブル交差点を見物しようと、スターバックスコーヒー店内には外国人がズラリと並び、写真や動画を撮っている光景も珍しくありません。我々の想像以上にスクランブル交差点はおもしろいようです。

それはともかく、渋谷は何故これほどまでに人が多いのでしょうか。渋谷駅と同等かそれ以上の乗降客数を数える新宿駅、池袋駅、東京駅とは何が違うのでしょうか。その答えは、地下と、渋谷の街にあります。

渋谷の地下は他の街に比べて最小限!

まずは渋谷の地下空間と、そのほかのターミナル駅の地下空間を比較してみましょう。青い部分が、それぞれの駅の地下空間です。

▲渋谷駅 地下空間

▲池袋駅 地下空間

▲新宿駅 地下空間

▲東京駅 地下空間

副都心線の開通で、渋谷の地下空間は広がりましたが、新宿や東京駅と比較すると広くはありません。池袋と渋谷の地下面積は一見近しく見えますが、池袋はJRの駅の中にも地下空間が広がっているのに対し、渋谷の地下空間は地下鉄のみ。JRの駅には伸びていません。他の3駅は、JRの駅の地下に改札があるのに対し、JRで地下の改札、通路がないのは渋谷駅だけです。駅舎を出た時点で地上に出たら、それからわざわざ地下に降りるよりは地上を移動したほうが楽でしょう。そう思う多くの人が、地上のスクランブル交差点に溢れています。

渋谷駅始発の「地下鉄」銀座線も、ホームは地上にあるくらいで、渋谷はとりわけ「地上に出ざるを得ない街」とも言えます。東京駅の八重洲口は渋谷とは逆で、地下のほうが人通りが多く、商業施設も賑わっていますが、地上は静か。池袋、新宿は、地上の街も賑わいつつ、地下街もそこそこ発達しています。これに比べて渋谷の地下街「しぶちか」は最小限の大きさです。

それぞれの駅の大型商業施設の分布

もうひとつは、大型商業施設の分布です。こちらも地図で比較してみましょう。赤い部分が、大型商業施設です。

▲渋谷駅 大型商業施設分布

▲池袋駅 大型商業施設分布

▲新宿駅 大型商業施設分布

▲東京駅 大型商業施設分布

東京の大型商業施設の多くは、人が多く集まる駅付近に立地し、特に鉄道会社が運営する百貨店は、小田急新宿駅の上に小田急百貨店、東武池袋駅の上に東武百貨店、という具合にたいていの場合駅に隣接しています。それに対して、渋谷駅には隣接する商業施設が少ないのが見て取れます。JR系の「ルミネ」でさえ、駅と隣接してはいません。

唯一、東急百貨店が隣接していますが、ここは本店ではなく「東横店」。本店は少々離れたところにあります。この本店は、東横店に代わる本店として1967年に開店した店舗。なぜわざわざ遠いところに作ったのか…東急の狙いとして「街を回遊してほしい」という思いがあったと言われています。鉄道会社であれば駅の中ですべて完結するように、駅と百貨店を一体的に考えるところですが、このあたりは東急のユニークなところです。

その他、西武線沿線ではありませんが西武渋谷店、および同社系列のセゾングループが出店し、同様に駅から少し離れた商圏、文化圏を形成しているのも特徴的です。

渋谷は「地上を歩く街」「駅から遠いところまで回遊する街」だった

ここまでにご紹介した2種類の地図を、駅ごとに重ねてみるとこうなります。

▲渋谷駅 地下空間と大型商業施設

▲池袋駅 地下空間と大型商業施設

▲新宿駅 地下空間と大型商業施設

▲東京駅 地下空間と大型商業施設

こうして見ると、主要商業施設と地下道がどうつながっているのか見て取れます。渋谷は、地下道が少なく、地上を歩く街と言えましょう。「駅から遠いところまで歩いて回遊する街」でもあります。
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とはいえ、渋谷で地上に出ることなく、地下や建物を伝って移動できるルートはあります。地下鉄を伝って行けば道玄坂沿いの109、ユニクロに行くことができますが、雨の日は一旦地下に降りれば、スクランブル交差点を渡らず、地下で渡ることも可能です。

西の抜け道はマークシティ。マークシティを4Fまで上がると、道玄坂上まで行く抜け道として使えます。東の抜け道はヒカリエ。ヒカリエ2Fを奥に進むと、宮益坂の上のほうに行くことができます。

地上を歩いて回遊する街、渋谷の極意と、それでも地下や建物を通っていきたいときの小技をお届けしました。これからの再開発でまた新たな動線ができるでしょう。時と場合によって、渋谷の「ちょうどいい」歩き方を開拓してみましょう。あなたの居心地の良い場所がみつかるかもしれません。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。