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フィルム写真、その往年の魅力が今に輝く「寫眞喫茶 アウラ舎」。

スマホで手軽にバシバシ写真が撮れるこのご時世に、あえてフィルム写真をたしなむ。そんな好事家たちの間で秘密基地的な存在として定着しつつあるのが、「寫眞喫茶 アウラ舎」。デジタル写真が普及する前、一枚の写真が出来上がるまでには当然必要とされていた一連の手仕事と、そんな時代の空気をしのばせる懐かしのモノたちが今を生きる、2016年4月オープンの魅惑の空間です。

公開日 2017年8月16日

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エリア
押上駅
ライター
good mornings
フィルム写真、その往年の魅力が今に輝く「寫眞喫茶 アウラ舎」。
押上駅のA1出口から徒歩2分ほど、駅前の賑わいが少し収まってきた押上一丁目交差点の角地。ぐるりと周りを見渡せる白いビルの1Fに「寫眞喫茶 アウラ舎」はあります。写真ではなく「寫眞」というその表記がもうすでにロマン、です。
店内には、昔懐かしいカメラ、当時売られていた写真〜カメラまわりの商品の宣伝看板、写真関連の書籍、フォトジェニックな骨董雑貨、さらにはレコードプレーヤーや戦前に実際に使われていた(!)レジまで、レトロ感あふれる往年のアイテムの数々。壁のパステルカラーを背景に美しくディスプレイされています。特に正面奥の細かいタイル壁は、その手作り感が暖かくもカラーリングは現代的。空間全体として「懐かしい。けど古臭いわけじゃ決してなく、むしろ目にとても心地よい」、そんな雰囲気です。
それにしても寫眞喫茶ってどんなお店なのでしょう。「ここは、ギャラリー喫茶でレトロ雑貨のお店でもありますが、メインは貸暗室と暗室ワークショップなんです」と話すのは、若き店主の大島宗久(むねひさ)さん。大学とさらに大学院でも写真を専攻、その後も「カメラとフィルムを使って撮影して現像する写真の魅力や奥深さ、暗室作業の非日常感も含めた楽しさを多くの人に知ってもらいたくて…」、そんな思い余ってこのお店をオープンするに至りました。
その暗室はカフェの2階に。外部からの光が遮断された室内でセーフライトのスイッチを入れると、そこには目に映るもの全てが赤く照らされた幻想的な光景が。作業に必要な機材や大きなシンク、それに資材類が置かれ、かすかに酢酸の匂いが漂う、とても非日常的な空間です。
門外漢には見慣れない、不思議な形の機器について尋ねると「これは写真の引き伸ばし機。実際に使用できるものは都内でもここだけなので、有名フォトグラファーやフィルム写真マニアでこの暗室を利用される方もいらっしゃいますよ」。大島さんがそれを手にする姿も、いかにも愛おしそう。
暗室ワークショップでは「自分で撮影したフィルムを、この暗室で現像して仕上げるまでを体験して頂いています。自分のカメラで撮影してきてもいいし、カメラの貸出もしているので、私と一緒に街に出て撮影から体験することもできます。フィルムやカメラなどを見たこと・触れたことがなくても、暗室で撮影した画像が印画紙に浮かび上がる様子に感動する方は多いですね」とのこと。
「デジタルの写真というのは端的に言えば画像の『データ』なので、全く同じ画像を何度でも再現できるのですが、それ以上でもそれ以下でもない。フィルム写真は撮影から現像して仕上がるまで手作業で、厳密に言えば何枚シャッターを切っても何枚焼き増ししても同じにはならない。失敗も含めてすべて世界にひとつの作品なんです」
店名の「アウラ舎」は、そうしたフィルム写真の一回性について取り上げた名前。「アウラとは英語のオーラと同じ語源で、ドイツの哲学者のヴァルター・ベンヤミンという人が、その著書『複製技術時代の芸術作品』のなかで、複製ではないオリジナル芸術が発する一度しか表現できない輝きのようなものをアウラと定義していまして」。なるほど、フィルム写真の芸術性もその「アウラ」があってこそ、ですね。
カフェの営業時間は15時~22時と遅め。その分、会社帰りなどに立ち寄ってゆっくり過ごせるのも魅力です。魅力といえばカフェメニューもレトロ感たっぷり。色・柄・形も愛おしいカップ&ソーサーで供されるコーヒーや紅茶のほか、レモン牛乳、瓶コーラ、冷やしあめ、ルートビア(アルコール分のない炭酸飲料)、ニッキ水など。かつての写真がまとっていた「アウラ」感に思いをはせつつ、古くて新しい味わいを楽しんでみてはいかがでしょう。
(文:牧野雅枝)
(撮影:大塚秀樹)

寫眞喫茶 アウラ舎

住所
東京都墨田区押上1-15-5
営業時間
15:00~22:00
定休日
火・水
平均予算
~¥999
最終更新日:2017.6.28
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※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。
※飲食店情報の平均予算は、食べログの店舗基本情報を引用しています。